「人生100年時代」と言われる現代。20代でも早いうちから資産形成を進めることが求められています。一方で、どのように投資・資産運用の目利き力を磨いていけばいいのか、悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
この連載では、20代の頃から仮想通貨や海外不動産などに投資をし、現在はインドネシアのバリ島でデベロッパー事業を、日本では経営戦略・戦術に関するアドバイザーも行っている中島宏明氏が、投資・資産運用にまつわる知識や実体験、ノウハウ、業界で面白い取り組みをしている人をご紹介します。
今回のテーマは、「Web3(暗号資産、NFT、ブロックチェーン技術、メタバース)の基礎知識と投資意義」。連載内シリーズとして、何度かに分けてご紹介します。
ビットコインの価格は青天井
数ある暗号資産の中でも、特に「ビットコインやイーサリアムは、今後どこまで価格が上昇するのか」という疑問は、ビットコインの半減期とともに訪れるブームムードでは常に話題となっています。あくまでも個人的な予測ですが、ビットコインは、1BTC=100万ドル以上。イーサリアムは、1ETH=1万ドル以上になるのではないでしょうか。これは、暗号資産の普及とともに需要が増し、その価値が上がるというシナリオに基づいています。もちろん、いつそのような価格に到達するかは予測が難しく、未来はだれにもわかりません。だれかの価格予想に一喜一憂せず、自分の投資姿勢を貫く方がいいでしょう。
仮にビットコインが1BTC=100万ドルに達した場合、通貨単位は「BTC」ではなく、「MBTC(マイクロビットコイン、あるいはマイクロビーティ―シー)」に変更される可能性も考えられます。これは、1BTC=100万ドルに対して1MBTC=1ドルとなり、取引の便宜を図るためです。
ただし、数十年以上の長期でみれば、ビットコインなどの暗号資産のユースケースが増え、世界中(メタバースを含めて)で普及が進む限り、ビットコインやイーサリアムなどの価格は青天井であると考えることもできます。つまり、価格予測にあまり意味はありません。
これから始めるなら資産の何%を暗号資産にするのがいいのか
暗号資産への投資は、個々人のリスク許容度や資産状況によって異なります。「全資産の10%を暗号資産に投資する」とマイルールを決めてもいいですし、「毎月3万円を暗号資産に投資する」と決めてもいいでしょう。ただし、暗号資産は株や不動産などの他のアセットに比べると値動きの激しい投資先です。リスクの高い投資であるため、「なくなってもしょうがない」と思える余剰資金で行うことが大前提です。
将来的には、株を担保にして融資を受ける「株担(かぶたん)」のように、暗号資産(クリプト)を担保にして融資を受ける「クリ担(クリプト担保)」が普及する可能性もあります。この場合、融資される通貨が暗号資産であるか、法定通貨であるかは状況によって異なるでしょう。クリ担ローンが普及するとともに、暗号資産が一般的な投資ポートフォリオに組み込まれることも増えてくるかもしれません。
まだビットコインなどの暗号資産を持っていないのなら、ドルコスト平均法で定期的にビットコインやイーサリアムなどのメジャーコインを積み立てていく投資方法も有効です。例えば、毎月1回積み立てるのではなく、ひと月の投資金額を4で割って毎週、または30で割って毎日購入する分散方法もあります。「市場が暴落した場合は、2回分買う」など、いつもより多めに投資することも一つの戦略です。
流動性の高いものしか投資するに値しない
投資対象として重要なポイントの一つは流動性です。流動性が高い資産は、すぐに現金化できるため、投資リスクが低減されます。ビットコインの時価総額は、2024年5月21日の時点で約1兆4071億7265万220ドル。世界中で日々売買されています。これにより、ビットコインは非常に流動性の高い資産であると言えます。「投資をやめようと思ったらすぐにやめられる(=現金化できる)」というのは、実はかなり重要なことです。いくら含み益が増えても、現金化したいときにできなかったら意味がないのです。
「ビットコインはときどき話題になるけど、やっぱり怖い」という人は、ビットコイン投資の入口として、ポイント投資を活用する方法もあります。例えば、楽天の「ポイントビットコイン」は、楽天ポイントで疑似運用することが可能です。ポイントで投資することで、心理的なリスクを軽減しながら暗号資産の運用を試すことができるため、初心者にとっては良い方法と言えるでしょう。