今年も早いものでもう12月。12月といえば欧米では何と言っても"Christmas"が最大のイベント。"Christmas Shopping"のピークを迎えるのもこの時期です。そしてこの時期になるとアメリカで活動し始めるのが「白い象」。

白い象を英語で言うなら当然ながら"white elephant"。でも何故"white elephant"がこの時期には欠かせない動物なのでしょう??……その答えはこの言葉の持つもう一つの意味に隠されています。

その意味とは :

「人からもらったのに一度も使わなかったもの」や「買ってはみたものの、使わずじまいのもの」。そして「何故か捨てがたく押し入れの奥で眠っているもの」。つまり「不要の長物化している物たち」が"white elephant"の正体ってことなんです。

昔アジアの諸国では「白い象」は神聖なものとされていて、神聖なものゆえに働かすわけにもいかないし、粗末にするわけにも、邪険に扱うわけにもいかずで、維持費だけがかかる厄介者。中には敵対している国や領土の支配者にわざと「白い象」を贈って、財政を圧迫させるなんてこともあったとか。これが現在の"white elephant "の由来なんだそうです。

そしてこのような「不要の長物化している物たち」を持ち寄って、物々交換する集いのことを"White Elephant (Gift) Exchange(不要の長物交換会)"と呼び、季節の変わり目やクリスマス時期になると、結構盛んに開かれているんです。で、参加する人の想いはと言うと、お金をかけずに儲けもんのプレゼントを入手するチャンスとして、どんなものを人が喜ぶかなどプレゼントのアイデアの収集場所として、不要品の整理場所として、または単にゲーム感覚を楽しむパーティとして、と様々なようですけど……。

ではここで"White Elephant (Gift) Exchange"のルールを紹介しておきましょう。


持ち寄るギフトに関するルール :

・参加者全員が一つのギフトを持参

・新品(未使用なもの)もしくは新品同様なもの
ただし新たに購入したものでも構わない場合あり、その場合は主催者側で金額の上限を設定。

・ギフトは必ずラッピングするべし
ラッピングペーパーでするのがお勧め、単に袋詰めは好まれない。

・ギフト券も可能
ただしギフト券単独はルール違反、何か「もの」とカップリングするならよし。

進行のルール :

・持ち寄ったギフトは誰がどれを持ってきたか分からないように、混ぜ合わせて纏めて一カ所に置く

・ギフトと同数の番号札を用意し、参加者全員が一枚ずつ引く

・1番札を引いた人からスタート
ギフトを一つ選び、即開封、好きでも嫌いでも選んだギフトのすばらしさをアピールする。アピールはギフトを開封するたびに行うべし!

・2番札を引いた人が次に続く
2番札の人には、一番札の人の選んだギフトが欲しいと思えば"steal"とか"stealing"と言いながらそれを取り上げるか、新たに他の未開封ギフトの中から一つを選ぶといった選択肢が与えられる。もし2番札の人が1番札の人のギフトを"steal"した場合は、1番札の人はもう一つ新たにギフトを選び開封する。

・3番札以降の人にも同じような選択肢が与えられる
3番札の人は前者2人のいずれかのギフトを"steal"するか、未開封のギフトから選ぶ。"steal"を選択した場合は、"steal"された前者の一人が新たにギフトを選択する。

・以降、同様な形で全てのギフトが開封されるまで続ける。


いかがですか皆さんも、この時期クリスマスプレゼントを買う前に、こんなパーティを開いてみたら……。

和気藹々と楽しみながら、エコにもなるし、お財布にも優しいし、プレゼント購入のアイデアも得られるし、ついでに不要物の整理にもなっちゃうし、一石二鳥どころか一石三鳥、四鳥ってことにもなりえるかも!!!

あっそれから、このような集いのことは一部では"Yankee Swap(ヤンキー交換)"とも呼ばれているのでこちらも覚えておいてください。

ではまた次回、Merry Christmas, everyone!!!

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