米トランプ大統領が新しい関税を発表してから、世界の金融市場は大きく揺れ動いています。そして、この混乱はしばらく続くと見られています。今回のように先行きが不透明な時、個人の投資家はどのように行動すべきかを解説します。

新しい関税の発表から、金融市場は大きく動揺している

4月3日に米トランプ大統領が新しい関税を発表しました。この内容が事前の予想を大きく上回る規模だったことから、世界経済に影響があるのではないかとの見方が広がり、金融市場は大きく動揺しました。

新しい関税については日々動きがあり、どのような結果となるのかを見通すのは難しい状況です。混乱はしばらく続くでしょう。

この間、米国を中心に世界的な株安となり、円高ドル安も進みました。新NISAをきっかけに海外資産に投資をした人の中には、リターンがマイナスの人も多いのではないでしょうか。

「長期・積立・分散」の基本に立ち返る

リターンがマイナスになれば、「このまま続けていていいのか」「一旦、資産を売った方がいいのでは」と不安になるかもしれません。しかし、このような時ほど「長期・積立・分散」の基本に立ち返ることをお勧めします。

まず「長期」について、10年、20年かけて資産を増やしていくという視点が重要です。

過去20年を振り返ると、リーマン・ショックやコロナ・ショックなどの世界的な金融危機がありました。しかし、期間はまちまちであるものの、金融市場は回復を遂げ、さらなる成長を続けてきたという事実があります。

次に、様々な資産に「分散」することで、リスクをコントロールしていくことが大切です。

相場が大きく下落しても、値動きが異なる資産に分散しておけば、ショックを和らげることができます。具体的には、株式だけでなく、債券、金、不動産といった資産に分散して投資をするということです。

最後に、相場が不安定な時ほど「積立」の効果が発揮されます。

毎月など一定の間隔で、同じ金額を投資していく積立投資は、相場が下落したときに安い価格で購入することができるため、相場が同水準に回復しただけでもプラスとなります。

中長期的には世界経済の成長は続いていく見込み

私たちはこれまで、金融危機と呼ばれる厳しい状況を何度も迎えてきましたが、その都度、人々の努力と工夫によって乗り越えてきました。今回も厳しい局面を迎えていますが、いずれ克服し乗り越えていくことでしょう。

また、中長期で考えれば、テクノロジーの進化と人口増加によって、世界経済の成長は続いていくでしょう。それをリターンの源泉とする「長期・積立・分散」の投資は、今後も有効であると考えられます。

相場の変動に一喜一憂せず、長期的な視点で、自身の目標に向けた資産運用を淡々と続けていきましょう。