前回までは3回にわたってマンション購入までのステップや、需要が高まっているコンパクトマンションについてお伝えしてまいりました。
今回より、実際に私が購入したマンションについてその決め手となったポイントを写真とともにご紹介いたします。これまで約2万5千人以上の女性会員のマンション購入を見届けてきましたが、実際に私がどんな視点で物件を選んでいるかを知っていただくことでみなさんがマンションを購入される際のヒントになればと思います。
私は女性のための快適住まいづくり研究会の代表として、これまで年間30~40棟、累計約990棟のマンションの企画協力を手掛けてきました。8万6千人(2017年11月1日現在)の会員から寄せられる生の声を分析し、マンションの間取りや収納、設備や仕様、管理やインテリアといった女性に選ばれる商品作りをディベロッパーに提案するだけでなく、事業用地を視察し、女性が安全に快適に暮らせるような環境、慰安や利便性、地盤などを調査し、適正な価格設定の助言なども行っています。
今回ご紹介するのは港区にあるタワーマンションです。こちらも女性のための快適住まいづくり研究会がコンサルティングを手掛けた物件のひとつ。私の購入した部屋は20階にある2LDKの間取りで、自分のライフスタイルや好みに合わせてインテリアや設計変更をしました。
購入は10年前で、5戸目に購入したマンションです。投資用というよりは「いずれは住もうかな」という考えもあり、自分がリタイヤした時の暮らしをイメージして立地やマンションの管理、セキュリティなど様々な角度から考えました。
決め手のひとつは立地の良さです。実はタワーマンションは海抜0メートルの埋め立ての湾岸地域に多く、内陸部には少ないのです。つまり、タワーマンションの物件自体が魅力的であっても、地盤については納得できるタワーマンションが少ないといえます。こちらの物件はタワーマンションでありながら海抜約18~22メートルで港区の高台に位置しており、地盤がかたくしっかりしていたこと、そして「100年コンクリート」が用いられ、制震構造で大地震にも安全だという点が魅力的でした。
加えて、立地の面で言えば品川周辺は「第2の丸の内」とも呼ばれるほど、今後さらなる発展が見込まれる地域です。というのも、山手線の品川駅と田町駅の間に新駅が誕生することもあり、利便性がさらに上がることが見込まれているのです。私は仕事柄、出張が多く新幹線や羽田空港へのアクセスが良く都合がよかったこともありますが、山手線に新駅もでき、2020年東京オリンピックに向けてインフラのさらなる整備がととのっていく地域でさらに便利に期待が寄せられています。住むエリアを選ぶ際には便利であるという視点も大切ですが、将来のエリア再開発や交通網の延伸計画などもを見越して物件選びを考えておくことが大切です。賃貸ではなく購入するということは資産として価値が上がることが大切だと私は思います。
他に物件自体の決め手として、24時間コンシェルジュの勤務体制が整っており、セキュリティ面で安心できたことが大きいですね。外装や内装が上品できらびやか過ぎないところも空きが来ないという私の好みに合っていました。マンションの共有部であるラウンジはホテルのような高級感があり、仕事の打ち合わせなどもできる点も魅力的でした。またゲストルームもあって両親や友達が来たときは止まってもらうことができるのも選んだ理由です。
また購入した部屋は「自分仕様」にアレンジしました。冒頭でも述べましたが、洗面化粧室のバンブー素材にして気持ちよく利用できるようにしました。そのほか玄関ホールを広くすることで開放感を持たせたり、ベッドルームの壁紙を好きな柄に張り替えたり、玄関やキッチンにタイルを張ったり……。このようにマンションは購入後に自分の好きな形にアレンジすることもできるのです。
これだけ魅力を述べてきましたが実はまだこの部屋には1週間以上住んだことはありません。夫と息子とケンカをしてここに家出をしたときに五日、一人暮らしをしました。でも愛犬のさくらが心配になって自宅に戻りました。いつかさくらと二人で住むのが夢です。
次回は投資用に購入した浅草のマンションについて紹介します。こちらも研究会が手掛けた物件のひとつで、今年の12月に完成予定で今から楽しみです。(あと数戸空いていると聞いていますのでご興味のある方はお問合わせください)銀座線沿線に位置しています。資産性が今後高まる注目のエリアですので、特徴も合わせてお伝えしていきます。
執筆者プロフィール : 小島ひろ美
一般社団法人 女性のための快適住まいづくり研究会 代表。1957年福岡県生まれ。関西学院大学商学部卒 ライフスタイル・コーディネーター、宅地建物取引士、相続診断士。26歳の時にマンション購入で苦労した経験をいかし、"女性がマンション購入の夢を実現できる世の中にしたい”と1991年に研究会を設立。
以降、「女性のためのかしこいマンション購入術講座」で、今までに8万6,000人以上の女性たちに800回以上の講演を行いながら、27年間に渡り女性のマンション購入を応援し、第一線で活躍中。著書「シングル女性の(特)マンション選び」(講談社)、「元気になる!幸せマンション購入術」(アスコム)、他多数。
・『女性のための快適住まいづくり研究会』 https://kaiteki.gr.jp/
・「女性のためのかしこいマンション購入術講座 https://kaiteki.gr.jp/seminar/lp.php