ご当地缶詰をご存じですか? 郷土料理や土地の産品が詰まっているから、自宅にいながら旅行気分が味わえるんです。
「日本にもまだまだ知らない料理、産品がたくさんあります。それを缶詰でお勉強しましょう!」と鼻息も荒く語るのは缶詰博士。まあお勉強は博士に任せておいて、食べるほうはお付き合いいたします!
旅情のある缶詰
忙しない日々を過ごしていると、ふと「旅にでも出てみるか」という気になる。
しかし実際はそんな時間が取れないし、そもそもコロナ禍で外出すらはばかられる状態。となれば、旅に行った気分を味わうしかない。
で、僕は缶詰博士なので、缶詰によって旅情を味わうのであります。旅情を感じる缶詰が、この世には存在しているのです。
国分北海道が昨年販売した「北海道産 柳だこ はぼまい昆布しょうゆ仕立て」がまさにそう。とくに「柳だこ」と「はぼまい昆布」という文言に、強く旅情を感じるのであります。
上品なのか
ともかく中身を確認いたしましょう、開缶!
缶汁にタコの切り身が浮きつ沈みつしている。缶汁はしょうゆ仕立てといってもしょうゆ色ではなく、透き通った上品な桜色。ということは、きっとお味も濃くなく、薄塩の上品な仕立てなのでありましょう。
缶詰サイズ
切り身はこのサイズ。缶に収まるサイズの小振りなタコを採用したようだ。
品名にもある柳だこというのは、図鑑で調べてみるとミズダコの仲間だそうな。ミズダコより小振りで、身が柔らかいそうな。
箸でつまむだけで、皮がはらりとはがれ、箸のあとがつくほど柔らかい。「根室の人が味わうタコはこんなに柔らかいのか」と、旅情はさらに深まった。
やはり上品
かくのごとし。急転直下で柳だこ缶はタコ飯に変身した。だって、パッケージに「缶詰を汁ごと炊飯器に入れ炊き込むだけでおいしいたこ飯ができます」って、書いてあるのだもの。
この缶詰には約50ccの缶汁が入っている。1合の米を炊くには220ccほどの水分が必要なので、不足分の水を缶汁に足した。ほかに砂糖を小さじ1/2、しょう油を小さじ2追加。薄まった味を調えた。
タコは本当に柔らかくて、かむと繊維状にほろほろ崩れる。例えて申せば、おでんでしっかり煮込まれたタコのよう。
味付けもいい。炊き込む前にも味わったが、昆布だしが贅沢に利いており、しょう油や砂糖の味はかなり薄かった。
「ああ、根室の人はこんなに上品なタコ飯を食べてるのか」と再び旅情がよみがえる(きっと誤解)。いつか現地に行ってみたいものであります。
缶詰情報
国分北海道/北海道根室産 柳だこ 95g 税別600円(北海道内500円)
ネットショッピングで購入可