2~3歳の子どもが好き嫌いなく何でもパクパク食べてくれたらママとしてはうれしいですが、現実はそううまくいかないこともありますよね。我が家の長男は、食が細く体重も標準より軽め。気分によって野菜など食べないこともあり、私はかなり頭を悩ませていました。

「食べなさい」と怒ったところで、急に完食できるようにはなりません。これまで、親も子も笑顔で食事できる方法はないものかと試行錯誤してきました。今回は子どもが喜び、かつ効果のあった方法をご紹介します。

  • 一緒に料理を作ることで野菜も食べるようになりました

離乳食から野菜を取り入れるも……

個人差はありますが、野菜が苦手な子どもは多いもの。ママは子どもの健康や発達のために栄養バランスも考えて食事を用意しているのに、子どもが食べてくれないケースはよくあります。

長男には、離乳食から野菜をたくさん取り入れていたので、小さい頃は野菜もたくさん食べていました。野菜を細かく刻み、卵やお肉に混ぜる方法や、キャラクターなどの形にし、工夫して食べさせることもしていました。

しかし、2歳を過ぎた頃から急に野菜を食べなくなってしまったのです。「あんなに苦労して、子どもの食に取り組んできたのに」と、理想と現実のギャップに、心が折れそうになることもありました。

親の心子知らず

親にとっては完食するのが当たり前ですが、子どもからしてみれば好きなものから順に食べ、お腹がいっぱいになったので、残してしまう自然な流れだったのかもしれません。「たくさん食べないと大きくなれないよ!」と言われても、嫌なものは嫌。2歳という物事がだいぶ理解できるような年齢になり、自我も見え隠れし、ちょっとした反抗期も重なってか、ちっとも食べてくれませんでした。

そこで、ママも知恵を絞り、どうにか子どもに興味を持たせ、口に入れてもらうにはどうしたらいいか考えました。その中でも、子どもが喜んだのが下記の方法です。

(1)料理を作る過程を見せる

2歳くらいの子どもは、おままごとが大好き。よく、玩具のフライパンでハンバーグを作ったり、玩具の包丁で野菜を切ったりしていました。一緒に料理をしたい気持ちは伝わってきましたが、まだ実際に料理を一緒に作るのはハードルが高いです。

その場合は、切る前の野菜などの材料を見せ、「これがどんなお料理になると思う?」とクイズを出し、子どもに見えるように料理をしていました。子どもは玩具の料理セットで遊びながら、一緒に料理をしているつもりで参加してくれました。このときは料理に興味津々だったこともあり、野菜入りのおかずも食べてくれました。

(2)子どもと一緒に作る

3歳近くなると、玩具ではなく実際に作ってみたくなったようです。料理を作る過程を見せようとすると、子どもの手が伸びてくるようになりました。

子どもから「やりたい」と言ってくれたので、まずはお味噌汁に挑戦。包丁で竹輪を切ったり、お鍋に鰹節を入れたり、子どもができる簡単なことからお手伝い。これが、とてもうれしかったようで「僕が作ったんだよ!」と家族に自慢し、「おいしいね」とたくさん褒めてもらうと、お手伝いが大好きになりました。自分で作ったお味噌汁は、野菜が多くても絶対に完食してくれるので、親としては驚きとうれしさでいっぱいでした。

(3)家庭菜園で野菜を収穫する

野菜に興味を持つきっかけとして良い体験だったのが「野菜の収穫」です。家庭菜園をしていた友人に誘われ、人参や枝豆、レタスなどを収穫させてもらいました。その日の夕飯で食べましたが、これが瑞々しくて、とてもおいしいと好評でした。子ども達もうれしそうにたくさん食べました。レタスなどの葉物は苦手だったのですが、好きなドレッシングだと、たくさん食べてくれることもわかりました。

これらを試す中で気づいたのは、幼少期の子どもには「興味付け」がとても大事だということです。しかし、どうしても余裕がない日もありますよね。一緒に料理することも毎日は無理でしたので、そんなときは声かけを工夫しました。

例えば、「前に一緒に料理したものと同じだよ! ママが作ったけど、うまくできたかな。同じ味かな?」と聞いたり、「前に作ったものと、野菜がひとつだけ違うの。さて、何の野菜が入っているでしょうか?」とクイズ形式にして出題したり、興味を引いたりしました。

完璧を目指さずに、食を楽しむ

子どもには、どうしても野菜のおかずを食べてほしいと思っていましたが、料理教室の先生に「野菜などをふんだんに入れた具だくさんのスープやお味噌汁で、野菜は摂(と)れる。そんなに心配しないで」と声をかけてもらったことがあります。それ以来、肩の荷が下りたような気がして、頑張りすぎないようになりました。

お味噌汁でしたら、子どもも完食しやすく頑張ってくれます。毎日毎日、子どもも万全の体調で、すべて完食できるわけではありません。完璧を目指さず、楽しめる範囲で一緒に「食」について取り組んでいけたらいいなと思います。

イラスト=オオノマサフミ