「恋のお師匠・ジュテーム清水」が毎週木曜にレッスン!

「あなたはそのままでいい。自分らしく生きていればいつか運命の男性が現れるよ」。こんな甘い恋愛アドバイスに真っ向から反論する男がいます。その名は、"ギターを教えなくても稼げるギター講師"こと清水邦浩くん。「恋のお師匠・ジュテーム清水」の変名も持つ彼は断言します。

「恋愛は楽器演奏と同じ。正しい方法論にのっとって努力(練習)を重ねることで必ずうまくなります。自己流のやり方で彼氏ができないのであれば、僕の方法を試してみてください。運命なんて今すぐ変えられますよ」

ギター教室の生徒たちの恋愛相談を受け続けて10年。清水くんはついに「恋愛力を高める方程式」にたどりつきました。音楽とビジネスの理論を組み合わせて編み出したその方法論を惜しみなく公開します。

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自己防衛トークばかりのつまらない人たち

真面目だけれどつまらないAさんと、けっこう適当だけれど面白いBさんがいたとします。仕事仲間はAさんがいいけれど、恋人にしたいのはBさんですよね。現在はお見合いであっても「まずはお付き合いから」始まり、一緒にいて楽しくないと思われると結婚にたどり着きません。恋愛ができない人は結婚もしにくい。残酷な現実です。

清水くんが提唱する恋愛方程式は、「恋愛力(彼氏を作る力)=好きな人リスト×リピート(接触頻度)×コミュニケーション力」でしたね。ここで言うコミュニケーション力とは「面白い人だと思われる力」を指します。

そして目指すべきは、「おとなしそうなのに実は面白い人」。恋人としても結婚相手としても理想像でしょう。でも、なかなかうまくいきません。なぜなのでしょうか。「自己防衛が習い性になっていて自己開示ができていないからだ」と清水くんは鋭く指摘します。

「プライベートでも当たり障りのない、よそ行きの話に終始してしまうからです。頭がいい人は特にこの傾向があります。LINEの文面で『寒いけれど風邪ひいてませんか? 』なんて書いて好きな人に送っている女性がたまにいますが、オカンか! とツッコミを入れたくなりますね。もっとぶっちゃけたほうが面白い。『私つまんないって言われるけど、とにかくおしゃべりしたいのでLINEしちゃいました! 』のほうが素直だし面白いでしょう」

確かに、ぶっちゃけトークが自然にできる人は楽しいですよね。その人の個性や癖のようなものが伝わってきます。

「好き」の反対語は「嫌い」ではなく「無関心」

「自己防衛を軽くすると、自然と自己開示ができる」と説く清水くん。本人もぶっちゃけキャラです

自分の本音をさらけだすと、「この人の考え方には共感できない。嫌いだな」と評価されてしまうこともあるでしょう。多くの女性はこのようなマイナス評価を恐れるあまり、「自己防衛一辺倒」になってしまうのです。

「嫌われたっていいじゃないですか。『好き』の反対語は『嫌い』ではなくて『無関心』ですよ。当たり障りのないことばかり言っていると、印象に残らない人、どうでもいい存在になってしまいます。僕は嫌われるほうを選びます。本業はギター講師なのにこうして恋愛講座をしていると、『アイツはふざけている』と悪口を言われることもありますよ。でも、自分がやりたいことだし、周囲から求められてもいることだから、しょうがないじゃないですか。嫌われると確かにショックだけれど、それだけ注目してもらっているとも言える。ありがたいことです。賛否両論のあるものにしか価値はない! 」

なぜか語調が強くなる清水くん。実は彼も傷つきやすく繊細な心の持ち主なのです。でも、傷つくことを恐れて自分を抑え込むとつまらない人になってしまう。清水くんはどこかで気づき、「嫌われてもいいから本音で生きる」ことに決めたのでしょう。だからこそ、独特の個性を放ち、恋愛相談をしてくるファンがあとを絶たないんだと思います。

「周囲からの評価を気にし過ぎている人に言いたいですね。『そもそも周りはあなたのことをそんなに注目してないから大丈夫』と。誰しも自分が大好きで、自分自身にしか根本的には関心がないんです」

隣にマツコ・デラックスがいると想定する

とはいえ、いきなり「ぶっちゃけキャラ」になるのは難しいですよね。清水くんも女性たちとの会話で同じことを感じています。自分の本音を意図的に隠しているわけではなく、他者との会話になると優等生の役割を演じることに集中してしまい、自分自身でも自分の本音に気づかない。子どもの頃からの自己防衛が無意識のうちに標準になっている、と。

「波風を立てない優等生トークが刷り込まれてしまっている人は、ゆっくりと改善していくしかないと思います。まずは自分自身を客観的に認識すること。そして、会話のスピードを少し下げて、マツコ・デラックスや有吉弘行のようなツッコミ上手の人が隣に座っていると思いながら話してみてください。素をさらけ出したぶっちゃけ話に、何でもツッこんでもらえること以上の安心感はないですよね」

あえて嫌われる必要はないし、特定の人から恨まれる事態は避けるべきです。でも、「誰からも好かれる」ことは不可能であり、無理にその状態を目指そうとすると「八方美人のつまらない人」になり果ててしまいます。「嫌われるべき人に嫌われてこそ本物の人生だ」と覚悟しましょう。堂々と朗らかに過ごしていればあなたの個性が少しずつ輝き始め、「この人は面白い。もっと話したい」と感じてくれる男性も現れるはずです。

今回は自己開示によるコミュニケーション力強化についての講義でした。次回は、清水くんに恋愛方程式をまとめてもらいます。

<著者プロフィール>
大宮冬洋(おおみや・とうよう)
1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。著書に『30代未婚男』(共著、NHK出版)、『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました』(ぱる出版)など。読者イベント「スナック大宮」を東京と愛知で不定期開催。食生活ブログをほぼ毎日更新中。

<協力者プロフィール>
清水邦浩(しみず・くにひろ)
ギター講師。愛知県岡崎市・蒲郡市で清水邦浩ギター・ウクレレ教室を経営。