俳優の宮澤エマが、フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)のナレーション収録に初挑戦した。担当したのは、11月1日・8日の2週にわたって放送される「今夜もママに会いたくて~新宿 おせっかいスナック物語~」。東京・新宿区の荒木町のスナックを舞台に、客の悩みを放っておけない“みこママ”ことふみ子さん(61)と、彼女を慕って集まる人々の日常を追った作品だ。
人との適切な距離感が難しくなっている時代に、相手の人生へ踏み込んでいくみこママ。その姿に宮澤は何を感じたのか。自身の酒場での交流体験にも重ねながら聞いた――。
自らも心配事を抱えるママと、ママを頼りに集まる人々
かつて芸者衆が行き交った新宿・荒木町。昭和の面影を残し、隠れ家的な酒場や飲食店がひしめく街の一角に、連夜にぎわうスナックがある。客のお目当ては、みこママ。底抜けに明るいママは、客の悩みに耳を傾け、迷う人の背中を押す。
時には離婚した2人に「もう一度やり直しなよ」と本気で復縁を持ち掛ける。帰り際には「触れ合うことで伝わるものがあるから」と、客をギュッと抱きしめてお見送り。そんな飾らない人柄とおせっかいが評判を呼び、男性客よりも女性客が多く訪れる人気店だ。
だが、人の相談に乗るママも、家族のこととなると思うようにはいかない。大学4年生の息子は「やりたいことがない」と、就職活動に背を向け、母の焦りをよそに動こうとしない。
さらに重くのしかかるのが、老いていく両親の介護。90歳の父は認知症と診断され、母も要介護認定を受けている。これまで当たり前にできていたことが、少しずつできなくなっていく両親。客の背中を押してきたママも、母として、娘として、息子の将来と両親の老いに向き合うことに。
それでも夜になればカウンターに立ち、訪れる人の孤独をそっと抱きとめる。自らも心配事を抱えるママと、ママを頼りに集まる人々。小さなスナックで交わる人生から、人と人がつながることの意味を見つめていく。
「みこちゃんのお店に行きたいと思いました」
映像を見た宮澤は、まず「みこちゃんのお店に行きたいと思いました」と興味津々。様々な人々を分け隔てなく受け入れる「懐の深さ」にひかれたといい、客とママが心のままに関係性を築く姿が印象に残ったという。
特に共感したのが、みこママが客を抱きしめて送り出す場面。宮澤自身も「結構ハグする側の人間」だそうで、「人と人が触れ合うと、言葉以上に伝わるものがありますよね」と実感する。帰っていく客が何度も振り返り、ママもそれを見送る光景に、「この都会で一人暮らしをしている人にとっては、ほっこりするし、うれしいだろうなと思いました」と温かい気持ちになった。
常連客の結婚披露宴に招待されたみこママが、客の家族関係にまで踏み込んでいく場面にも注目し、「なかなかそこまで踏み込むことは難しいですが、そこが魅力なんだろうな」と感心。単に社交的なだけでなく、相手の思いをくみ取りながら行動する姿に、「おせっかいの域を超えた、ヒーラーやカウンセラーのような説得力があるお人柄なんだなと思いました」と受け止めた。

