紫外線が私たちの敵にも味方にもなる理由

美容に興味を持たれている女性ならば、「光老化」という言葉を一度は聞いたことがあるでしょう。光老化は人間の老化症状の中でも、特に「紫外線が原因による老化」を指します。屋外で長期間仕事などに従事してきた方に深いシワがあるのも、光老化が関係しています。

紫外線が肌に当たるとメラニン細胞が活性化し、同時に体内で活性酸素が発生します。活性酸素は肌の弾力性を保つたんぱく質・コラーゲンを細かく切断する酵素(コラゲナーゼ)を大量に作り、その結果、シワやたるみが発生するのです。ただ、このシミやくすみは人体に無くてはならない存在なのです。シミやくすみは、紫外線を肌の深い部分まで浸透させないためのバリアの役目を担っているからです。

紫外線カットに優れているサングラスのタイプは?

以前に取り上げた白内障は、「透明な生卵の白身が熱により白くなる」ように物が徐々に見えにくくなる病気です。その発症には、年齢を重ねることに加え、紫外線も大きく関与しています。

紫外線による白内障を防ぐには、UVカット機能も持つ眼鏡やコンタクトレンズ、サングラスを着用することが大切です。サングラスは「メガネタイプ」「スポーツタイプ」「ゴーグルタイプ」に分類されますが、どれが紫外線の防御には最適でしょうか?

正解は「スポーツタイプ」です。紫外線は、眼とレンズの間の空間からも容赦なく侵入します。「後方や側方からの紫外線」を考慮すると、肌に密着しやすい(紫外線が入りにくい)「スポーツタイプ」が最適解と言えるでしょう。さらに「レンズの色」が濃すぎると、瞳が大きく開いてしまい、より多くの紫外線が眼の中に入る可能性があるので、選ぶ際には注意してください。

男性も紫外線対策をきちんとすべき

女性の場合、化粧による紫外線防御が期待できますが、化粧をしない男性の場合は難しいです。男性は、一般的に女性より仕事や趣味などで屋外に出て紫外線を浴びる機会が多いです。特に「光線角化症」という皮膚ガンの初期病変は、男性に多いことがわかってきました。

「シミやシワは気にしないし、できても構わないから日焼け止めを塗らない(塗りたくない)」という男性が非常に多いのは悩ましいです。実際には皮膚ガンの原因にもなるため、男性の方にも日焼け止めなどの紫外線対策の重要性を知っていただきたいと思います。

※写真と本文は関係ありません