毎年夏、新宿三井ビルディングで開催される「新宿三井ビルディング会社対抗のど自慢大会」。このビルで働いたことは一度もないにもかかわらず、10年間にわたって大会を追い続けてきた、大会ファンの小僧さん。【前編】 では、この大会にのめり込ませた“伝説”との出会いを振り返った。後編では、中止期間を経て改めて感じた“三井ビルのど自慢がある幸せ”をつづってもらった。

→✅【働いたこともない三井ビル「のど自慢」に彼が10年通い続ける理由】 前編を読む


  • 真夏の3日間、西新宿で開催される「新宿三井ビルディング会社対抗のど自慢大会」/編集部撮影

    真夏の3日間、西新宿で開催される「新宿三井ビルディング会社対抗のど自慢大会」/編集部撮影

■コロナ禍で大会が中止に。「もう開催されないかもしれない…」

この大会に通い始めて丸10年ですが、10回見れているわけではありません。自分が見に行けなかったわけではなく、コロナ禍による大会中止の年があったからです。

2020年、2021年、2022年と3年間にわたって、このイベントは中止となりました。今となっては夢幻のごとくといった感じですが、この時期には本当に多くのイベントが、中止や無観客での開催となりました。優先すべきが命であることは当然ですし、納得もしていましたが、無料で、しかも誰でもふらっと立ち寄ってステージを観られる開かれたイベントだからこそ、観客数を制限したり、距離をとったりするのが難しい。

普段はそれが三井ビルのど自慢の大きな魅力なのですが、こういう時には逆にデメリットにもなるのだと痛感しました。

  • 2026年大会初日の様子。通称「2階席」は通行人や見物客が自由に観覧できる/編集部撮影

    2026年大会初日の様子。通称「2階席」は通行人や見物客が自由に観覧できる/編集部撮影

■“エア三井ビルのど自慢”でつないだ、空白の3年間

この時期の僕は、開催予定日に現地に赴いて大好きなマクロミル尾崎の「卒業」をスマホで流しながら、同じ角度でステージがあった場所を見るという、まあまあな奇行をしながら、「#エア三井ビルのど自慢」というハッシュタグで仲間たちと過去投稿をリポストしたりしていました。

それくらい再びの開催を願っていたし、開催されないことが寂しくて。と同時に、待っているファンがいるぞ!とアピールしたい、運営される皆さんにその気持ちを届けたい気持ちもあったんだろうと思います。

結果的に、2023年に第46回が開催されましたが、あの3年間の「もうやらないんじゃないか、やれないんじゃないか」という不安で寂しい気持ちを忘れないでいたいし、今こうして毎年新たなパフォーマンスを見れている光景を「当たり前のこと」と受け止めてはならないと、強く思っています。

  • 写真提供:小僧さん

    写真提供:小僧さん

実際に見れない期間を経て、その気持ちがより強くなったし、自分や家族の健康、そして有給休暇を取得できていることのありがたみを、幸せとして改めて強く感じています。

■次はいよいよ第50回。「当たり前じゃない」からこそ見届けたい

今年行われた第49回もとても盛り上がりました。イベント自体へのメディアの注目度がとても高く、Xでの投稿リアクションも今までにない規模で、現場も年々観客が増えているように感じられます。今年一番のトピックとして対外的に語られているのは、ベネッセコーポレーションがステージにしまじろうを投入してきたことでしょう。セットリスト(当日の曲順や企業名などが記載されている配布ペーパーを我々はこう呼んでいます)に、しまじろうの文字を見つけた時には「……え? いいの? 本当に出るの?? 」と半信半疑だったんですが……

当日、元気いっぱいに披露されるORANGE RANGE「イケナイ太陽」の後半、ステージに駆け込んできたのはまごうことなき、あのしまじろう! 僕らが知ってるあのしまじろうが、会社員と肩を組んで「イケナイ太陽」にノリノリ! これを見れるのは間違いなくここ三井ビルのど自慢でしかないでしょう(終了後にXで、ORANGE RANGEの公式アカウントとしまじろうの公式がやり取りもしていました)。

さらに言うと、これだけ話題になった素晴らしいパフォーマンスであるにも関わらず、残念ながら予選落ちで金曜日の決勝には進めなかった。つまりこれは、予選から見てないと見れなかったアクト。我々ファンの間では「予選こそ至高」という認識が浸透していますが、それを証明する素晴らしい時間でした。

  • 2026年大会初日、予選の様子/編集部撮影

    2026年大会初日、予選1日めの様子/編集部撮影

次回はいよいよ第50回。“0と5が付くスペシャル回”として、3位以内で出場停止中のレジェンドたちも帰ってきます。

今大会を沸かせたベル・データのアゲハ蝶、スバル興業の和田アキ子、milabの大黒摩季も揃い踏みしつつ、前回チャンピオン・ターリー屋のnobady knows+や、前々回優勝のウィルオブコンストラクションの広瀬香美も復活が想定される豪華な陣容。どれだけ人が集まってしまうのか少し不安でもありますが……節目の大会が安全に楽しく素晴らしいものになることを、1ファンとして心から願っています。

  • シュレッダー紙吹雪での応援は、のど自慢大会の名となっている/編集部撮影

    シュレッダー紙吹雪での応援は、のど自慢大会の名となっている/編集部撮影

→✅【シュレッダー紙吹雪が乱れ舞う「新宿三井ビルのど自慢」、50年続く“社会人の夏フェス”】 現場レポを読む