いまだ衰えることのないサバ缶ブーム。いろんな料理に使えて便利ですが、缶からサバを取り出すときに身が崩れてしまうのがちょっとモヤモヤ。見た目が残念なことになってしまいます。

そんなネガティブ意見を缶詰博士に伝えると「あえて缶切りで開けて取り出すといいですよ。中でもトッパー式という缶切りが最高です!」とマニアックなお答えが返ってきました。ということで今回は缶切りのお話です。

  • 様々な缶切り。それぞれ特徴がある(写真:マイナビニュース)

    様々な缶切り。それぞれ特徴がある

青銀の魅力

青背の魚は皮が美しい。サバ缶もイワシ缶もサンマ缶も、あの青銀に輝く皮があったればこそ、ぐっと食欲をそそるんであります。

しかし現代の缶詰はプルタブで開けるイージーオープン式で、フタをはずしたあとにフチが残る。それゆえ、魚を取り出すときに身がフチに引っかかり、皮がずるずるとはがれてしまう。そうなったら魅力半減である。

僕はこれまで数十種類の缶切りで実験し、最終的に「トッパー式缶切り」にたどり着いた。本当は秘密なのだが、今回は特別にご披露したい(大げさ)。

  • 博士の愛用品「フェリオ」

    博士の愛用品「フェリオ」

意外とメジャーです

これはドイツのトッパー式缶切りで「フェリオ」という。このほかにもトッパー式はいろいろあって、国内外の複数のメーカーから販売されている。デザインも様々だ。

東急ハンズのようなお店に並ぶこともあるし、大手ネットショップでも購入可能。「トッパー 缶切り」というキーワードで検索すると出てきますぞ。

  • フチにあてがう

    フチにあてがう

一見すると回転式

さあ、実際に使ってみましょう。こうして缶のフチにあてがい、ハンドルをくるくる回すと切れていく。こうして上面を切っていく回転式缶切りは珍しくないが、このトッパー式はちょいと違う。何と、横から切ってるんであります!

  • 缶のフチ拡大図

    缶のフチ拡大図

外側一枚だけ切る

これが缶のフチの拡大図。トッパー式が切っているのは黒い矢印で示した部分だ。缶詰はフタの端と缶胴の端を合わせて、二重にくるりと折り曲げて密封している。で、その一番外側の金属だけを切るのがトッパー式の特徴なのだ。

切り終わったらどうなるかというと……。

  • フチが残らない

    フチが残らない

まるでフタ全体が取れるようにはずせる。切り口も鋭くなくて、こうしてぎゅっとつかんでも平気だ。

さあて、みなさんご想像ください。こうして開けたサバ缶に深皿をかぶせて、さっとひっくり返します。そこで缶詰をつかんで、そっと引き上げたら、サバはどうなるか……。

  • まさに缶璧

    まさに缶璧

かくのごとし。青銀の皮がはがれることなく出てくるんであります! 何てビューテホーな佇まいでありましょうか!

SNSなどに"映える"サバ缶画像を上げたいときも、皮をきれいに見せるのが一番のポイント。美意識にこだわりたい人にはトッパー式缶切りがオススメですぞ!

黒川勇人/缶詰博士

昭和41年福島県生まれ。公益社団法人・日本缶詰協会認定の「缶詰博士」。世界50カ国以上・数千缶を食している世界一の缶詰通。ひとりでも多くの人に缶詰の魅力を伝えたいと精力的に取材・執筆を行っている。テレビやラジオなどメディア出演多数。著書に「旬缶クッキング」(ビーナイス/春風亭昇太氏共著)、「缶詰博士が選ぶ!『レジェンド缶詰』究極の逸品36」(講談社+α新書)、「安い!早い!だけどとてつもなく旨い!缶たん料理100」(講談社)など多数。
公式ブログ「缶詰blog」Facebookファンページも公開中。