私はかれこれ20年近く、家計のやりくりの取材をしてきました。そのなかには、貯蓄が1,000万円以上ある人も、少なくありませんでした。その人たちが、とりわけ収入が多いというわけではありません。年収300万円台(手取り)というケースもたくさんありました。

また、お金を使わないケチケチ生活をして、ギスギス暮らしているわけでもありません。要するに、お金のやりくりが上手なのです。ということは、そのやりくりの仕方をまねすれば、誰でも1,000万円貯めることが可能というわけです。是非今日からまねしてみてください。

"早起きは三文の徳"は本当だった!?

「これさえやれば誰でも達成できる! 目指せ、1000万円貯蓄!!」の連載も、第90回を迎えました。そして、実は、今回が最終回になります。

最終回のテーマとして選んだのは、「お金が貯まる朝の習慣」です。「朝活」という言葉をよく耳にするのではないでしょうか?「朝活」とは、朝の時間を有効に活用するという意味ですが、貯め上手さんも朝活をしている人が少なくありません。

ギリギリまで寝ている"お寝坊さん"では朝活はできません。貯めている人に朝活派が多いということは、「貯め上手さんは早起き」だということ。

"時は金なり"で、貯め上手さんは時間管理が上手ですが、特に朝の時間を有効活用します。"早起きは三文の徳"というのは、本当のことなのです。

では、貯め上手さんは早起きをして、何をしているのでしょうか? お金を貯めるために、さぞかし特別なことをしているのかと思いきや……。実はフツーのこと、誰でも真似できることを習慣にしているのです。

貯め上手さんが朝活でやっていることの中でも、明日の朝から真似できそうなことをご紹介します。

お金が貯まる朝の習慣1:朝イチでメールをチェックする

貯め上手さんは早起きなので、その分、夜も早く寝ます。夜遅くまでスマホをいじっているということがないのも、貯まる人の特徴のひとつです。

起床後に、昨夜、届いたメールをチェックして、返信を急ぐものは朝イチで返信します。ムダにメールやLINEのやりとりはしませんが、必要な要件についてはレスが早いです。

お金が貯まる朝の習慣2:財布の中を整える

毎朝、財布の中を整えます。夜、家計簿をつける人もいますが、朝つける"朝型"の人も多くいます。

財布から昨日の買い物のレシートを出し、ついでに家計簿に金額を記入。財布の中の残金を確認することも忘れません。貯まる人は食費や日用品費は週予算を立て、その金額内でやりくりしているので、今週あといくら使えるお金があるかをチェック。予算オーバーを防止します。

お金が貯まる朝の習慣3:朝ごはんを食べる

朝は余裕をもって起きるので、朝ごはんを作ってしっかりと食べます。そんな大袈裟なものではなく、ご飯とみそ汁、パンとコーヒー程度のものですが、健康のことを考えてヨーグルトやフルーツを摂るようにしている人が多いようです。

貯まらない人のなかには、家で朝食をとらず、コンビニでおにぎりを買ったり、カフェでテイクアウトしたりする人もいますが、1回分の出費は数百円でも、それが習慣になってしまうと1カ月で1万円以上の出費になることも。

お金が貯まる朝の習慣4:米を研ぐ

退社後の予定が特にない場合は、自宅で夕飯を食べるのが、貯まる人の習慣です。「家に帰ってから作るのが面倒」とならないためには、朝、お米を研いでおくこと。「ご飯がすぐに炊ける」と思うと、外食したい誘惑に勝てることを、貯まる人は知っているというわけです。

おかずを手作りしたり、常備菜を保存してあったりするのが理想的ですが、貯蓄初心者さんは、スーパーのお惣菜を買ってもOK。それでも、外食するよりは安くあがります。

研いだお米は内釜ごと冷蔵庫に入れておくのがオススメです。

お金が貯まる朝の習慣5:冷蔵庫の中の写メを撮る

お金が貯まる人は大半が"おうちごはん派"。帰宅途中で買い物をする日は、朝、冷蔵室・野菜室・冷凍室の写真をそれぞれパチリ。買い物メモを作るよりも簡単に、冷蔵庫の在庫を記録することができます。時間が限られている朝でも、数秒で済みます。

スーパーで写真を見ながら買い物をすれば、買い忘れもダブリ買いも防ぐことができ、在庫と組み合わせておかずを作るには何を買い足したらいいのかも、わかりやすくて便利です。

お金が貯まる朝の習慣6:天気予報をチェックする

出勤前に必ず天気予報をチェックして、雨の予報の場合は折り畳み傘を持参。急に雨に降られてビニール傘を買うことはありません。ちょっとしたムダな出費をしないことも貯まる人の特徴です。

「お金が貯まる朝の習慣」、いかがでしたでしょうか? さまざまな習慣をご紹介しましたが、自分が無理なくできそうなものや、向いていそうなことから、ぜひトライしてみてください。

さて、90回の連載で1000万円貯蓄への「近道」となる方法を紹介してきました。お金が貯まる人の共通点としては、今回の「朝の習慣」と同じように、特に難しいことをせずに、自分が「続けられるシンプルなこと」を継続していることにあります。

「1000万円は1日にして成らず」なので、とにかく貯まる生活を続けることが大事。難しいことやムリなことは続きません。

また、貯める時は貯める、ここぞというときには使うといったメリハリのあるお金の使い方も大事です。

冒頭でも書きましたように、「これさえやれば誰でも達成できる! 目指せ、1000万円貯蓄!!」は、今回をもって終了させていただきます。

また、違うテーマでお金を貯めるための工夫をご提案できたらと思っております。長い間、お読みいただきまして、本当にありがとうございました

村越克子

村越克子

フリーランスライター。学習院大学文学部心理学科卒業。編集会社を経て、フリーに。主婦を読者対象とした生活情報誌を中心に執筆。家計のやりくりに奮闘する全国の主婦を取材し、節約に関する記事を数多く手がける。執筆協力に『綱渡り生活から抜けられない人のための絶対! 貯める方法』永岡書店など。