普段何気なく走っている高速道路には、実はいろんな工夫が施されたり、さまざまな意外な事実が隠されていたりします。連載コラム『高速トリビア』では、そうした高速道路に関連する豆知識をご紹介します。今回は、高速道路のトンネルの「照明」のお話です。
今やトンネル照明はオレンジだけじゃない!
トンネル内を安全に走行できるのは、トンネルの壁面に設置された照明のおかげです。設置当時は、遠くを照らすオレンジ色に見えるナトリウムランプが主流でした。しかし、トンネルの照明は24時間点灯させないといけないため、経済的にもやさしくなければいけません。
最近では技術の進歩によって消費電力や照明の寿命を進化させたさまざまなタイプが登場しています。
トンネル照明の種類
ナトリウムランプ
*使用年次:昭和30年~平成11年(※1)
(※1 年数は目安であり、現在も一部の入口や出口部にはナトリウムランプを使用しています)
- 特徴:廃棄ガスや塵の影響を受けにくい。水銀ランプと比較して消費電力が1/2~1/3
蛍光ランプ
使用年次:平成11年~
特徴:消費電力がナトリウムランプと同等で寿命がナトリウムランプより3割程度長い
セラミックメタルハライドランプ
使用年次:平成21年~
特徴:水銀ランプと比較して消費電力が約1/2で、寿命が同程度
LEDランプ
使用年次:平成24年~(予定)
特徴:蛍光灯と比較して消費電力が同程度で、寿命が5倍程度長い
圏央道 東金IC~木更津東IC間、上信越道 碓氷軽井沢IC~松井田妙義IC間(上り線)で施行中
入口と内部で異なるトンネルの明るさ
トンネル照明は、入口と内部で明るさが違うことを知っていますか。人は、明るいところから暗いところに急に行くと目が暗さに慣れず、トンネル内部の景色がよく見えないことがあります。逆の場合も同様です。
そのため、高速道路では入口部分の照明を明るくし、少しずつ暗くすることで暗さに慣れるように工夫しているのです。