今回はフルーツ缶の話題です。缶詰博士の紹介する缶詰は、どちらかというとおつまみとかおかずになるものがメインで、フルーツ缶を取り上げたのはこれまでにたった1度だけ。博士はフルーツ缶に興味がないのでしょうか?

「いえいえ、そんなことはありません。それじゃあ今回はちょっと面白いみかん缶を紹介しましょう!」

いや、もっと普通にフルーツ缶を紹介してほしいのですが(話がかみ合っていない)。でも面白いみかん缶って、いったい何ですか?

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  • 明治屋/日本のめぐみ 長崎育ち青島みかん 210g 378円(税込)(写真:マイナビニュース)

    明治屋/日本のめぐみ 長崎育ち青島みかん 210g 378円(税込)

シロップの思い出

昭和の男にとって、みかん缶といえば甘いシロップである。果実そのものよりも、シロップのほうを先に思い出すのである。

かつてのみかん缶のシロップはかなり甘かった。でもでもそれが美味しかった。冷蔵庫でうんと冷やしたのを取り出して、缶に口をつけて、冷たいシロップをごくごく飲んだ。周囲を見渡し、誰も見ていないことを確認してからごくごく飲んだ(見つかったら怒られる)。

現代のみかん缶のシロップは甘くない。糖分を控えめにして、みかん本来の自然な甘さを味わえるようにしているからだ。今回取り上げる明治屋「日本のめぐみ 長崎育ち青島みかん」は、とくにその”本来の味”がよく分かるみかん缶であります。

  • 長崎育ち青島みかん缶内観

    長崎育ち青島みかん缶内観

ビタミンカラー

さあ、今日も元気にご唱和をお願いします。開缶!
これこれ。フタを取った瞬缶(瞬間)に現れる鮮やかなオレンジ色。気持ちがすっとリフレッシュされるようだ。こういう色合いをビタミンカラーと呼ぶけど、確かにビタミンを取り込んだように元気が出る。その即効性がすごい。

顔を寄せれば、みかん缶特有の香り。生鮮のみかんにはない、ちょっと独特の甘酸っぱい香りだ。郷愁を誘う香りでもある。

  • 粒の様子

    粒の様子

厚み!

ひと粒(っていうのかな?)を取り上げてみると、愛らしいサイズのわりには厚みがある。横から眺めると(横ってどっちだ?)、底辺がぼってりとふくらんでいるのだ。唇で例えれば女優のアンジェリーナ・ジョリーさんであります。

立派に育ったみかんを仕入れ、皮をむいたあともいい粒だけを選別して使っているのだ。実はみかん缶はとても贅沢な食べ物なのだ。

  • シロップも盛りつける

    シロップも盛りつける

透き通った味わい

かくのごとし。あらかじめ冷蔵庫で冷やしておいた缶を開け、シロップも忘れずに注いだ。幼時を思い出しながら、まずはシロップを飲んでみる(思わず周囲を確認した)。うん。甘酸っぱくて、みかんの果汁そのもののような味だ。かつての甘いだけのシロップとはまったく別物であります。

実のほうをいただくと、粒がぷちぷちと弾けて、そこから果汁が飛び出してくる。その味が透き通っていて実に爽快。甘さはもちろんあるのだけど、それと同等かそれ以上に酸味もしっかりと感じられる。そのトータルな味が、晴れ渡った冬空のように透き通っているのだ。

ま、今は夏なんですけど。

缶詰情報
明治屋/日本のめぐみ 長崎育ち青島みかん 210g 378円(税込)
明治屋ストアーのほか一部のスーパー、ネットショップなどで購入可