新婚カップルにとって、結婚式の次に浮かぶのは「住まい」、という方も多いのではないでしょうか。

二人の未来を作る大切な「住まい」。どんな暮らしがしたいかを考えることは、二人の人生を考えることにつながります。

この記事では、実際に「新婚時代に家を購入」した先輩カップルの、マイホーム実現までの体験談をまとめました。

結婚して1年、マイホームに中古マンションの購入とリノベーションをされたTさんご夫妻にインタビュー。前編では購入のきっかけや、こだわりポイントを紹介しました。

後半では、住まいづくりの不安、大変さをどう乗り越えたか、おすすめの進め方などを伺います。

プロフィール
夫 ナオヤさん(33)
職業:IT企業勤務
好きなこと:料理、お酒、漫画、ゲーム、ゴルフ

妻 メイさん(31)
職業:WEBデザイナー
好きなこと:モノづくり、インテリア
Instagram:https://www.instagram.com/meiroom/

———住まいづくりが楽しかった! ということですが、ぶつかり合いなどはあったのでしょうか?

メイさん:間取りとデザインは何度も議論を重ねましたね。二人にとって「一番どれが暮らしやすいか」「楽しく過ごせるか」をよく話し合って決めていきました。

———なるほど! 素晴らしいですね。ちなみに、大変だなぁと思うことはありましたか?

ナオヤさん:エリアを決めることが一番大変だったかも。そもそも関東に住むか、実家近くの近畿に寄せるか話し合ったりして。でも、万が一気が変わっても、比較的売りやすい都心部のマンションにしたので、売却して移り住むのも手だなと思って、今の物件に決めました。

———中古に対して心配はありましたか?

ナオヤさん:自分は最初めちゃくちゃありました…笑
でもそれは無知だったからで、資産性とか耐震性とか、気になることを二人で調べたり、担当者さんに話を聞いて、メリット・デメリットを理解したうえで買いました。

  • フルリノベーションではコンクリートむき出しの「スケルトン」状態にするため、配管、配線などの設備を刷新できる

  • 解体前、スケルトン状態、完成後の様子

———金銭面での不安はどうでしたか?

メイさん:最初はありましたね。

ナオヤさん:何千万もする買い物なので怖さはありました。不安が解消されたのは、住宅ローンの話と、月々支払う額を聞いて、賃貸の家賃、更新料、引っ越し代とかを考えたら、「あれ?買った方がいいんじゃない?」って。

住宅ローンがきちんと組めたので、今の支払い額は賃貸の時より少し高いくらいで、負担に思う額ではありませんでした。

———住んでみてどうですか?

ナオヤさん:自分はめちゃくちゃ料理をするようになりました。

メイさん:この前、手づくりでフレンチのフルコースをふるまってくれたんです! 笑

  • 家呑みの頻度も増えたそう

ナオヤさん:お気に入りの空間なので、もっと料理が楽しくなりました。

メイさん:私も趣味がもっと楽しくなりました! どこもお気に入りの場所で、インテリアに今まで以上に打ち込めるようになりました。

あと、旦那さんはもともと暮らしにあまり興味のない人だったんですが、影響を受けて、ピンクのモビールを買ってきてくれました!

ナオヤさん:これ、かわいいんですよ。笑
奥さんの影響を受けてセンスがちょっと良くなったかもしれないです。最初は「黒がいい!」とか、自分の好みだけで喋ってたのですが、どうやったら素敵に見えるのか、奥さんの目線でも考えるようになりました。話し合いでお互いの好みが分かってきたのもあります。

  • インテリアに関心の薄かった旦那さんが興味を持つように

ナオヤさん:あとは、住んでから幸福度が上がったなと思っています。朝起きたとき「ああ、おしゃれな家だなあ」と思って嬉しくなります。笑

  • リビングの一角に設けたベッドルーム。季節や気分に合わせ模様替えを楽しんでいる

メイさん:私はご飯食べているとき、旦那さんが楽しんで作った料理がテーブルに並んでて、2人で選んだインテリアが広がってて、ワンちゃんが寝っ転がってて、「し、、、幸せ!」ってなります。

  • ワンちゃんが走り回れるリビング/アートも気分で変えて楽しんでいる

  • 窓辺には一段下げたモルタルのインナーテラスがあり、植物やワンちゃんのトイレを設置

ナオヤさん:出社してる人なら家で過ごす時間は多くないと思いますが、二人とも週5在宅でほぼ家にいるので、特にこの環境にしてよかったなあと思います。

  • ワークスペースもお気に入りのアイテムを集めて快適に

———もう一回住まいづくりをするなら? 過去の自分にアドバイスしたいこと

メイさん:満足していてあまりないのですが…あえて言うなら、計画的に住みたい街や内装のイメージとか、二人の理想をリサーチしておくことをおすすめしたいです。私たちは、治安とか、雰囲気とかを友達に相談したりしてました。

ナオヤさん:自分も今満足しているので、あえて言うなら、「ケチんなくていいよ」と言うかもしれない。切り詰めていたらここまで満足できなくて後悔していたなと思うので。

  • ウォークインクローゼットは”かっこいいピンク”になるようにデザイン

———お二人は、住まいづくりで意識したことはありますか?

メイさん:全部を楽しむこと! です。たとえば、うちの場合、旦那さんは協力的ではあったんですけど、はじめは住まいづくりにあまり興味がなくて。交渉から始めました。笑

こういう言い方したらきっと乗ってくるだろうな~とか、それ自体も楽しんでいたら旦那さんも一緒に楽しむようになってきて。

もちろん議論はありましたが、全部「どうやったら2人がわくわくするか」を軸に考えてました。住んだらどんな楽しいこと待ってるかなとか、2人で楽しみながら会議を重ねました。

ナオヤさん:あとは妥協しない! たとえば、キッチンは夫の好きなようにやっていいよ。妻は我慢するよ。だと片方の妥協があるので、お互いが納得している状態でちゃんと決めることは意識していました。最終的には仕事みたいにプレゼンしたりして。笑

メイさん:「自分の理想のキッチンにすれば、モチベが上がって妻はこんな美味しいもの食べれます!」という旦那さんの提案に対し、「私が料理したくなるようなキッチンにするにはこのニッチが必要です!」みたいな。笑

プレゼンし合って、お互いのこだわりをミックスしました。

ナオヤさん:それが結構いい時間になったよね。

メイさん:うんうん。その甲斐あって、全部お気に入りです。

  • ダイニングからの眺め。アーチの先は洗面室で、扉を隔てて脱衣所があるので、来客も気兼ねなく利用できる

———たくさん話し合いもされたと思いますが、住まいづくりをして良かったなと思うことはありますか?

メイさん:マイホームを二人で考えることで、具体的な未来像やお互いの価値観を共有し合える機会になりました。たとえば、もし子供ができたらどこに住みたいとか、子供は何人欲しいとか、どんな暮らし方にワクワクするかとか、結婚1年できちんと話し合えたのは良かったね。

ナオヤさん:改めて話し合う機会も少ないよね。担当さんとの打合せでも、将来象を一緒に考えながら決めていきました。

メイさん:自分たちは第三者に入ってもらったので、住まいのプロ目線の話も聞けて、より未来が想像できたんじゃないかなと思います。

———これからマイホームを進めたいと思うカップルにアドバイスをください!

ナオヤさん:住まいづくりは、カップル両者の意識がとにかく大事だよと思ってまして。たとえば、旦那さんが協力的じゃないとか、そういう状況があるんだったら、そこをまずしっかり改善してからがいいかもしれない。

メイさん:同じ考えです。考えることが多くてすっごく大変だけど、妥協せず、協力して 向き合い続けたのが良かったなと思います。

———ナオヤさん、メイさん、ありがとうございました!


いかがでしたでしょうか。

新婚時代に住まいづくりをすることで、価値観のすり合わせができる良い機会になったというお二人。妥協せず、「二人が楽しめるか」というぶれない視点で住まいづくりをされたことが「二人の人生をつくりあげていく」ことにつながったのではないでしょうか。

■DATE
中古マンション購入+リノベーション
完工時築年数:築39年
面積:91㎡
間取り:3LDK→1LDK+WIC
エリア:神奈川県
施工:リノベる。