新婚さんにとって「結婚式」と同時に「マイホーム」の話題が浮かぶという方も多いのではないでしょうか。

二人の人生の大切なスタートである新婚時代。早いうちからどんな暮らしがしたいかを考えることが、かけがえのない時間に繋がることがあります。

この記事では、実際に「新婚時代に家を購入」した先輩カップルの、マイホーム実現までの体験談をまとめました。

新婚時代に「中古マンション購入+リノベーション」されたAさんご夫妻にインタビュー。前編では購入のきっかけや、こだわりポイントを紹介しました。

後半では、住まいづくりの不安、実際に新婚時代にマイホーム購入をしてみたリアルな声を伺います。

Aさんご夫妻

プロフィール
夫 タクミさん(35)
職業:不動産業
好きなこと:音楽・自転車・スケートボード

妻 モエさん(33)
職業:フリーランス
好きなこと:猫・音楽・植物
Instagram:https://www.instagram.com/moedkdf/

――住まいづくりが楽しかったということですが、実際いかがでしたか?

タクミさん:ずっと楽しかったですね。僕は特に物件探しが楽しかったです。中古マンションの構造や共有部も個性があって面白くて。

モエさん:ハマってたよね(笑)。担当者さんも自分たちにすごく合っていて、最初のカウンセリングも、物件探しも、お金関係も、設計も、それぞれ担当者さんがいましたが、皆さんいい人で、知見があって本当に勉強にもなりました。

タクミさん:自分たちのやりたいことと提案のバランスが良くて、完成まで楽しくできたなと思っています。

――素敵ですね。ちなみに、大変だなぁと思うことはありましたか?

モエさん:それが意外となくて。普段から喧嘩もしないのですが、家作りもとてもスムーズに進みました。私はスピーカー付けたいというのと、猫と暮らせればOKだったので、それ以外はほぼお任せでした(笑)。

タクミさん:そこまで内装に個性を出していないというのもあるかもしれません。売却を視野に入れて余白を持たせてシンプルにしたのが良かったかも。床を全部モルタルにしたいというアイデアだけは採用されませんでしたけど(笑)。

モエさん:ちょっと寒そうだったのでなしにしました(笑)。でもそのくらいでした。

タクミさん:絶対という訳でもなかったので、最終的に二人で話し合って、受け入れたり譲り合ったりして決めました。

  • 猫とくつろぐ時間がお気に入り。大通り沿いということもあり、窓は二重サッシになっていて防音と断熱効果がある

  • 有孔ボードはフックを付けて吊り下げ収納も可能

――中古マンションに対して心配はありましたか?

タクミさん:僕は不動産業ということもあり、元々抵抗はあまりなかったです。

モエさん:私は不動産の仕組みや中古マンションのメリットデメリットなど本当に何も知らなかったので、最初は少し不安でしたが、リノベるさんやタクミさんに話を聞いたり勉強したりするうちに解消されていきました。

タクミさん:いざとなった時に売ったり賃貸に出したりできるかどうかも考えてはいたので、この家を購入するときも資産価値のあるマンションかどうかをかなり見極めました。

分譲用マンションですが、駅徒歩2分の好立地だし、賃貸に出しているオーナーさんが多く、空室も少ない。また若い方も多くて入れ替わりがあって、共用部も築50年とは思えないほどきれいなので需要は十分あるだろうと思い、最終的に購入を決めました。

モエさん:猫OKのマンションは本当に少ないので、良い物件に巡り合えてよかったです。

  • キャットタワーで日向ぼっこをする大吉くん(左) 大福ちゃん(右)

――お金の面での不安はありましたか?

モエさん:住宅ローンを組むのは初めてなので、結局月にいくら支払いがあるんだろう? という不安はありました。

タクミさん:ローンの借入可能額はわかっていましたが、最終的にかかる金額が最後まで決まらない不安はありました。進める中で仕様変更をしたり追加工事があったりもするので、都度、設計担当さんと相談しながら進めることをおすすめします。でもこの立地や条件で賃貸物件だったとしたら、今の毎月の支払の1.5倍くらいの家賃はかかるんじゃないかなと思うので、買ってよかったなと思います。

モエさん:結婚式とタイミングが近かったので、お金を使うことに対する勢いも少し助けになったかもしれません(笑)。

タクミさん:結婚したばかりだと何かとお金がかかるし、そんな中で頭金を払うなどの心配もあると思うのですが、僕たちの場合はまだ二人の貯金もそこまでなかったので、頭金は払わずローンに組み込むことにしました。

モエさん:頭金をローンに組み込めることを知らない方も多いんじゃないかな。私達は入れませんでしたが、インテリアをローンに組み込む方もいるみたいです。

タクミさん:同じように築古マンションを買う方にお伝えしておきたいのは、僕たちのマンションの場合、住宅借入金等特別控除が適用されませんでした。古い分、購入時は安いのですが、築年数や条件によっては控除が適用されない可能性があることは覚えておいた方がいいかもしれません。

  • 解体前、スケルトン状態、竣工後家具設置前の様子

――住んでみてどうですか?

モエさん:住んでから5年ほど経ちますが、日々暮らしていて、ふと「この家いいなあ」と思う瞬間があります。

タクミさん:最初、リノベーションに興味があったのは僕の方だったので、モエさんがこういうことを言ってくれるのがすごく嬉しいです(笑)。

モエさん:すっごく心地いい。本当に快適なんですよね。昨日も「ほんといいよね」って二人で話したりなんかして(笑)。

タクミさん:光も入るし、風も抜けるし、とにかく居心地がいいんですよね。家にいる時間が増えました。

  • 家で猫と遊んだり、音楽を聴きながらくつろぐ時間が増えた

モエさん:それは自分たちで作ったからなんじゃないかなと思います。前の家はデザイナーズ物件だったのですが、ちょっと個性的で…自分たちに合う間取りで、好きな内装やデザインにできたのは大きいかも。

タクミさん:うんうん。あとは、念願の世田谷区だったので、街歩きが楽しくなりました!

モエさん:あとは趣味が楽しくなりました! 最近は観葉植物にハマっていてお水をあげている時間が好きです。賃貸みたいに2年ごとの引っ越しに追われる必要もないし、家のテイストも自由にできるのでインテリアも楽しめています。

  • 光の当たる窓際でグリーンを育てている。大福ちゃんの日向ぼっこスペースにも

タクミさん:僕は音楽を聴きながら、料理を作りながら、お酒を吞んでいるときに、すごく居心地がいいなあと思います。

モエさん:その料理をふるまってくれます(笑)。最近はスパイスカレーを作ってくれました。

  • 料理好きな旦那さんお気に入りのキッチン

――もう一回住まいづくりをするなら? 過去の自分にアドバイスしたいことは?

モエさん:図面だとどうしても想像ができなくて、住んでみて気づいたことはやっぱりありました。

タクミさん:コンセントの位置とかね。もっとたくさんつければよかったな、とは思いました。次にリノベをするなら考えたいですね。

モエさん:収納もね。トランクルームがあるので、部屋の収納はコンパクトにしたのですが、もう少し余裕を持たせても良かったなとか。

タクミさん:意図的にできる限りミニマルなリノベーションにしたものの、ちょっとシンプルにしすぎたかな? とも思いました。

モエさん:でもこの広さなら色々とこれが正解なんじゃないかとも思います。

タクミさん:そうだね。

  • 右の白いブラインドの後ろの空間が収納になっている

――結婚式と同時並行の住まいづくりに驚かれることも多かったのではないでしょうか?

モエさん:たまに言われますが、意外と同時進行できました。結婚式の準備は私が中心で、家の方はタクミさんが中心だったからかもしれません。

タクミさん:結婚式や出産のあとにマイホームを考え始める方も多いと思いますが、子どもができてからの方が大変かもしれないです。

――結婚と同時に住まいづくりをして良かったなと思うことはありますか?

タクミさん:新婚時代に快適な家で二人で過ごせたのはとても良い経験だったと思います。

モエさん:そうだね。ストレスもないし、喧嘩も起こりづらくなるんじゃないかなと思います(笑)。

タクミさん:僕たちの場合、前の賃貸は内装のデザインと安さで選んだので、希望エリア外だったし、間取りにも癖があって住みにくさを感じる場面がたくさんありました。 あのまま妥協して快適じゃない賃貸に住み続けていたら、二人にとって微妙な時間を過ごしていたかもしれないと思っていて。不満のあるまま住んで、喧嘩して別れるリスクがあるって考えると、早めに買っておいてよかったと思っています。

モエさん:私は、人生の選択肢の一つを学んだなと思っています。生まれてからずっと実家に住んでいて、「家を買ったらずっと住むものなんだ」という先入観があったので、家を買ってリノベーションして、売ったり貸したりして住み替え、という選択肢もあると知って、住まいづくりってもっと気軽なものなんだと考え方が変わりました。

タクミさん:家を買うなら35年きっちり住まなきゃ! という考えもあると思いますが、僕はライフステージの変化で、貸しに出したり、売却することを選択肢に持っていたので、購入のハードルも低かったんじゃないかなと思います。

――これからマイホームを進めたいと思うカップルにアドバイスをください!

タクミさん:手軽に住みかえるという選択肢も持ってもらったらいいなと思っていて。 長くて10年とか、少し先を見据えた家を早めに買うのをおすすめしたいです。

モエさん:当初はもし子どもができたら少し手狭になると思って、10年くらいは住もうねと話していました。今は本当に住み心地が良いのでずっと住んでもいいし、貸しに出して湘南にでも移り住むのもありだよね、なんて話しています。

モエさん:あとは、実家の近くに住まなければならないなどの縛りがないのなら、エリアで選んでみるのも楽しいと思います。

タクミさん:都内の好きなエリアで理想の住まいが叶ったのは、やっぱり中古マンションっていう選択肢があったからだと思うんです。新築はそもそも売りに出ないし、出たとしても高すぎて買えないかも。

モエさん:中古マンションも知識さえあれば、住みたいエリアで理想の暮らしができるんじゃないかと思います。

――タクミさん、モエさん、ありがとうございました!

いかがでしたでしょうか。

大切な新婚時代を理想の住まいで心地よく過ごせたというお二人。住まいの選択肢が広がったことで、お二人の人生の選択肢も広がったのではないでしょうか。

■DATE
中古マンション購入+リノベーション
完工時築年数:築53年
面積:53.4㎡
間取り:2LDK→1LDK
エリア:東京都
施工:リノベる。