空腹で目が回りそうだけど、料理をする時間がない。そんな時に頼りになるのがレトルトカレーです。具が足りない時には缶詰をミックスしたりしますが、「それもアリです!」と肯定するのは缶詰博士。もっともこの人、缶詰愛が強すぎるので、缶詰を使う料理ならすべて「アリ」と言うでしょう。

「レトルトカレーで画期的な商品が出たんです。さっそく食べてみましょ!」と張り切っていますが、おや? 缶詰博士なのにレトルトを紹介していいんですか?

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  • 右)マルハニチロ/さば缶とたべるトマトスパイスカレーの素 105g 173円、(左)マルハニチロ/さば水煮 190g 260円

    (右)マルハニチロ/さば缶とたべるトマトスパイスカレーの素 105g 173円、(左)マルハニチロ/さば水煮 190g 260円

さば缶を使うのが前提

押しも押されもしない水産会社、マルハニチロ。缶詰の知名度でも日本トップクラスで、全国のスーパー、コンビニに同社製缶詰が並んでおります。

紛うことなき大企業なんだけど、売り出す商品はユニークなものが多くて見逃せない。今日紹介する「さば缶とたべるトマトスパイスカレーの素」も、驚くような発想で作られている。

それは何と、さば水煮缶を使って調理するのが前提の、言わば"さば缶専用"レトルトカレーなのであります。だからこの連載で取り上げても問題ないのであります。

  • 開封時の様子(レトルトの画像はこの連載初)

    開封時の様子(レトルトの画像はこの連載初)

スパイスの香り豊か

さっそく開けてみましょう。って言っても、この連載でレトルトパウチを開けるのは初めてのことであります。新鮮な気持ちで開封!

うん、よく見るレトルトカレーと同じ眺めだ。でも、香りが予想以上にスパイシー。とくにクミンとカルダモン(多分)の芳香が素晴らしいです。

  • さばにカレーをOn

    さばにカレーをOn

スープカレーっぽい

耐熱の深皿にさば水煮缶を汁ごとあけ、上からレトルトの中身を掛ける。どんなカレーになるのか想像がつかないので、取りあえずアレンジはせず、説明書き通りに作ってみるのだ。あとはラップをして電子レンジで加熱すればよし。500wで約2分、600wで約1分40秒であります。

カレーは粘度が薄く、まるでスープのよう。あらためてパッケージを眺めてみたら、ちゃんと「スープスタイルカレー」と書いてあった。

  • レンチン後の様子

    レンチン後の様子

さばの脂がミルキー

かくのごとし。レンチン前の画像と変わっていないように思えるが、よく見るとスープの量が増えている。加熱でさばから水分が出たのだ。

カレーのスパイシーな匂いと、さば特有の青っぽい匂い。両者が溶けあうわけではなく、それぞれに匂いを主張している。

(大丈夫か、これ?)

スプーンでさばとスープをすくって、ひと口……。

やだこれ、おいしいじゃないの!

特に、さばの腹身とスープの組み合わせが抜群にウマい。さばの脂がミルキーに感じられるのであります。

やだこれ、すっごいおいしいじゃないの!

  • 白ごはんと一緒に

    白ごはんと一緒に

試す価値アリ

塩気がしっかり利いているので、間違いなく白ごはんの出番だ。皿に盛ったごはんにカレーをしゃばしゃばと掛け、さばの身を乗せて、いただきます。

辛さはかなり控えめだ。でもスパイスの香りは豊かで、トマトと玉ねぎの澄んだうま味がある。ゆえにコクのあるカレーではなく、対極のすっきり爽やかカレーであります。

このさば缶専用シリーズは他にもあって、「さば缶とたべるスンドゥブの素」、「さば水煮缶まるごと使うアクアパッツァ風スープ」、「さば水煮缶まるごと使うミネストローネ」の計4種類が出ている。ぜんぶ試す価値アリですぞ!

缶詰情報
木の屋石巻水産/牡蠣の水煮(内容総量125グラム)
参考価格/560円(税込)