――印象的なシーンのひとつが、シャッフルした相手と同じベッドで寝る場面です。

石田:「ベッドのシーンをスタジオで撮ろう!」というアイデアは、割と最後の方で出てきたんです。ベッドが横に3つ並んでいて、キングサイズ、ダブル、セミダブルと、だんだん小さくなっていく。突然、別の2人がコントみたいに画面の枠を超えて乱入してくる場面もあって、ああいうところは面白いアイデアだなと思いました。

岡田:あれはすごく面白かった!

石田:でも、最初は「これ、どうなることやら…」と思っていました。そもそも一緒のベッドで寝なくても…って思いません?(笑)

岡田:いやいや、画的には素晴らしかったです。

石田:岡田さん的には、一緒のベッドで寝ることが大事なポイントだったんですか?

岡田:それはやったほうがいいと思っていました。僕は、なんとなくアメリカのドラマをイメージしていたんです。アメリカの夫婦って、あんなに家は大きいのに、意外と小さなベッドで一緒に寝ているじゃないですか。そこに違う人が寝るのか…というのが面白いと思ったんです。ツインベッドだと「じゃあ、おやすみなさい」で終わってしまうので。

石田:そうですね。ベッドが2つだったら、あまり意味ないですもんね(笑)

「45歳の男性に還暦間近の女性の気持ちがわかるのか」監督と白熱議論

――石田さんは、撮影現場で萩原(健太郎)監督と意見を交わす場面もあったそうですね。

石田:監督は45歳の男性なんですよ。もちろん素晴らしい監督ですけど、「45歳の男性は、還暦間近の女性の気持ちがわかるのか…!」という思いで。生意気ですみません(笑)。監督から見た世界と、身をもって体験している私たちから見える世界は、多少違うんです。

今回のドラマは『マイ・スイート・ホーム』というタイトルだけに、家の中に歴史が刻み込まれていることが大事だと思っていました。子どもの成長の記録や、使い込まれたヴィンテージ感を出したくて、小道具やシーンについても考えていました。春花の家はあまりにもきちんとしすぎているので、もうちょっと汚したかったんです。

――個人的には、動物もいたらよかったのに、と思いました(笑)

石田:でも監督が描きたいのは、もっと映像的なもの。「こういう画が撮りたい!」という思いがあるんです。そこを納得するまで、かなり話し合いました。私たち女性3人が監督を前に「ワ~ワ~ワ~!」と言いたくなってしまうわけですよ(笑)。

岡田:怖い(笑)

石田:でも、6話まで観て思ったのは、45歳の男性監督だからこそ出せる軽やかさもあるんだな、ということでした。同世代の女性監督が撮っていたら、きっと共感しすぎて、もっと重くなっていたかもしれない。そこがない分、とても軽やかで、45歳の男性から見た未来の群像はもっとポップなんだな、という面白さがありました。今となっては、「なるほどね」「監督、ごめんね~」という気持ちです(笑)。でも、ものをつくるって、そういうことなので。

<石田ゆり子>
ヘアメイク:岡野瑞恵