高配当株への投資を考えていても「銘柄が分からない」という人は多いでしょう。最初の1銘柄は、知名度が高く、事業内容がイメージしやすい企業を選ぶと安心です。今回は9月に配当権利を迎える銘柄のなかから、初心者でも理解しやすい3社を紹介します。※サムネイル画像:PIXTA

◆初めての高配当株は「分かる会社」を選ぶ

高配当株投資では、配当利回りの高さばかりに目が向きがちです。しかし、長く保有することを前提に考えるなら、それ以上に大切なのが「どんな会社なのか理解できること」です。

例えば、毎日利用している通信会社や、日本を代表するメーカーであれば、ニュースや新聞で目にする機会も多く、企業の動きを自然と追うことができます。決算発表や新製品、設備投資などのニュースが出たときも、「この会社に何が起きているのか」が理解しやすくなります。

また、高配当株は短期間で売買して利益を狙うよりも、配当金を受け取りながら長く保有する投資スタイルと相性のよい銘柄が少なくありません。そのため、業績が安定しており、今後も利益を積み重ねていけそうな企業を選ぶことが重要です。

もちろん、配当金は将来にわたって保証されているわけではありません。業績や経営環境によって増配することもあれば、減配することもあります。それでも、安定した事業基盤を持つ企業は株主還元にも積極的なケースが多く、初心者にとっては安心感があります。

今回は9月に配当権利を迎える銘柄のなかから、知名度の高さ、事業内容の分かりやすさ、そして配当への期待という3つの視点から、初めて高配当株に挑戦する人が検討しやすい3社を選びました。

◆トヨタ自動車<7203>

トヨタ自動車<7203>は世界最大級の自動車メーカーです。国内だけでなく海外でも高い販売シェアを持ち、日本企業を代表する存在として知られています。

自動車業界は景気や為替の影響を受けやすい業種ですが、同社はハイブリッド車で世界をリードし、EV(電気自動車)や水素技術など次世代モビリティへの投資も積極的に進めています。事業規模が大きく、収益力も高いことから、多くの投資家が長期保有の対象として注目しています。

普段から街中でトヨタ車を見かける機会も多く、企業の存在を身近に感じられることも初心者には大きなメリットです。AI・半導体関連に関心が向かいがちですが、「日本を代表する企業へ投資する」という安心感を持ちながら、高配当株投資を始めたい人に向いている銘柄といえるでしょう。

◆NTT<9432>

NTT<9432>は日本最大級の通信会社です。固定電話の会社というイメージを持つ人もいますが、現在は通信インフラだけでなく、データセンター、システム開発、法人向けDX支援など幅広い事業を展開しています。

2023年に株式分割を実施したことで、最低投資金額が大幅に低下しました。そのため、「まずは高配当株を1銘柄持ってみたい」という初心者にも選びやすい銘柄です。

近年はAIの普及によって通信網やデータセンターの重要性が高まっています。NTTはそうしたデジタル社会を支える基盤を担う企業でもあり、将来性という点でも注目されています。配当だけでなく、長期的な成長にも期待したい人に適した企業です。

◆KDDI<9433>

KDDI<9433>は携帯電話ブランド「au」を展開する国内大手通信会社です。スマートフォン事業に加え、金融、エネルギー、DX支援など事業領域を広げ、安定した利益を上げています。

通信サービスは生活に欠かせないインフラであるため、景気の影響を比較的受けにくい業種とされています。そのため、業績が急激に悪化しにくく、安定配当を期待する投資家からも人気があります。

また、株主還元にも積極的で、長年にわたり増配を続けてきた実績があります。毎年少しずつでも配当金が増えていくことは、高配当株を長く持つ楽しみの1つです。

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文:田代 昌之(金融文筆家)

新光証券(現みずほ証券)やシティバンクなどを経て金融情報会社に入社。アナリスト業務やコンプライアンス業務、グループの暗号資産交換業者や証券会社の取締役に従事し、2024年よりフリー。ラジオNIKKEIでパーソナリティを務めている。

文=田代 昌之(金融文筆家)