産院での育児指導や育児書によると、「授乳は3時間おきに」とされていることが多い。でも、中には夜間にずっと寝ている赤ちゃんもいて、その場合は起こして授乳をしなければいけないのだろうか。また、3時間おきの授乳はいつまで続ければいいのだろうか。そんなママの疑問を小児科医の田村幸子先生に尋ねてみた。
お母さんの不安
3時間おきの授乳は何カ月まで続ければいいの? 低月齢の赤ちゃんでも、夜にずっと寝ていてミルクを飲まなくても大丈夫?
田村先生の回答
産院や健診などで「授乳は3時間おきに」と言われるのは、あくまで目安です。基本的には、赤ちゃんの飲みたいペースに合わせればよく、毎回時間を計ってきっちり3時間おきに授乳する必要はありません。
特に母乳育児の場合、赤ちゃんが低月齢のうちは授乳間隔がまちまち。1~2時間しか間隔があかないこともあります。生後2~3カ月になると、母乳の赤ちゃんも、授乳間隔が大体3~4時間に定まってくることが多いようです。ミルクを飲んでいる赤ちゃんは、もう少し早く授乳のリズムが安定するかもしれません。
3~4時間の授乳間隔が何カ月まで続くかは、赤ちゃんによって違います。一般的に、4~5カ月頃になると、1回に飲める量が増えてさらに間隔があき、離乳食の3回食が始まるころには徐々に離乳食後に母乳やミルクを飲まなくなり、授乳回数も少なくなります。
夜間の授乳も個人差が大きく、生後3カ月頃からは、夜まとめて6時間以上寝る赤ちゃんも増えてきますが、もっと低月齢の0~1カ月頃でも、夜長く寝て授乳間隔がすく赤ちゃんもいます。日中機嫌よく過ごしていて、体重が順調に増えていれば、必要な栄養はとれていると判断でき、夜中に無理に起こしてまで授乳する必要はありません。もし気になる点があれば、健診などで小児科の医師に相談してみましょう。
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回答者プロフィール
田村幸子(ゆきこ)先生
小児科学会専門医、医学博士。
1992年群馬大学医学部卒業。東京大学病院分院小児科、都立府中病院(現都立小児総合医療センター)、国立感染症研究所などを経て、現在、東京都練馬区の田村内科小児科医院で小児科を担当。二児の母。