俳優の松本若菜が、フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)のナレーション収録に臨んだ。担当したのは、18日・25日の2週にわたり放送される「夢と修業と初恋と2」。作業中は私語厳禁で、スマホも禁止される厳しい共同生活の中、宮大工を目指す若者たちの修業の日々を追ったシリーズの第2弾だ。
前回放送から約1年ぶりに、厳しい集団生活の中でひたむきに、たくましく成長していく彼らを見つめた松本が、新塾生や、先輩になったなじみの顔への思いを語った――。
「続編希望」が実現し歓喜「やった!」
大阪・太子町にある「宮大工養成塾」では、塾長の金田優さん(40)の指導の下、3年間で一人前の宮大工を目指す。午前4時半に起床、食事は正座で黙食、寮で与えられる一人ひとりのスペースはわずか1畳。時代に逆行したような生活の中、塾生たちが成長していく。
前作のナレーション収録後に、「続編希望」と話していた松本は、今回のオファーを受けて、「“やった!”と拍手しました。たった1年しか経っていないんですが、きっとまた新たなドラマがあって、そこで塾生たちがどう成長しながら、金田さんのもとで塾生生活を送っているのか、すごく気になっていました」と語る。
前作では「女将のような気持ちで見守った」というが、今回、その気持ちはさらに強くなった。「新塾生の子たちは初めましてでしたが、金田さんや片山さんをはじめ前回からの顔も見えましたし、1年間どう過ごしてきたのかなと思うと、より気持ちが入りました」と振り返る。
いつも怒られてばかりだった片山さん(21)は、宮大工養成塾を卒業。今ではノミを使った繊細な木組(きぐみ)が得意で、塾の講師という教える立場になっていた。
そんな片山さんらに迎えられた新塾生の中に、中学を卒業したばかりの双葉さん(15)の姿があった。母の勧めもあり、手先の器用さを生かそうと、高校へ進まず宮大工の道を選んだ。しかし入塾式からわずか5日目の夜、双葉さんは姿を消してしまう。
「“ホームシック”という言葉もありましたけど、“当たり前ですよね”」と捉える松本。「同年代にも、例えば全寮制の高校に行って、親元を離れてという子たちがいると思いますが、ここでは作業中は私語厳禁、スマホNGという、普通では味わえないことをしているわけですから」とおもんぱかる。それでも「食らいついている姿を見て、口から出ている言葉と思っている気持ちとは、違うのかなとも感じました。成長にすごく感動しました」と心を動かされた。
教えられる側から教える側へ 父の仕事への思いも新たに
片山さんは、講師として後輩たちを指導する一方、修復現場で初めて現場監督を任されていた。しかし、修復作業中、想定外のネジが見つかり作業が難航。思うように進められず、時間切れとなってしまう。一人暮らしの部屋で、肩を落とした。
その姿に「今まで塾生だったのが、今度は講師として見られるというところで、周りからの視線が変わってくるというのは、私も立場は違えどなんとなく分かる気がします。だからこそ、その視線に応えられるようになりたいし、自分の中でもさらにもう一歩上になるよう頑張りたいと思う。そういうところは、感じるものがありましたね」と自身とも重ねて心を寄せた。
自身の父と祖父が大工であることもあり、本シリーズには思い入れが強いと話していた松本。久しぶりに帰省したときに、大工の父ならではの出来事があった。
「甥っ子の部屋がリノベーションされて、きれいになっていたんです。木造なんですが、ちょっと作りが今っぽくなっていて。古い家なので冷えるけれど、どう対策していけばいいかなど、そういうことも考えながら作っているんだろうなと感じました。出来上がったものに対する愛情や、自分の仕事へのプライドもあると思います」
番組に登場する宮大工と大工という違いはあるが、「守り抜いていくという部分では同じだと思うので、映像を見ていると、余計に父はすごいんだなと感じることができます」と、見つめ直す機会にもなったようだ。
●松本若菜
1984年生まれ、鳥取県出身。07年に俳優デビューし、09年に映画『腐女子彼女。』で初主演、17年に映画『愚行録』で第39回ヨコハマ映画祭助演女優賞を受賞。22年、ドラマ『やんごとなき一族』(フジテレビ)で“松本劇場”と話題になり、東京ドラマアウォード助演女優賞を受賞。同年、『復讐の未亡人』(テレビ東京)で連続ドラマ初主演を果たす。近年の主演ドラマ『西園寺さんは家事をしない』『わたしの宝物』や、今年7月期の『君の好きは無敵』などで支持を集め続け、今年は村上龍の『ラブ&ポップ: トパーズ2』のAudible朗読を担当。映画『負けへんで』の公開が11月13日に控える。


