スポーツなど特別なことをしていなくても、日常生活の中でも頭を強く打つことがあります。ぶつけた直後は元気そうに見えても、その後に症状が現れることがあるため注意が必要です。「コブができたから大丈夫」といった自己判断をせず、どのような変化に注意すべきか知っておきましょう。

「コブができたから大丈夫」に根拠はない

  • ※画像はイメージです

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頭を打った後、痛みなどの症状がなくなったからといって、必ずしも問題がないとは限りません。

また、昔から「頭を打ってもコブができれば大丈夫」と言われることがありますが、医学的な根拠はありません。

コブは頭蓋骨の外側にできるものであり、頭蓋骨の内側にある脳の状態を判断する材料にはならないためです。

まず「意識や反応がおかしくないか」を確認する

周囲の人がまず確認したいのは、本人の反応や意識状態です。

声をかけても反応しない、受け答えがおかしい、意識がもうろうとしているといった場合は、直ちに119番通報をしてください。

また、繰り返し吐く、強い頭痛がある、けいれんする、手足が動かしにくいなど、明らかな異変がある場合も救急要請を検討する必要があります。

一方、ぶつけた部分が痛むだけで、そのほかに症状がなければ、患部を冷やして安静にし、その後の様子を注意して観察します。

スポーツ中に頭を打ち、脳振盪が疑われる場合は、症状が軽くてもその日の競技への復帰を避け、医療者の評価を受けましょう。

時間がたってから症状が出ることもある

頭部のけがでは、受傷直後には目立った症状がなくても、時間がたってから症状が現れることがあります。

そのため、頭を打った後は「今は元気だから大丈夫」と決めつけず、意識や反応、頭痛、嘔吐などの変化に注意してください。

異変が現れた場合は、速やかに医療機関を受診するか、症状によっては119番通報をしましょう。

頭を打った後は「いつもと違う」を見逃さない

頭の中の状態は外から見ることができません。

頭を打った後は、痛みの強さだけで判断するのではなく、意識や反応、嘔吐、けいれん、手足の動きなどを確認することが大切です。

いったん症状が落ち着いたように見えても、その後に異変が現れた場合は、ためらわず医療機関へ相談してください。

頭を打った後の注意点と受診の目安について、救急科の専門医に聞いてみました。

「コブができれば大丈夫」に医学的根拠はなく、頭部外傷では受傷直後に元気でも後から症状が出ることがあります。意識が悪い、反応が鈍い、強い眠気、悪化する頭痛、繰り返す嘔吐、けいれん、ろれつが回らない、手足の麻痺・しびれ、左右の瞳孔の大きさが違う等は救急受診・要請の目安です。軽症に見えても、抗凝固薬等を服用している人、高齢者、意識消失や健忘があった場合は早めの受診を勧めます。スポーツでは「頭を打ったら一律」ではなく、脳振盪が疑われる場合は当日中の復帰を避け、医療者の評価を受けるようにしてください。

松窪 将平(まつくぼ しょうへい)先生

一宮西病院 総合救急部 救急科 副部長
資格:日本専門医機構認定 救急科専門医