栃木・宇都宮のショッピングモールでは8月4日、JA共済連栃木が特別協賛する「しもつけキッズ防災教室」が開催された。小学生以下と保護者を対象にしたイベントで、夏休み中の子どもたちが新聞紙、ゴミ袋、タオルを使った防災グッズづくりを体験している。
■子どもの防災意識の向上に
JR宇都宮駅から新交通システムのライトラインに揺られること10分ほど。家族連れや若者でにぎわう大型ショッピングモールのベルモールにて「しもつけキッズ防災教室」が開催された。主催は下野新聞社、特別協賛はJA共済連栃木、後援は栃木県教育委員会、協力はNPO法人 栃木県防災士会。
その冒頭、JA共済連栃木の柳井美晴さんが挨拶。近年、全国各地で災害が発生している背景を踏まえつつ「もしものときには防災の知識が役に立ちます。本日は、身近なものを活用した防災グッズづくりを行います。ここで学んだことを、家に帰ってからご家庭でも再現してもらえたらと思います」と呼びかける。
このあとNPO法人 栃木県防災士会の皆さんが、子どもたちにレクチャーを行った。はじめはタオルを使った防災頭巾の作り方。担当者は「地震が起きたら、まずは頭を守ってください。家にあるタオルとひもで、防災頭巾を作ってみましょう」とうながす。
タオルを半分に折り、養生テープを貼り付け、ペンで穴を開けたらビニールひもを通し…。防災士会のスタッフに手伝ってもらいながら、ものの数分で頭巾のようなものが出来上がった。
次は新聞紙でマイスリッパを作る。「おうちの中、避難所でも履けるようなスリッパを作ってみましょう」と担当者。おりがみを作る要領で折り目をつけ、器用に新聞紙を折っていく子どもたち。自分の足の大きさに合わせて、サイズや形を調整する。
最後は、ゴミ袋であったかジャンパー・ポンチョを作る。頭、腕を出すために袋に3か所、穴を開ける必要がある。そこでダンボールを定規の代わりにして、ゴミ袋にマジックで線を引き、ハサミで切り取っていく。
やがてポンチョが完成した。羽織るだけでなく、首の前・お腹の前で結べるようになっているのもポイントのひとつ。
栃木県防災士会の山本さんに話を聞いた。かつては「災害が少ない地域」と言われていた栃木県。しかし近年では、大雨による”水害”が県内各地で起きている。足利市にお住まいの山本さんも、今年7月の記録的な大雨時に、乗用車に乗ったまま流されるなどの被害に遭っていた。
被災したとき、どんなことが大変になるのだろうか? そんな問いかけには「災害支援と言うと、皆さん『食べるものを送らなきゃ』って思うでしょう? でも被災地では、実は食べることと同じくらい『出すこと』が大きな問題になるんです」と山本さん。
たとえば、簡易トイレがあっても使い慣れていないと用が足せない。そのときの心境については「いざ、出そうと思っても出ないもんなんです」と振り返る。簡易トイレは衛生面の配慮も必須で、特に夏は臭い対策が喫緊の課題となる。「そのあたりも含めての災害支援が求められます」と山本さん。イベントを通じて、自身の体験談も伝えていけたら、と話す。
そしてJA共済連栃木の柳井美晴さんにも話を聞いた。昨年から始まった「しもつけキッズ防災教室」。今年はベルモールで開催したあと、イオン日光今市店、イオンモール佐野新都市でも開催する。なお各回とも、多くの予約があったという。「子どものみならず、親御さんにも『身の回りにあるもので防災グッズが作れるんだ』と驚いてもらえています」と手応えを口にする。
直近では、令和8年熊本地震が発生した。これを受け「このタイミングで防災教室を行うことで、親子の間で防災意識を高めてもらえたら」と柳井さん。「イベントの体験を家庭に持ち帰り、もしものときはどうするか、家族で話し合うきっかけにしてもらえたら嬉しいですね」と話していた。















