「おいしい食材は缶詰から学ぶ!」というのが缶詰博士・黒川氏の口癖です。
最近の缶詰はブランド食材や名産品が使われることが多く、それらを食べることで自然と食材の知識も頭に入ってくるんだとか。
今回も未体験の豚肉缶詰を食べて興奮しているようですよ。
缶詰になっても変わらないウマさ
豚肉のウマさの8割は脂にある。温かいときはもちろん、冷たいときでもねっとりしっとりしていて、それなりにおいしい(冷めたチャーシューも好き)。
とくにエサや飼育環境にこだわり、愛情を込めて育てられた豚さまの場合、その脂はうっとりと甘い。それは加圧加熱されたあと、つまり缶詰に加工されたあとでも変わらない。
今回取り上げる国分東北「K&K缶つまJAPAN 山形県産 金華豚角煮」の金華豚(きんかとん)も、そんなたまらん豚肉であります。
温めたほうが絶対においしい
さて、いただく前にまず、注目して欲しい部分がある。それはパッケージ正面に書かれた「湯煎(ゆせん)専用」の文言だ。
この缶詰は「熱湯で温めて食べるべし!」と断言しているわけだが、これが博士的にはすごく嬉しい。
なぜって、肉や魚の缶詰のほとんどは温めて食べたほうが絶対おいしいからだ。肉や魚に含まれる脂分が熱で溶けてしっとりするし、調味料も本来の風味に戻る。いわばその料理の、できたての味に戻るわけであります。
缶詰の湯せん方法
で、パッケージの指示通りに湯せんして温めたあげくがこの有様。このテリよ! もし湯せんしていなかったら、冬の気温(この日は10℃)で脂が白く固まっていたはずである。
ちなみに、僕の湯せん方法は以下の通りだ。
1.開缶前の缶詰を小さい鍋に入れ、缶詰がかぶるくらいの水を入れる
2.鍋を強火に掛けて沸騰させる。沸騰したらすぐ火を止める←ここ大事!
3.トングでつかんで引き上げる(ヤケド防止のため)
湯せんで温めた缶詰は、開けたあとも冷めにくいのが特徴であります。
世界三大ハムの原料
かくのごとし。はんぺんに切り目を入れて金華豚角煮と高菜漬けを詰め込み、ゴマ油をひいたフライパンで焼いてボリューミーなおつまみにした。
まずは金華豚の部分をひと口……。むっ、やはり脂がウマい。舌の上でとろっと溶けて、なんの抵抗もなく喉へ消えていく。
脂身の塊でさえクドくないのだ。一方、赤身にはかみ応えがあり、脂には含まれていないうまみが出てくる。ゆえに脂と赤身の両方を食べると、それはそれは絶佳であります。
ちなみにこの金華豚は、食通のあいだで人気の高い「平田牧場」で育てられた豚さまである。金華豚は“幻の豚”と呼ばれる希少種で、あの世界三大ハム「金華ハム」の原料にもなっている。
国内では平田牧場を含め、2ケ所でしか飼育されていない希少種だそうだ。
缶詰情報
国分東北/K&K缶つまJAPAN 山形県産 金華豚角煮 150g 972円
平田牧場の直販サイトほか、ショッピングサイトや一部のスーパーなどで入手可