共働きで小学校受験に挑むには

最終回の今回は、実際に共働き家庭が小学校受験に挑むにあたり、どんな手段が取れるかをご紹介していきます。住居や教室の場所、目指す学校、それに協力者の有無などの違いによって選択肢はいろいろあると思いますが、必要なポイントをおさえて効率よく挑戦していきましょう。

平日の勉強時間を確保する体制づくりを

連載8回目の記事でご紹介したとおり、「子どもを保育園に通わせているので受験できない」ということは全くありません。しかし現実問題として、平日は保育園、週末に1~2時間程度お受験用の教室に通わせる程度では、受験準備としては不十分です。もちろん、無理なくできる範囲で準備するという考えでも十分価値のある挑戦になるとは思います。しかし、倍率も高く実績もある学校の合格に向けて精いっぱい準備するためには、受験勉強の質だけでなく、量と時間が必要。平日も勉強時間を確保することを最優先にしましょう。

そのためにはまず、平日に子どもが受験用の教室に通える体制を整える必要があります。保育園によっては、保育時間の途中で抜けることや、いったん抜けて戻ってくることを許可しない場合がありますので、まずは園の協力体制を確認しましょう。経験がない園の場合は、説得してみてください。例えば私立保育園の場合、私立小学校に進学実績ができることはうれしいはずなので、相談する価値は十分にあるのです。

結果として現在通わせている園でそのような対応が難しい場合、協力的な保育園へ転園するという選択肢も考えてみましょう。また年中からの2年保育を利用して、受験に取り組む約2年だけ幼稚園に通わせるという手もあります。最近は、幼稚園に通わせたあとに預かってくれる私立保育園や、学童施設もあるため、通える範囲で探してみてはいかがでしょうか。その際、送迎サービスや祖父母に送り迎えを頼むなどの工夫も必要です。

次に通わせる教室を決めましょう。ここでポイントとなるのが、いかに個人事情に配慮してもらえるかです。1クラスの定員が10名を超え、さらに何クラスも設けているような大手では生徒が大勢いるので、一人ひとりの事情に配慮したフレキシブルな対応が難しい可能性が高くなるのは致し方ありません。少人数制の個人教室であれば、教室の通い方や勉強の進め方を相談しやすいケースが多くなります。

個人レッスンを設けている教室も多いので、親の勉強をみる時間が限られている分、費用はかかりますがプロに頼るというのも1つの手です。塾の種類や費用については、第3回でご紹介していますので、参考にしてください。

受験生の生活習慣をつけましょう

教室に通うことに加えて、いかに生活の中で勉強する時間をとることができるかが勝負です。仕事が終わってから就寝するまでの間に、子どもを机に向かわせる時間を確保するのは難しいかもしれません。そうであるならば、朝30分早起きして勉強する習慣を身につけさせましょう。その30分の積み重ねが大きな成果を生みます。

また家庭学習においては、教室の先生に何をすべきか、どう教えるべきか相談すると飛躍的に学習の質が向上するはずです。限られた時間で効率よく効果的に勉強を進めるには、プロに相談するのがベスト。日常生活をきちんと送り、親の仕事も犠牲にはせず、子どもが意欲的に受験に臨めるよう、小学校受験向けの教室は協力したいと思っています。また、多くの親子を見てきた経験からできるアドバイスもたくさんあるのです。

以上で今回の連載は終わりです。最後までお読みいただきありがとうございました。仕事と子育てを両立させながら、なお小学校受験をする決心をされたご家庭を尊敬しています。そして、応援しています。子どもと楽しみながら、取り組んでもらえればと思っています。

※写真と本文は関係ありません