近年、各地でクマの目撃情報や被害が相次ぎ、大きな話題となっている。本来であれば人を避けるはずのクマだが、従来のクマとは異なる行動パターンや習性を持つ新しいタイプのクマたちが年々増加しているのだとか。

「眠れなくなるほど面白い 図解 クマの話」(日本文芸社)は、クマの多面的な魅力を図解とともにわかりやすくひも解いていく1冊。今回は、クマの常識から知られざる新事実まで、一部を抜粋してご紹介します。

■クマは目が悪いけど、動くものはバッチリ見える!

視力は動きを察知する大切な感覚

「クマって目が悪いって聞いたけど、じゃあ人を見つけられないの?」。そう思う人もいるかもしれません。確かに、クマの視力そのものは人間よりやや劣るとされており、遠くの静止したものをくっきりと見分けるのは、得意ではないといわれています。

その理由のひとつが、クマの眼球が頭の大きさに対してやや小さいという特徴。これはカメラでいえば〝レンズの大きさ〟が小さい状態で、細かな識別に少し限界があるということです。しかし、視覚が退化しているわけではありません。むしろ、クマは視覚を補助的なセンサーとして上手に活用しているのです。特に注目すべきは、動体視力の鋭さ。じっと動かずにいる人には気づかなくても、ちょっと動いた瞬間にサッと反応するという事例が数多く報告されており、「動くものを捕らえる」能力には非常に優れていることがわかっています。

さらに、クマは視覚・嗅覚・聴覚を連携させて情報を処理しています。たとえば、「においで気配を察知」→「音でおおよその距離を把握」→「動きで視覚的に確認」というように、複数の感覚を組み合わせて状況を判断しているのです。つまり、クマにとって視力は〝動きや異変をピンポイントで察知する〟ために最適化された感覚なのです。


『眠れなくなるほど面白い 図解 クマの話』(山﨑晃司 監修/日本文芸社)

最近では日本全国で目撃が相次いで発生したり、温暖化の影響で冬眠をしないクマも確認されたりすることから、話題に事欠かない今大注目の動物「クマ」。さまざまな角度からクマの生態と特徴を解説し、クマの知られざる魅力に迫る一冊。
眠れなくなるほど面白い 図解 クマの話