「出ました出ました! また珍缶が出ましたぞー」と、雄叫びを上げながらやって来たのは缶詰博士の黒川勇人氏。あれ何だろう、この展開は先週もあったような気がしますが。

「デジャブじゃありません、また珍缶が出たんです。何と梅干しの缶詰」

それは確かに珍缶かも! 前回の富士宮やきそば缶といい、今年は珍しい缶詰が続々と登場していますね。

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  • こまち食品工業/梅干缶 約80g(6~7粒入り) 734円

    こまち食品工業/梅干缶 約80g(6~7粒入り) 734円

そのまんま入ってます

思わず2度見してしまった、この缶詰。こまち食品工業が8月1日に発売した「梅干缶」であります。

これまでも梅干しが入った缶詰は発売されていた。しかし梅干しはビニール(プラスチック)袋に入った状態で缶に収まっていたのだ。つまり缶詰ではなく"缶入り"食品だったわけ。

だが、この梅干缶は違う。梅干しがそのままのお姿で入り、加熱殺菌されているという。

  • 梅干缶の内観

    梅干缶の内観

常識をブレイクスルー

(塩分の多い梅干しは金属製の缶と相性が悪い。だからそのまま入れるなんてムリな話なんだよ)

と、1人で呟きながらフタを開けると……なんということだ。本当にそのまま入ってるじゃないか。大丈夫か、これ。缶の内面がさびたりしないのか?

こまち食品工業に訊いてみると、過去に市販の梅干しを缶に入れて密封・保管し、3年半経っても梅干し・缶の両方に問題がなかったことを実証したという。

ちなみに、この梅干しは塩分が6%ある。これまでの缶界の常識では、中の食品が塩分4%を超えたら缶内面がさびると言われていたのだ。

それをブレイクスルーしてしまったわけだ。すげえなこまちさん。

  • 梅干しの箸上げ

    梅干しの箸上げ

A級Lサイズを使用

ひと粒を持ち上げると、この通り。加熱殺菌されているはずなのに、色はくすんでおらず、形もきれい。

箸で持ち上げるときは、繊細な皮を破りそうだった。それもそのはず、この梅干しは紀州南高梅のA級グレードを使っているのだ。皮が薄くて果肉が柔らかいのはその証しであります。サイズはLだそうだ。

  • 日の丸弁当にしてみた

    日の丸弁当にしてみた

あとは漬け物だけでコト足りる

かくのごとし。懐かしの日の丸弁当を作ってみた。さすがLサイズの梅干し、半合のごはんに対しても余裕のサイズ感である。あとはきゅうりとなすのヌカ漬けさえあれば、おかずはコト足りるでありましょう。

缶心(肝心)の梅干しのお味は、当世風のちょい甘め。予想通り皮が柔らかく破れ、中からジューシーな果肉が漏れ出てくる。ほんのり甘くて、酸っぱくて、食べやすい味だ。

  • 6粒残った梅干

    6粒残った梅干

軽くパニックに襲われる

白ごはんをかっこむ直前で、ハタと気がついた。この梅干缶は梅干しが7粒入っていたので、6粒残ることになる。この6粒をどーすればいいのだ?

フタを開けてしまったのだから、早めに消費しないといけないだろう。でも梅干しばかりむしゃむしゃ食べるわけにはいかぬ。

(日の丸弁当をあと6つ作ればいいのか? そうなのか?)
(でもそれ、誰が食べるんだよ?)

軽くパニックに襲われる。

  • タッパーに移す

    タッパーに移す

いや、落ち着け俺。まだ慌てる時間じゃないはずだ。清潔な容器に移し替えて、冷蔵庫で保管すればいいのだ。そうだそうだ、梅干しだからといって特別扱いすることはない。他の缶詰を開けた時と同じでいいのだ。

ということで、雑菌が付かないように注意しつつタッパーに移して、冷蔵庫に入れたのだった。

缶詰情報

こまち食品工業/梅干缶 約80g(6~7粒入り) 734円
同社オンラインショップなどで入手可