前回の復習

まいど、"相場の福の神"こと藤本です。前回は、「NISAで「株式投資」その(3)」インカムゲイン(配当)とキャピタルゲイン(売却益)について解説いたしました。

そのポイントを再掲載すると以下の通りです。

ポイント

  • 株式投資の目的は「儲けること」

  • 株式投資の利益には、インカムゲイン、キャピタルゲインの2つの手法があります

  • インカムゲイン(配当金)でNISA口座で非課税にするには、配当金の受領方式で「株式数比例配分方式」を選ぶ必要があります

  • 実際のNISA口座でも、高配当利回り銘柄が人気

NISAで「株式投資」その(3)

今回は、株主優待について、ご説明いたします。

もう1つのインカムゲイン

前回は、株式投資の大きな目的である利益について、インカムゲイン(配当金)とキャピタルゲイン(売却益)について説明しました。インカムゲインには、企業の利益の株主への配分が配当金であることを説明しましたが、もう1つのインカムゲインとも言える「株主優待」について説明しましょう。

株主優待とは、企業が株主に対して、配当金のような現金以外に、自社製品や、お食事券などをプレゼントしてくれるモノです。

株主優待は元々雑所得となるため、NISA口座以外で買っても同じですが、NISA口座では中・長期の投資が多いので、株主優待というおまけがついている銘柄を選ぶのもひとつの投資手法です。

株主優待のある企業は1,100社以上

現在、現在上場企業の約3割の1,100社以上が何らかの株主優待を行っています。一般消費者向けでなく、企業向けのいわゆるBtoBビジネスを行っている企業では、QUOカードやおこめ券などの金券などの株主優待が多いようです。

株主優待は個人投資家に根強い人気があります。現在、1,100銘柄以上の銘柄が株主優待を行っており、この中から自分に最適な優待銘柄を探すのはけっこう大変です。今回は、自分に合った優待銘柄の探し方をご紹介します。

優待銘柄を探すにはネット検索が便利

優待銘柄を探すには、ネットの検索機能を使うのが簡単です。無料で誰でも使えるものとしては、Yahoo!ファイナンスの株主優待検索がオススメです。

Yahoo!ファイナンスで検索可能な項目は以下の通りです。

  1. 優待の種類(飲食料品、お買い物券・プリペイドカードなど)

  2. 権利確定月

  3. 最低投資金額

  4. 企業名

これで、たとえば「食べ物の優待品がもらえて、7月権利確定で、予算10万円未満で買える銘柄」といった条件で優待銘柄を探せます。

証券会社のサイトならより詳しい条件で検索可能

口座開設を行う必要はありますが、ネット証券の提供している株主優待検索サービスのほうが優れている面があります。SBI証券の株主優待検索を例に見てみましょう。

SBI証券では以下の条件で優待銘柄を検索することができます。

  1. 優待内容(食料・飲食券、金券、宿泊)

  2. 優待権利確定月

  3. 優待獲得に必要な金額

  4. こだわり条件 (大型優良株、自己資本比率50%以上、PBR1倍割れ、PER平均以下、東証1部銘柄、配当利回り平均以上)

  5. 優待利回り

1~3はYahoo!ファイナンスとほぼ同じです。1点違うのは、Yahoo!ファイナンスは「最低投資金額」、SBI証券は「優待獲得に必要な金額」ということです。ほとんどの銘柄は最低投資金額の株数でも株主優待の権利がありますが、まれに最低投資金額では優待の権利がもらえない銘柄もありますので、優待獲得に必要な金額で検索できるほうが便利です。

4のこだわり条件を使えば、株価指標が割安な銘柄を簡単に探すことができます。PERが何倍などと細かい数字を入れなくても、ざっくりと平均と比較できるので非常に簡単で便利です。5にあるように、株主優待でもらえるものを金額換算して、優待利回りで検索可能なのも魅力的ですね。

実際に優待銘柄を検索してみよう

では、SBI証券のサイトを使って、「優待内容が食料・飲食券で、予算10万円以下、PER平均以下、配当利回り平均以上」という条件で実際に検索してみましょう。

現在、株主優待情報が登録されているのは、1,136銘柄(2014年4月28日現在)です。そこから、上の条件を設定して銘柄を絞り込みます。

40銘柄が検索結果として出てきました。個人投資家の注目度の高い銘柄を探すには、「閲覧回数」で並び替えを行います。

条件に当てはまった、個人投資家の閲覧回数の多いTOP3は、下記になります。

正栄食品工業(8079・東証2部)

  • 事業内容:製パン・製菓用材料等の食品商社

  • 権利確定月:4月・10月

  • 優待に必要な金額:80,100円(100株)

  • 株主優待内容:自社商品

2013年10月の1,000株以上保有株主様への優待品画像

アイ・ケイ・ケイ(2198・東証2部)

  • 事業内容:地方中核都市でゲストハウス型挙式・披露宴を運営

  • 権利確定月:4月

  • 優待に必要な金額:84,300円(100株)

  • 株主優待内容:特選お菓子とレストランの食事代金優待券

特選お菓子のイメージ

くろがねや(9855・東証2部)

  • 事業内容:山梨県甲府市が地盤のホームセンター

  • 権利確定月:5月(5月15日)

  • 優待に必要な金額:39,700円(100株)

  • 株主優待内容:山梨県産ワインまたは株主優待券

くろがねやのワイン売り場のイメージ

このようにして、条件を自分で設定して、ご自身で銘柄を探して見ましょう。

ネットで優待銘柄を検索する際の注意点

株主優待検索サイトを利用する上で注意すべきなのは、株主優待のデータはリアルタイムには反映されないということです。サイトによっては月次でのデータ更新だったりするため、現時点での情報とは異なる場合があります。サイトでの検索で銘柄を選んだら、その企業のホームページで最新の株主優待内容をチェックすることが必要です。

今回のまとめ

  • 配当金のほかにもう1つのインカムゲインとして、株主優待があります

  • 株主優待のある銘柄を検索するのは、Yahoo!ファイナンスや、ネット証券の検索機能がオススメ

次回は、「NISAで「株式投資」その(4)」です。

(※株価は、2014年4月28日終値基準)

執筆者プロフィール : 藤本 誠之

SBI証券投資調査部 シニアマーケットアナリスト。日本証券アナリスト協会検定会員。自称、「相場の福の神」。関西大学工学部電子工学科卒。日興證券(現SMBC日興証券)入社、個人営業を経て、機関投資家向けのバスケットトレーディング業務に従事。1999年、日興ビーンズ証券設立時より、設立メンバーとして転籍(その後、日興ビーンズ証券はマネックス証券と合併)。2008年7月、マネックス証券から、カブドットコム証券に移籍。2010年12月、トレイダーズ証券に移籍。2011年3月、同社を退職。のちに独立、マーケットアナリストとして活躍。2012年からマネーパートナーズのスタッフとして活動。2013年7月1日より現職。著書に 『ニュースを"半歩"先読みして、儲かる株を見つける方法 』(アスペクト)、『株で儲けるニュースの読み方 相場のプロが教える「先読み&裏読み」の極意』(ソフトバンククリエイティブ)、 『儲けに直結!株価チャートドリル』(成美堂出版)がある。
※ 本コラムで紹介する意見や予測は、筆者個人のものであり、所属する証券会社の意見や予測を表わすものではありません。また、紹介する個別銘柄の売買を勧誘・推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。