私にお金を払った客はこう言う。「こんなこと早く辞めた方がいい」って。産婦人科の医者にはこう言われた。「あんた、バカ?」と。高額エステで借金を背負い、性風俗の道へ入った24歳の“つばき”。「フーゾクしかない」と思いこんだあの時の自分に伝えたいことは? 女性の性売買当事者によるコミックエッセイ『時給7000円のデリヘル嬢は80万円の借金が返せない。』(ころから)より、一部をご紹介します。

この連載の一覧はこちら

この本の内容は、学校や今までの生活では知りえなかったことや、知る必要がないとされることがメインであり、作成にあたって、文章表現や関連語などを含め、10代の方々に読んでもらう本としては、掲載することにたくさん迷いました。正直、書いていて自分自身が怖くなったり、気分が悪くなったりもしました。

それでも、これから大人という自由な世界に入る世代の、とくに10代の人たちに読んでほしくて書いています。そして、「知る必要のない世界」を知らずに大人になった人たちにもぜひ知ってほしいのです。私が体験したことはわかりやすい漫画に、今の私から知ってほしいことや当時の感情などについては文章にしています。

――続きます。

この連載の一覧はこちら

『時給7000円のデリヘル嬢は80万円の借金が返せない。』(ころから)
著者:つばき イラスト:うなばらもも

24歳のつばきは、高額エステの支払いに苦しみ、ネットショップ詐欺に遭う。そうして80万円の借金を背負うが、徐々に返済が滞り、風俗の世界へ入るが――。著者のデリヘル嬢体験をもとにした漫画とエッセイで、風俗業界の実情を伝える、ありそうでなかった一冊。若い読者層を意識した造本でありながらも、産婦人科医の高橋幸子さんによる解説や、「困った時の相談先リスト」を収録するなどの工夫が凝らされている。Amazonで好評発売中です。
公式サイトhttp://korocolor.com/book/9784907239701.html