
7月5日(日)の放送テーマは、「行動を変えていこう! 令和の熱中症対策」。環境省大臣官房環境保健部 企画課 熱中症対策室の高山研(たかやま・けん)さんをお迎えして、最新の熱中症対策について話を伺いました。
(左から)松井玲奈、高山研さん、杉浦太陽
◆熱中症リスクが高まる夏の環境要因
暑さが本格化する季節を迎えるなか、熱中症への向き合い方にも変化が求められています。昨年は、5月から9月にかけて熱中症による救急搬送者数が過去最多の10万510人を記録し、亡くなった人も1,500人を超えました。
熱中症は「環境」「からだの状態」「行動」など、複数の条件が重なって起こる症状とされているため、対策をしていても完全に防げるわけではありません。対策がどれか1つでも十分でないと熱中症になってしまう可能性があります。また、高山さんは熱中症を引き起こしやすい環境として「気温や湿度が高い」「風が弱い」「日差しが強い」「締め切った屋内」「エアコンのない部屋」「急に暑くなった日」などを挙げます。
◆暑さ指数とは?
6月時点ですでに厳しい暑さが続いていましたが、例年7月以降は熱中症になる人がさらに増える傾向があり、まさに今が警戒すべき時期です。そこで注目したいのが「暑さ指数」「熱中症警戒アラート」「熱中症特別警戒アラート」です。
暑さ指数は、気温に加え、湿度や日差しの強さなども含めて熱中症の発生リスクを示す指標です。例えば、同じ気温30度でも湿度が高い日は汗が蒸発しにくく、からだに熱がこもりやすくなるため熱中症のリスクが高まります。専門家のあいだでは、暑さ指数が28を超えると「厳重警戒」として熱中症の危険性が高まるとされています。
なお、環境省の熱中症予防情報サイトでは、全国の暑さ指数をリアルタイムで確認できます。高山さんは「環境省が提供する暑さ指数は気象庁の観測地点での数値で、それは土の上で測定していることが多いです。つまり、アスファルトの上などでは、より厳しい暑さになっていると予想されますので、市販の数千円程度で手に入る『暑さ指数計』などで暑さ指数を確認して、熱中症に備えることが大切です」と語ります。
そして、暑さ指数をもとに発表されるのが「熱中症警戒アラート」です。「これは“普段以上に熱中症の予防行動を実践してください”という呼びかけです」と高山さんは言います。発表時はエアコンの適切な利用や涼しい場所で過ごすことを心がけ、こまめに休憩して水分・塩分補給をおこなうなど、命を守る行動が求められます。
さらに、都道府県内で過去に例のない危険な暑さが予想され、重大な健康被害のおそれがある場合に発表されるのが「熱中症特別警戒アラート」です。これが発表されたら、熱中症警戒アラート以上に警戒を強め、事前準備や行動の見直しが必要になります。
なお、これらの情報も熱中症予防情報サイトで確認できるほか、メール配信サービスやLINEでも受け取ることができます。
◆体調や年齢によって変わる熱中症リスク
ここからは、熱中症になりやすいからだの状態や行動を掘り下げます。高山さんは「まずお伝えしておきたいのは、今の日本の夏は『すべての方が熱中症になる可能性がある』ということです。“自分だけは大丈夫”と油断してはいけません」と注意を促します。なかでも特に注意が必要なのが高齢者です。
「ご高齢の方は体温を調節する機能の低下や、のどの渇きに気づきにくいなどの理由で熱中症のリスクが高いです。実際、熱中症で救急搬送される方の約6割が65歳以上の方です」と高山さん言います。近年は熱帯夜となる日も増えていますが、高齢者のなかには、夜中に何度もトイレに行くのを避けようとして水分摂取を控えてしまい、その結果、夜間に熱中症を発症するケースも少なくありません。
また、高齢者でなくても、子ども、肥満傾向のある人、糖尿病などの持病がある人、下痢や風邪による脱水状態の人、二日酔いや寝不足など体調が万全でない人も熱中症になりやすいといわれています。重症化を防ぐためには初期症状に早く気づくことも重要です。「めまい」「立ちくらみ」「手足がつる」「頭痛」「吐き気」「倦怠感」といった症状が出たら熱中症を疑い、すぐに休憩して水分や塩分を補給しましょう。
続いて「熱中症になりやすい行動」に注目します。高山さんは「激しいスポーツや慣れない運動、屋外での長時間作業はリスクが高くなります」と言い、特に熱中症が起こりやすい場面として、「運動やスポーツ」「夏のイベント」「屋外作業を中心とした職場」「夏場の自然災害の現場」などを挙げます。
こうした場面では活動量が増えるだけでなく、集団行動によって自分のタイミングで休憩を取りづらかったり、周りに合わせて無理をしたりする傾向があり、「気づいたら熱中症になっていた」というケースも少なくありません。そのため、職場や団体行動では、リーダーが積極的に水分・塩分補給や休憩を促すなど、お互いに声を掛け合うことが大切です。
服装は熱がこもりにくく風通しのよい服を着用するとよいでしょう。ゆったりしたデザインのものや汗を吸いやすく乾きやすい素材、白や黄色など熱を吸収しにくい明るい色の衣服がおすすめです。地域で暑さをしのぐための場所づくりも進んでいます。熱中症特別警戒アラートの発表時には、事前に自治体が指定した冷房設備を備えた公共施設や商業施設などが「クーリングシェルター」として開放され、休憩場所として利用できますので、外出時には積極的に利用しましょう。
最後に高山さんは、「今年も厳しい暑さが予想されています。『暑さに強いから大丈夫』ではなく、『危ない前提で行動を変える』それが令和の熱中症対策です。政府一体となって、9月いっぱいまで熱中症予防強化キャンペーンを実施しています。梅雨明け直後の7月は、熱中症のリスクが高い時期です。周りの方とも声を掛け合って、この夏を安全に乗り切りましょう!」と呼びかけました。
番組のエンディングでは、杉浦と松井が今回学んだ「令和の熱中症対策」について復習。2人が特に注目した点をピックアップして発表します。まず松井は、高山さんも話していた“危ない前提で行動を変える”をスケッチブックに書きました。続いて、杉浦は“熱中症 予防行動 取りましょう!”と注目ポイントを挙げ、「熱中症対策について詳しく知りたい方は、環境省の熱中症予防情報サイトをご確認ください」とコメントしました。
(左から)松井玲奈、杉浦太陽
<番組概要>
番組名:杉浦太陽・松井玲奈 日曜まなびより
放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
パーソナリティ:杉浦太陽、松井玲奈
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/manabiyori/
番組公式X:@manabiyori_tfm