20代の過ごし方で30代・40代に大きく差がつく------だからこそ「20代のうちに知っておきたい、やっておきたい」コツを、5回にわたってお届けする当連載。

今回は「転職」編です。

リモートワークで職場の人間関係が思うようにならない、会社のコロナ対応に思うところがある、先行きが心配だ…。平時以上に悶々としがちないま、転職で環境を変えたい、改善したいと思う人も増えていますね。

でも、一方では、こんな時期に転職で職場を変えて大丈夫だろうか。リスクじゃないかとも。さて、どうしましょうか?

  • 転職のタイミングはどう見極める?

実は転職をする理由はないかもしれない?

「うちの部長や課長、このコロナの中で、何の対策も打たないんです。やってられないです。これ以上、このような会社にい続ける気になれません」

こんな相談を、転職相談に駆け込んだ人材エージェントにしている人がいます。事業について対策を何もしない。この状況なのにオフィス出勤命令が出る。不満の中身はさまざまです。

非常時には誰しも不安な気持ちになるもの。会社の考え、上司やトップの考えが見えなかったり、自分の期待値と異なるものであったりすると、それは大きな不満とストレスになります。

しかし、「なぜ、上司や会社はあえて事業の動きを変えないのか?」「どういう意図でオフィス出勤をマストにしているのか」。

これはコロナ以前から本当によくあるケースなのですが、実は「対話してみたら誤解だった」「しっかり向き合って話したら、意見が聞き入れられた」ということが往々にしてあるのです。要は、会話していないということです。

私はこうした状態で転職の相談を持ち込んできた人には、「どうせ辞めようと思っているのですから、怖いものはないですよね。ストレートに上司にお話ししてみたらどうですか」とよく言っています。

実際に行動する人は残念ながら全員とはいきませんが、後日、「上司と話してみたら、誤解が解けました。引き続き、今の会社で頑張ります!」と報告をもらえるケースも少なくありません。

「くそっ、転職だ!」の前に、あなたが直言すれば、会社の動きを変え、良い方向に持っていくことができる可能性だってあるのです。今の勤め先で救世主になれるかもしれませんよ。

いまの仕事の「ゲームステージをクリア」しているか?

今の職場に留まるにしても、新しい勤め先へ移るにしても、30代・40代で活躍する人材になる20代は、任された仕事をしっかりやり切っていく人です。

いまの仕事を自分として納得するだけ取り組めた。いまの会社には、ここから先にはこれ以上のチャレンジがない。自分の持てる力をもっと発揮できる場を求めたい。

このような「やり切った感」を十分に持てているならば、「ここではないどこか」でのさらなる大きな職務を求めることには大きな意味があります。

転職活動でも応募先に訴えかけるものやあなたの情熱がびんびん伝わるはずです。

しかし、もしもそこまでではない「どっちつかず」の転職活動なら、もう少し現職で踏ん張ってみたほうがよいでしょう。

仕事やキャリアとは面白いもので、「ゲームのステージクリア」をして次に進まない限り、また同じ局面がやってきます。

職場の人間関係が問題で、解決せずに逃げ、次の会社に行けば、その会社で必ずまた同じ人間関係の問題が起きる。

任された役割に対して結果を出すところまで踏ん張れず、その結果、会社からの評価が悪い。そこから逃げて次の会社に行けば、また同じような評価を得ざるを得ない状況に陥りがちです。

今回の転職活動が「敵前逃亡型転職」になってはいないでしょうか。理想の転職とは、現在の役割・ミッションを満了したうえで、よりチャレンジングな役割・ミッションを自ら求めるという「社外異動型転職」です。

「今後、このような道を進む」というものを心底持てているなら、ウィズコロナなど恐れることありません、ぜひ新たな場への一歩を踏み出してください。必ず新たな良い場と出会えるでしょう。

しかし、もしないならば、それがわき上がるまで、まずは目の前の業務に集中するほうが得策です。


繰り返しとなりますが、「仕事人生というゲーム」のステージクリアをして、次のステージへと進まない限り、転職先で必ずまた同じ問題が起こります。

堂々巡りをするような転職は、逆にあなたの未来を望ましくない方向へと押し流します。そのようなことにならないよう、しっかり今を決着させて、次に進みましょう。