連載コラム『年収350万円で200万円貯めた! 元会社員の節約術』は、若くしてお金を貯めるにはどうすればよいかについて、執筆者の美月小夜(みづきさよ)氏が自身の実体験に基づき、"究極の節約術"を伝授します。


住宅ローンの完済を誓った私ですが、その大きな理由が「子ども」です。住宅ローンの名義は、結婚前に購入したため当然私名義。しかし、妊娠・出産で働けなくなった場合に夫にその返済で迷惑をかけてしまうのではないかと不安に感じたからです。

そもそも家事をほとんどやらない夫のことなので、育児の協力はハナから期待してはいけないと考えていました。夫婦それぞれ事情があり一概には言い切れませんが、妊娠・出産・育児は女性の方が男性に比べてより多くの時間、関わることになります。そして育児休業、休暇といった制度も無く、休業中の所得保障もない個人事業主として働く身分の私にとって、この妊娠・出産・育児がプラスされると、当然ですがしばらく仕事をセーブせざるを得ない状況になります。

確かに気楽にも見える個人事業主ですが、急な仕事でも融通が利くのが強みだったのにそれも難しくなるのなら、仕事が減るのは目に見えています。そうなると、もともと心配性でマイナス思考をする傾向がある私は「不安」でいっぱいとなりました。しかし、「不安」の大部分を占める住宅ローンを払拭するために、完済という目標を掲げることにしたのです。

住宅ローンには完済だけではなく、繰上返済という方法もあり、「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2通りあります。「期間短縮型」はまとまったお金を返済して、借入期間を短くする方法。「返済額軽減型」は、返済期間はそのままですが、毎月の返済額を減額する方法です。

どちらにもメリットデメリットがありますが、一般的に繰上返済と言われているのが「期間短縮型」で、利息の軽減効果が高い返済方法と言われています。そして、住宅ローンを借り入れてから早く返済すればするほど利息分が浮きます。その理由として、一般的な住宅ローンの組み方は「元利均等返済」で、これは毎月の返済額が均等になるように、元金と利息を組み合わせています。そのため、返済開始時は返済額のほとんどが利息ですが、返済していく年数が長くなると徐々に利息が減り、元金部分が多くなるという関係が成り立ちます。

住宅ローンの借入をすると、しばらく経つと借入をした金融機関から償還表が届きます。これは、返済開始から終わりまでの毎月の返済額と、返済額に占める元金と利息がひたすら書いてあるものです。これを実際に見てみると、金利自体はフリーローンと比べて格段に低いにもかかわらず、返済額に対する利息の割合が高いと感じるでしょう。

日々の節約も大切ですが、実は住宅ローンを繰上返済や早期完済することで、節約以上の効果を発揮します。節約をして貯めたお金を投資運用にまわすのも良いですが、確実に儲かるという保証はどこにもありませんから、確実にメリットを得たいのであれば、まずは住宅ローンを繰上返済するのが効率的だと思ったのです。

これを知ったからにはやらなければ損! と思った私はついに行動に出ました。