「家事も育児も家計も全部ワリカン! 」バツイチ同士の事実再婚を選んだマンガ家・水谷さるころが、共働き家庭で家事・育児・仕事を円満にまわすためのさまざまな独自ルールを紹介します。第204回のテーマは「子ども関連のお付きあいの夫婦分担は…」です。

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うちのパートナーは子ども関連のコミュニティーに参加するのが好きです。

PTAも1年生のときはやってくれたし(2年生である今は私が担当。1年交代でやる予定)、子どもを含めてママ友、パパ友との会に積極的に参加してくれます。コミュニティーに当事者意識を持って参加する男親はいたり、いなかったりと、まだまだご家庭によって分かれるところ。我が家は積極参加タイプなのでよかったなと思っています。誰かが企画した会に子どもと参加する時は、ほぼ必ず夫婦揃って参加しています。

なのですが、いざ自分たちが「みんな誘ってこういうことしない? 」みたいなときになると、立案はパートナーでも実際に声掛けする幹事をやるのは私……みたいなことがよく起こります。

私自身、幹事をやるのは平気なタイプなのですが、立案した本人がやればいいのになあ……とは思ってしまう。だけど実際のところ、子どものスケジュールを管理しているのは母親というご家庭が多いんですよね。なので、母親コミュニティーに「こういうことしない? 」と声掛けするのは私になってしまうのです。

子どもが保育園のときに、パートナーが「ママ友グループLINEに俺も入れて」って言ってきたのですが、他に入っているパパもいない。ママ友の中にはパパの参加を快く思わない人もいるかもしれないし、我が家だけパパを入れるのは抵抗がありました。私が常に「夫がいないとダメな人」に見えるのもイヤだし。なので、パートナーに「パパ友グループ作れば? 」と提案したら、本当に作りました。

じゃあそっちで企画立案、声掛けやればいいじゃん……? と思うのですが、パパ友のみなさんはあまりマメじゃないのか、何かをポストしても反応がイマイチらしいのです。というわけで、コロナ禍になる前から「保育園のお友達とお花見したい」と言われれば私が他のご家庭に声掛けして仕切り、パートナーはそこで楽しくお酒を飲む、みたいなことがよくありました。

とはいえ私自身も、子どものお友達とそのママ友パパ友と遊ぶこと自体は結構好きで、楽しんでいるタイプ。しかしこのご時世になり、いざ声掛けするとなるといつも以上に気を使います。コロナ禍となったここ数年、「子どもの集まり」はほぼありませんでした。お祭りもないし、卒園、入学のときも集まりもない。感染状況が落ち着いたタイミングで少人数で会うことはあっても、複数人数と会うことは難しい状況でした。

コロナが落ち着いてきたとはいえ、今回は感染対策に気を使い「お昼ごはんを食べ終わってからみんなで遊ぶ」という計画にしました。でもご家庭によっては「まだ外とはいえ人が集まるなんて」という人もいるでしょうし、結構センシティブだなあ……と思いました。

なので、今回は「そろそろみんなで遊びたいね」と話をしていたママ友から、徐々に「この日程でお外で遊びませんか」とお誘いをして、「他に誰か誘いますか? 」とか相談して様子をみながら声掛けをしていく……という感じで進めました。

実際に参加してくれた人たちとは久しぶりにお話しできて、とても有意義だったし楽しかったので「やってよかったな」と思ったのですが、センシティブなコミュニケーションをまるっとパートナーから任せられたことにはモヤモヤしてしまいました。かといって「じゃあやらない」っていう選択肢もあったし、「やりたければ自分でやってね」と言ってもよかったのですが、ついつい「まあ……やったら子どもも喜ぶかな~」と思いやることに。

我が家の家事分担は「こだわりがある人がやる」なんですが、これは「やりたい人がやる」と「得意な人がやる」の間の案件だなあと思いました。私ができないこと、例えば「車を運転して家族ででかける」とかは、パートナーが得意なことです。やってもらえて助かることも多いですが、同時に「やりたい人がやる」とマッチしていて、あまりストレスがありません。

今回は「得意な人がやる」に近いんですが、「得意だからストレスがない」わけではなかったのでモヤモヤが残りました。とはいえ、実際にパートナーがパパ友コミュニティで声掛けをしてもそんなに集まらなかっただろうし、致し方なし……。

そういうときは「感謝してもらう」以外に方法がないので、パートナーにお礼をたくさん言ってもらいました。でも「楽しかったからまたやろう! 」と言われて、もうちょっとインターバル置いて、またはコロナがもっと落ち着いたら! とお願いしました。早く気を使わずに、人を誘ってみんなで遊べるようになって欲しいです。

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著者プロフィール:水谷さるころ

女子美術短期大学卒業。イラストレーター・マンガ家・グラフィックデザイナー。
1999年「コミック・キュー」にてマンガ家デビュー。2008年に旅チャンネルの番組『行くぞ! 30日間世界一周』に出演、のちにその道中の顛末が『30日間世界一周! (イースト・プレス)』としてマンガ化(全3巻)される。2006年初婚・2009年離婚・2012年再婚(事実婚)。アラサーの10年を描いた『結婚さえできればいいと思っていたけど』(幻冬舎)を出版。その後2014年に出産し、現在は一児の母。産前産後の夫婦関係を描いた『目指せ! ツーオペ育児 ふたりで親になるわけで』(新潮社)、『どんどん仲良くなる夫婦は、家事をうまく分担している。』(幻冬舎)が近著にある。趣味の空手は弐段の腕前。