無事に一次面接も通過し、翌週は二次面接です。ここからは、実際に内定を頂いた会社のみに絞って、面接のときの話をしていこうと思います。

面接の後は東京ドームで…

面接は、どの会社でも大体1日に3~4回開催されているのですが、先着で好きな回を選べるとき私はいつも1番早い回を予約するようにしていました。面接官も人間ですから、同じような就活生の話を何度も聞いていると飽きて疲れてしまう、だったら飽きが来ていない早いうちに面接をして印象づけたいという作戦のひとつです。

この日もいつもどおり1番早い回を予約していたのですが、この日はもう一つ、早い回にしておかねばならない理由がありました。夕方から東京ドームでHey! Say! JUMPやA.B.C-Z、Sexy Zoneなどジャニーズの若手が出演するコンサートが行われるからです。もちろん行くつもりでチケットを取っていたので、面接が終わってから一度家に帰って私服に着替える時間が欲しいと考えると、一番早い回を選ばざるを得ませんでした。

ジンクスになった2曲のアイドルソング

二次面接当日の朝。「これが終わればコンサート!」という風にやる気をみなぎらせていた私ですが、もう一つ私の士気を高めてくれるものがありました。それはアイドルソングです。特に関西ジャニーズJr.の「バンバンッ!!」と、V6の「バリバリBUDDY!」、この2曲が私の就活のテーマソングでした。

「バンバンッ!!」は、3月上旬に行われた関西ジャニーズJr.のコンサートで初めて耳にした曲でしたが、一度聞いただけで大好きな曲になりました。歌詞の中に「簡単じゃねぇ 楽じゃねぇ だけど決めたんだろ自分で」というフレーズがあるのですが、これが就職留年を決めた私の胸にズドンと響いたのです。2度目の就活中、「今年も駄目だったらどうしよう…」と考えてしまうことが何度もあったのですが、そのたびに大阪で聴いたこのフレーズを反芻していました。簡単じゃないけど、就職留年という道を選んだのは自分だから、悔いのないようにしっかりやろう!と思えたのです。

「バリバリBUDDY!」の方は元々好きな曲ではあったのですが、この前の週に行われたV6のコンサートで生でパフォーマンスを観て改めてそのエネルギッシュさにやられました。特に、曲の最後にイノッチが言う「頑張るよりも楽しんで~!」というセリフ。1度目の就活のときに「頑張ろう!」と意気込みすぎて緊張して失敗する、ということをよくやっていたので、2度目の就活のときには常にこのフレーズが頭の中にありました。「バリバリBUDDY!」は3分ぴったりの曲なのですが、内定先の会社は駅の改札を出てから会社の入口までがちょうど3分くらいだったので、改札を降りたらiPodの中からこの曲を選んで再生する、というのを最終面接までずっと行っていました。

面接前にこの2曲を必ず聴く、というのは、私の中で一種のジンクスのようになっていました。

難しい質問にも緊張せずに対応

二次面接は、一次面接の面接官よりも年上の面接官3人対私ひとりという形で行われました。一次面接が結局ほぼ雑談で終わってしまったので、二次もそんなに難しいことは聞かれないだろうと油断していたのですが、全くそんなことはなく、「うちのファッション誌専属の○○というモデルを主人公に実写化するとしたら何の作品がいい?」「△△さん(漫画家)に描いてほしいストーリーとかある?」といった企画会議のような話から、「うちの会社の公式サイトのアクセス数を上げるためにはどうしたらいいと思う?」という話、極めつけに「TPPに参加すると電子書籍の未来はどうなると思う?」と聞かれたときは一瞬頭の中が真っ白になってしまいました。電子書籍の未来も何も、そもそもTPPがどのような協定なのかすらよく分かっていなかったからです。時事問題については筆記試験前にある程度勉強したつもりでしたが、筆記試験が終わってからもニュースや新聞などを意識して見ておくべきだった…と反省しました。

これが1度目の就活のときだったら、頑張って自分をよく見せようとそれらしいことを言って、でも結局深いところまでは掘り下げることができずに空回り…というパターンだっただろうなと思います。しかし、2度目の就活ではV6の「頑張るよりも楽しんで」というフレーズがずっと頭の中をぐるぐるしていたので、とにかく楽しく話をしないと駄目だ、と思いました。そこで、「勉強不足でTPPについては○○という知識くらいしか持ち合わせていないのですが」と一応断りを入れてから、できる限り自分の身の回りのこと、自分が体験したことなどと絡めて答えました。今思い出してもかなり支離滅裂な回答ですし、実際に面接官の方も「こいつ時事問題について何も知らねぇな」と思ったと思います。ですが、知らないくせに堂々と楽しそうに答えていたのが良かったのか、面接の最後に「今全然緊張してないでしょ?」と聞かれました。私としてはめちゃくちゃ緊張しているつもりだったので「そんなことないですよ!」と答えたのですが、確かによく考えてみると悪い意味での緊張は全然していなかったなと思うのです。アイドルソングって偉大だな、と思った瞬間でした。

とはいえ圧倒的な知識のなさを露呈してしまったので、この二次は受かるか落ちるか五分五分だな…と思っていたのですが、何とか無事に通過のお知らせを受け取ることができました。次はいよいよ三次面接。ですがその前に、2日間東京ドームのコンサート、そしてその後2日間大阪で関西ジャニーズJr.の舞台と4日連続で楽しいイベントが待ち構えていました。


<著者プロフィール>
ぽんず
都内の私立大学文学部に通い始めて5年目。一浪・一留・ジャニヲタという女として崖っぷちスペックの女子大生。中学生の時にデビューしたてのNEWSに一目惚れして以来、アイドルヲタ歴は約10年。現在は、ジャニーズ全般、また女子アイドルや若手俳優の現場にも年平均50~60回足を運ぶ。熱しやすく冷めやすく思い込みの激しい牡羊座のO型。

(イラスト:womi)