第32回 マセラティ デイ 2026|孤高のトライデントが集う秋の祭典

2026年10月3日から4日の2日間、秋晴れの富士山を望む山中湖畔にて、マセラティ公認オーナーズクラブ「マセラティ クラブ オブ ジャパン(MCJ)」の年間最大のナショナルミーティング「第32回 マセラティ デイ 2026」が開催された。本年は日伊修好160周年を記念し、駐日イタリア大使館の協力を得た公式イベントとして位置づけられている。

【画像】秋の山中湖に全国から70台以上のマセラティが集結!(写真28点)

会場となったエクシブ山中湖には、東北、名古屋、西日本、北陸、そして関東の各支部から、およそ140名のメンバーと70台余りのマセラティが集結した。初日は折しも行楽シーズンの好天と高速道路の集中工事が重なり、到着までに5時間以上を要する過酷な大渋滞に見舞われた参加者も少なくなかった。しかし、その困難を乗り越え、愛車と共に無事再会を果たした彼らの表情からは、ブランドに対する並々ならぬ情熱がうかがえた。

初日の午後、占有のパーキングスペースに車両が整列すると、会長である筆者による恒例のオーナーズインタビューがスタートした。一台一台の前に立ち、オーナーとマンツーマンで愛車への想いやヒストリーを語り合う時間は、クラブイベントならではの温かな風景である。また、マセラティジャパンのジュリー・タイエブ・ドートリオCEOも駆けつけ、特別に手配された貴重なモデルの展示が行われるなど、メーカーとの強固なリレーションを感じさせるプログラムとなった。

芝生エリアを彩った車両群は、まさにマセラティのヒストリーを順を追って体感できる構成であった。ミストラルや初代ギブリといったオルシ時代のGTから、デ・トマソ期のビトルボやギブリII、フェラーリ傘下時代のクアトロポルテや初代グラントゥーリズモ。そしてレヴァンテやグレカーレといったモダンSUV、さらには最新のミッドシップスポーツであるMC20やMCプーラに至るまで、色とりどりのトライデントが並んだ。

今大会には二つの重要なテーマが設定されていた。ひとつは、1926年の「Tipo 26」で初めて採用されたトライデントロゴの生誕100周年。もうひとつが、先述の日伊修好160周年である。この記念すべき年を祝うべく、提携関係にあるマセラティクラブ香港から名誉会長のチャンご夫妻をゲストとして招聘し、海を越えたクラブ間の深い交流を実現させた。

夕刻、コンベンションホール「富士」で開宴したガラディナーは、マリオ・ヴァッターニ駐日イタリア大使からのビデオ祝辞の披露で幕を開けた。長年サポート頂いているフェッラーリ社のスプマンテで乾杯を行った後は、ディナーと共に「マセラティ アカデミー」を開講。今回はロゴ生誕100周年の歴史を紐解き、創設者マセラティ兄弟、特にアルフィエーリ・マセラティのエンジニアやマーケッターとしての多才さと、決して派手ではないものの確固たる情熱を持つブランドDNAについて参加者全員で理解を深めた。

マセラティティディは当初より、ファミリーでの参加を呼び掛けており、今回も多くの奥様、お子様ご同伴での参加が見られた。オクタン日本版から協賛いただいた「リトル レッド レーシングカー」(マセラティ300Sを愛でる親子の物語を描いた絵本)を教材に、次世代へのマセラティDNAの継承も行われていることも補足させていただきたい。

ディナー終盤のアワードセレモニーでは、まず3つのMCJアワードを発表。奈良県から自走参加した「最遠来」のスパイダー90thアニバーサリー、マセラティジャパンCEOとして日本市場の活性化に寄与された木村氏のギブリII、そして香港から駆けつけたチャン氏へ贈られた。続くマセラティクラブ香港アワードでは5台がセレクトされ、見事グランプリにはミストラルスパイダーが選出された。その後は、池沢早人師氏やMCJメンバーの奥山清行氏のサイン入り書籍、ホテル宿泊券、イタリア製ワインなど協賛アイテムを巡るじゃんけん大会で大いに沸いた。

夜はミッドナイト・パーティーへと移行し、イタリアワインを片手に車談義を楽しむ有意義な時間が深夜まで続いたことは言うまでもない。

翌朝は、前日の心配を吹き飛ばすように富士山が顔を覗かせる晴天に恵まれた。ホテルを出発したマセラティの車列は、スチールやビデオの撮影を行いながら、山中湖周辺を1時間ほど駆け抜ける優雅なパレードランを実施。トライデントの隊列が最終到達地点として向かったのは、富士スピードウェイに隣接する真新しい施設「富士モータースポーツフォレスト テラス」である。この特別な空間を占有し、来年の再会を誓う記念撮影をもって、第32回マセラティデイは無事に閉幕した。

MCJでは、毎月のニュースレターに加え、約130ページに及ぶ機関誌PASSIONEの発行などを通じ、マセラティの魅力を発信し続けている。モデルの新旧を問わず、エンスージアストの参加を常に歓迎している。

マセラティ クラブ オブ ジャパン

公式サイト: https://maseraticlub.jp/

文:越湖信一 写真:越湖信一、柳田由人、山内潤也、マセラティ クラブ オブ ジャパン

Words: Shinichi EKKO Photography: Shinichi EKKO, Yoshito YANAGIDA, Junya YAMAUCHI and Maserati Club of Japan