パスタの魔力にはいつだってあらがえません。あつあつ出来たての姿が頭に浮かんだら最後、疲れていてもキッチンに向かってしまいます。
そんなときのために我が家はレトルトソースを常備していますが、ちゃんとした具入りパスタを食べたいときには物足りない。
そこで缶詰博士に「パスタに合う缶詰を教えて!」と相談すると、待ってましたとばかりのドヤ顔です。「もうこれ、パスタ用に開発されたようなもんです」。そういって取り出したのは、とてもおしゃれなグルメ缶詰でした。
あえてひと手間という新発想
春は新商品の季節。いろんなメーカーの発表会に出掛けては試食しまくっているワタクシですが、明治屋「おいしい缶詰」の新商品には驚いた。そのまま食べるだけでなく、あえてひと手間を加えて楽しむシリーズが登場したのだ。その名も「おいしい缶詰 バルシリーズ」。
今回はその中の「ムール貝の白ワイン蒸し」を取り上げたい。パスタと和えるだけで、バルで出てくるような本格パスタになっちゃうんであります。
基本をはずしてみる
缶詰といえば、基本はそのまま食べてもおいしいように造られている。でも温めたり、炙ったり、野菜と合わせたりするアレンジ料理も魅力のひとつ。この「ムール貝の白ワイン蒸し」は、主にパスタに合わせることを想定している。
あえてソースといいたい激ウマ缶汁
さあ本日もご唱和ください。開缶! ぷっくりしたムール貝がたっぷり入っていて、全体からオニオン&ガーリックのたまらん匂い。うーん、この匂いは明らかに料理店レベルであります。
ムール貝を頬張ってみると、予想以上にしっかりした味。そこで缶汁をひと舐めしてみると、思わず「うほっ」とゴリラ的な声が出た。この缶汁、いやあえてソースと言い直しますが、すっげえおいしいです。
このうまみはムール貝だけでなく、玉ねぎとにんにくによるもの。しかも玉ねぎは生を細かくみじん切りにして使っているから、うまみがしっかり出ているわけだ。
パスタと一緒に常備
かくのごとし。茹であげたスパゲッティと缶詰の中身、オリーブオイルを混ぜただけ。見栄えを気にしてグリーンを散らしておりますが、時間のないときはもちろん省略であります。
スパゲッティは乾麺80グラムを茹でてちょうどよかった。ポイントは、茹でるときの湯にちゃんと塩を入れること。パスタに下味が付くだけでなく、ソースが絡みやすくなりますぞ。
この缶詰があれば、突然パスタが食べたくなったときにかなり便利。考えてみれば、パスタも缶詰も常温保存ができる乾物のようなものであります。同じ棚に常備しておこうっと。
缶詰情報
明治屋/おいしい缶詰 ムール貝の白ワイン蒸し
希望小売価格 400円(税別)
明治屋ストアーのほかスーパー、ネット通販などで購入可
黒川勇人/缶詰博士
昭和41年福島県生まれ。公益社団法人・日本缶詰協会認定の「缶詰博士」。世界50カ国以上・数千缶を食している世界一の缶詰通。ひとりでも多くの人に缶詰の魅力を伝えたいと精力的に取材・執筆を行っている。テレビやラジオなどメディア出演多数。著書に「旬缶クッキング」(ビーナイス/春風亭昇太氏共著)、「缶詰博士が選ぶ!『レジェンド缶詰』究極の逸品36」(講談社+α新書)、「安い!早い!だけどとてつもなく旨い!缶たん料理100」(講談社)など多数。
公式ブログ「缶詰blog」とFacebookファンページも公開中。