前回の復習

まいど、"相場の福の神"こと藤本です。前回は、「NISAで「株式投資」その(3)」で「株主優待」について解説いたしました。

そのポイントを再掲載すると以下の通りです。

ポイント

  • 配当金のほかにもう1つのインカムゲインとして、株主優待があります

  • 株主優待のある銘柄を検索するのは、Yahoo!ファイナンスや、ネット証券の検索機能がオススメ

NISAで「株式投資」その(4)

今回は、「日経平均株価」について、ご説明いたします。

アクティブ投資とインデックス投資

株式投資には、2つの投資手法があります。

  1. アクティブ投資=個別銘柄投資

  2. インデックス投資=株価指数投資

アクティブ投資は、個別に良さそうな銘柄を自分で選択して投資する方法です。

インデックス投資は、銘柄を選別せずに株式市場全体に投資する方法です。

個別銘柄を自ら選択するのは難しすぎると思われる投資初心者の場合は、インデックス投資がオススメです。

日本株にインデックス投資する場合、初心者のなじみが深い日経平均株価に投資するのもひとつの手法です。

NISA口座で日経平均株価に投資するには

日経平均株価は、日本経済新聞社が選定した日本を代表する225社の単純平均株価の指数です。TVや新聞などでいつもおなじみの数字ですよね。

こちらが、日経平均株価の10年間の月足チャートです。

日経平均株価の構成銘柄の225銘柄をすべて買い付けすれば、日経平均株価に投資可能なのですが、数億円の非常に大きな金額が必要になります。(NISA口座では年間100万円までなので、実質的には不可能です)

もっと少額で投資する場合、日経平均株価に連動するETF(上場投信)がオススメです。

日経平均株価連動のETFは、複数あるのですが時価総額の最も大きいのが

【1321】日経225連動型上場投資信託(東証)です。

1口単位で売買可能なので、2014/05/09現在の株価水準であれば約14,600円で投資可能です。

日経平均株価に一番少額で投資できるETFは、

【1578】上場インデックスファンド日経225(ミニ)(東証)です。

1年間の日足チャート

こちらも1口単位で売買可能なので、約1,161円(2014/05/09現在)から投資可能です。

日経平均株価(インデックス)に投資することで、面倒な個別銘柄を選択することなく、「少ない資金で、手間無く、かつ低コストで分散投資を実現できる」ことになります。

アクティブ投資では、どの企業に投資するのかじっくり考え、日本株でも3,000以上ある銘柄の中から、銘柄を選別する必要があります。投資した後も、その企業の状況、株価推移を見守り、状況に応じて銘柄入替えを行うなど手間が非常に掛かります。

これに比べて、インデックス投資は、極端に言えば、「ほったらかしで、楽チン」に運用することが出来るのです。投資の初心者が日本株に投資する場合、まずはインデックス運用から初めて、経験を積んだらより高いパフォーマンスを求めてアクティブ投資を行うのが良さそうです。

確実に平均点

別の言い方をすれば、インデックス投資は、テストで確実に平均点が取れる手法です。他の投資家より経験があり勉強していれば、平均点以上が狙えるアクティブ投資も良いのですが、経験や知識がない方がいきなりテストを受けても平均点を取ることは難しいでしょう。だから、まずは確実に平均点が狙えるインデックス投資がオススメなのです。

買うタイミングは?

できるだけ、安いときに買いたいと思うはずですが、そう簡単ではありません。今後日経平均が上昇するのか、下落するのかを判断するのは非常に難しいからです。この場合、おススメなのは等金額投資です。毎月決まった日に同じ金額だけ買い続けるのです。

「ドル・コスト平均法」とも呼ばれ、値動きのある金融商品を「等間隔、等金額」投資(積み立て)すると、同じ口数(等量)ずつ買付けていくよりも平均取得価格が低くなるため、投資効率がよいといわれています。

NISA口座の場合、年間100万円なので、例えば月々5万円、ボーナス時(年2回)に20万円投資すれば、ちょうど100万円投資できます。ETFの場合、最低投資金額があるのでちょうどの金額を投資することはできませんが、【1578】 上場インデックスファンド日経225(ミニ)(東証)であれば、1単位が約1,161円(2014/05/09現在)なので、ほぼ等金額投資が可能です。

今回のまとめ

  • 個別銘柄を選択しないで、日本全体の株価に投資するならインデックス投資!

  • 日経平均株価に連動するETF(上場投信)がオススメ

  • 【1578】上場インデックスファンド日経225(ミニ)(東証)を毎月等金額投資しよう

次回は、NISAで「株式投資」その(5)です。

執筆者プロフィール : 藤本 誠之

SBI証券投資調査部 シニアマーケットアナリスト。日本証券アナリスト協会検定会員。自称、「相場の福の神」。関西大学工学部電子工学科卒。日興證券(現SMBC日興証券)入社、個人営業を経て、機関投資家向けのバスケットトレーディング業務に従事。1999年、日興ビーンズ証券設立時より、設立メンバーとして転籍(その後、日興ビーンズ証券はマネックス証券と合併)。2008年7月、マネックス証券から、カブドットコム証券に移籍。2010年12月、トレイダーズ証券に移籍。2011年3月、同社を退職。のちに独立、マーケットアナリストとして活躍。2012年からマネーパートナーズのスタッフとして活動。2013年7月1日より現職。著書に 『ニュースを"半歩"先読みして、儲かる株を見つける方法 』(アスペクト)、『株で儲けるニュースの読み方 相場のプロが教える「先読み&裏読み」の極意』(ソフトバンククリエイティブ)、 『儲けに直結!株価チャートドリル』(成美堂出版)がある。
※ 本コラムで紹介する意見や予測は、筆者個人のものであり、所属する証券会社の意見や予測を表わすものではありません。また、紹介する個別銘柄の売買を勧誘・推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。