■ピンチはチャンスと捉える!

誰もができればもらいたくないクレーム。しかしそのクレームに真摯に向き合い、どう対応するかによっては、その後ファンになってくださる可能性も。クレーム時にまずどうしたらの良いのか、そもそもクレームはなぜ起きるのかを心理学の視点からも解説し、対処法をお伝えします。

  • クレームをもらってしまったら

■クレームをどう捉えるか

言い方はどうであれ、自身の失敗や至らない点などを指摘されることは、あとになれば学びもあってありがたいと思えても、指摘されてすぐは落ち込んでしまうものです。ですが、クレームは「苦情」、つまり苦しい情報です。言われる側も辛いですが、言う側もエネルギーを使って言ってくださるのです。

言わずに去る事もできるにも関わらず、わざわざ教えてくださる貴重な情報と捉えましょう。「しっかり受け止めて、今後に活かそう」という気持ちで対応しましょう。

■そもそもクレームはなぜ起きるのか、その心情とは?

大きく分けると、クレームには4つの心情があると言われています。

1.本当に困っていてなんとかしてほしい

望んでいる通りにならず、どうしたら良いかわからずクレームとして伝える

2.損をしたくない

他の人と同等のサービスを期待している

3.良くしてあげたい

もっとこうしたら良くなるのに、と心で思うだけでなく、言葉にして伝える

4.機嫌が悪い

時間に追われていたり、ただ単純にイライラが原因でクレームになる

言わずもがな、4の機嫌が悪いクレームの対応が一番難しいです。なにせそもそもイライラしていて怒りをぶちまけているわけですから。まずは冷静になってもらうよう働きかける必要があります。

それでは、クレームに対しての対応方法を見ていきましょう。

もちろん、全てのクレームが型どおりにスムーズにいくとは限りませんが、基本のステップを知っていると応用できることもあります。基本のステップをしっかり見ておきましょう。

■クレーム対応の基本4つのステップ

1. 心情の理解・お詫び

この時大切なのは"聴く"態度です。お客様の心情を理解し、不快な想いをさせてしまったことに対し、謝罪します。注意すべきポイントは安易に非を認めず、そのような気持ちにさせてしまい申し訳ないというスタンスが重要です。 表情や視線、態度も重要なポイントです。決して上目線になることなく、お客様より意識的に低い体勢で臨みましょう。

2. 原因・事実確認

何が問題になっているか「原因・事実確認」を行ないます。クレームの解決に必要な事実を集め、整理します。メモを取り、適切な質問で事実を確認していきます。この際に、事情聴取のように質問攻めにするのではなく、相手を配慮した聴き方を意識しましょう。

3. 代替案・具体策の提示

問題の「代替案・解決策」を提示します。最善の方法を考え、重要なのは独自の判断ではなく、上司に確認し方針に沿って動くことです。具体的な案をお客様に提示するときには、いつ・誰が・何を・どうするかなどを明確に伝えます。

4. 再度のお詫び・感謝

再度お詫びをし、もしお客様が理解してくださったような言葉や態度を示してくだされば、ご意見に対する「感謝」を伝えたいものです。教えていただいたことに感謝をして終わることができるのが理想的です。

いただいたクレームは社内でしっかリ共有し、今後同じような事が起きないよう徹底して改善に努めることが大切です。もしもクレームをいただいてしまったら、その声に真摯に対応し、最高のサービスやおもてなしを追求していきましょう。

執筆者プロフィール:北條 久美子(ほうじょう くみこ)

株式会社 キュー 執行役員。東京外国語大学を卒業し、ウェディング司会・研修講師を経て、2007年 エイベックスグループホールディングス株式会社人事部にて教育担当に。2010年にキャリアカウンセラー・研修講師として独立。

同時にダイヤモンドジュエリーを販売するBRILIANCE+を運営する株式会社キューの顧問に就任。現在は執行役員として採用や人財育成に携わる。

■ 株式会社 キュー:http://www.brilliance.co.jp/