「東京は物価が高いので、生活費が高い」または、「地方は物価が安いので、生活費が東京に比べてあまりかからない」と世間でよく言われていることは、本当なのでしょうか。
連載コラム「地方の生活コストは本当に安いのか?」では、ファイナンシャル・プランナーの高鷲佐織が、実際に東京と地方、両方の生活を経験して感じたことを交えながらお伝えいたします。
保健所に行ったことはありますか?
数カ月前、新型コロナウイルス感染症のニュースには、「保健所」の存在が大きく取り上げられました。このようなニュースで初めてその存在を知った方もいらっしゃるのではないでしょうか? そこで今回は「保健所」について紹介していきます。
そもそも「保健所」とはなにか
保健所とは、地域住民の健康を支える中核となる施設のことです。疾病の予防、衛生の向上など、地域住民の健康の保持増進に関する業務を行っています。内容によっては心身の問題について電話で相談に乗ってくれるため、体調不良時に手助けしてくれる場合もあるはずです。
「保健所」は、新型コロナウイルス感染症に係る相談窓口としてだけでなく、下記のような業務が行われています。
・食品衛生関係:飲食店等の営業の許可や監視、指導等・調理師や製菓衛生師等の免許交付手続き等
・生活衛生関係:クリーニング店、美容院、理容室、公衆浴場等の営業許可や監視、指導等
・医療監視等関係:病院、診察所、医療法人等への立ち入り検査等
他にも、地域住民が健康に暮らすためにさまざまな業務を行っています。では、地域ごとに、保健所について見てみましょう。
設置主体別保健所数(2020年4月1日現在)
まずは、「都道府県」に設置されている保健所を見てみましょう。最も多いのは26カ所(本所)と14カ所(支所)設置されている北海道です。なお、人口が最も多い東京都は、特別区として23区それぞれに設置されています(表3を参照)。
次に「市」ごとに設置されている保健所を見てみましょう。指定都市では、本所のみを見ると福岡市が7カ所あり最多となります。しかし横浜市、名古屋市、京都市には支所が2ケタあるので、本所の設置数と支所の設置数の増加は比例しているわけではないようです。また、中核市とその他政令市には支所がありません。
特別区も、指定都市・中核市・その他政令市と同じく、本所のみとなります。
1994年には847カ所あった保健所は、統合や再編等を行い2020年には469カ所(本所)に減少しました。
終わりに
私は数年前に保健所を利用したことがあります。そのときは、月に数回保健所で開催される「健康相談」のようなものでした。保健所に電話して事前予約すると、医師に無料で相談できるものでした。病気であったわけではありませんが、体調のことなどを相談し、医師と保健師2人が優しく対応してくださいました。
この数カ月で生活リズムが崩れて「体調が優れないが、それだけで医療機関を受診するのは気が引ける」と思い我慢している方々が多いのではないでしょうか。心や体に不調がある場合、保健所に相談することができます。
お住まいの地域の保健所には、どのようなサービスがあるか調べてみてはいかがでしょうか。