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唐突な思いつきで指示を出したり、忙しいときに飲み会をやると言い出したり、いきなりな言動で周囲を振り回し、その結果、部下の仕事の妨げになるようなことをしてしまっている。そんな上司の下で働かなくてはならない、不運な状況にある人もいるのではないでしょうか。

「仕事が進まなくなるのでやめてください」と言えれば楽ですが、なかなかそうもいきませんよね。

他人を変えることはそうそうできませんが、あなたが人の上に立ったときに同じようなことをしないよう心掛けるということなら可能です。

「自分の立場が強い」「年長者であるがゆえに周りが遠慮して意見を言いづらくなり、自分の意見が通りやすくなる」……。こういった状況には気をつけなくてはなりません。自分が適切でない方向に進もうとしていても、それを指摘してくれる人がおらず、より優れたアイデアがあっても提案してくれる人がいない。そんな建設的なやりとりができない環境ができあがってしまいかねないからです。

意見が通りやすい環境が慢心を生み、知らない間に周りを振り回しているということも起こりえます。地位が高くなり、褒められやすい・肯定されやすい状況というものも、必ずしも良いことばかりではないと頭に入れておきたいものです。

一方で、今の自分自身を守ることも大切です。自分のためにならない環境であれば、できるなら離れてしまった方がいい場合もあります。適当な指示を出されてもすぐには対応せず(重く受け止めすぎず)、様子をうかがうようにしたり、勇気を出して意見を出したり、時には断ったりすることも必要かもしれません。