■「ちょっと気になりますね」保健師さんの一言
翔太には何か障害があるのかもしれないーー。
それまで微塵もなかった不安が私の中に芽生えたきっかけは、10カ月健診で保健師さんに言われた言葉でした。
「名前を呼んでも知らんぷりなのが、ちょっと気になりますね。でも、個人差がありますから」
ボソッとつぶやくように言われただけでしたが、
「えっ、この子どこかおかしいの?」
不安になった私は、息子の様子がことごとく気になり始めました。
そして、1歳を過ぎた頃、保育士をしていた親戚から「自閉症の子とよく似ている」と言われたことで、初めて「自閉症」という障害を知ったのです。
でも、当時の私は自閉症についてまったくの無知でした。
本を探して読みあさり、書かれている自閉症の症状に翔太を照らし合わせては、ひとつでもあてはまらないことがあれば「自閉症じゃないよね」と自分に言い聞かせ、翌日になると「もしかしたら……」と読み返す、そんな日々の繰り返し。
母子手帳の「〜しますか」「〜できますか」という質問事項にも「いいえ」とつけることが多くなっていました。
言葉が出てこない
喃語(「んまんま」など赤ちゃんが発する特有の言葉)もなかった
視線が合わない、合わせようとしない
指差ししない
指差しした方向を見ない
聞こえていないかのように、名前を呼んでも振り向かない
バイバイ、バンザイなどの動作を真似しようとしない
こんな状態のまま1歳6カ月になってもたいした変わりはなく、どうしてだろうと不安は膨らむ一方でした。
あやしても喜ばない、相手をしても遊ぼうとしない。声をかけても反応しない。
でも、翔太に障害があるなんて受け入れることはできません。
どこに相談していいかもわからず、ただただ1歳6カ月健診を待っていました。
そして、その健診で「言葉がない」、「指差ししない」、「呼びかけに反応しない」など発達に問題があると指摘され、二次検診を受けることに。
1歳9カ月で受けた心理判定の二次検診では、
「対人関係がよくありません。療育施設に母子通園して指導してもらったらよくなりますよ」と言われ、救われた気持ちになりました。
よかった。1年も通えばみんなに追いつくよね、と。