大人が「今日はそこまで暑くない」と感じていても、子どもは熱中症の危険にさらされているかもしれません。梅雨時期は湿度が高く、ランドセルや雨具、ベビーカーのレインカバー、抱っこ紐などによって熱がこもりやすい季節です。子どもが熱中症になりやすい理由と、保護者が見逃したくないサインについて中路 幸之助医師に聞きました。

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「まだ真夏じゃない」は危険? 子どもが熱中症になりやすい理由

子どもは大人に比べて熱中症になりやすい体の構造を持っています。体重あたりの体表面積が大きいため外気の影響を受けやすく、地面に近い分、アスファルトからの輻射熱もダイレクトに受けます。さらに汗腺機能が未熟で体温調節が苦手なうえ、遊びや運動に夢中になると自分の不調に気づきにくいという特徴もあります。

こども家庭庁も「みんなで見守り『こどもの熱中症』を防ぎましょう」のなかで、こどもは背が低いことやベビーカーの利用などにより、大人よりも地面に近い環境で過ごすことが多く、地表からの熱を受けやすいと注意を呼びかけています。

小学生は登下校体育の授業や外遊びの時間に注意

梅雨時期に保護者の方に特に気をつけていただきたいのが、登下校の時間帯です。ランドセルを背負った背中は蒸れやすく、雨具を着ていればなおさらです。重い荷物で代謝も上がりますから、汗をかきやすい子は登校するだけで体力を消耗してしまいます。

体育の授業や外遊びの時間も油断できません。特に体育館は風通しが悪く、湿度が一気に上昇しやすい環境です。雨で外遊びができず体育館に活動が集中する梅雨時期は、より慎重な見守りが求められます。

乳幼児は、ベビーカーや抱っこ紐の使い方にも注意

乳幼児を連れての外出では、ベビーカーや抱っこ紐の使い方にも注意が必要です。子どもが過ごす位置は地面に近く、大人の顔の高さで感じる温度よりも明らかに高い環境になります。晴天時のアスファルト路上では、ベビーカー内の温度がかなりの高さまで上昇したという報告もあり、大人が「涼しい」と感じていても、赤ちゃんは過酷な暑さにさらされている可能性があります。

抱っこ紐の場合も、親子の体温が密着して重なり合うため、背中側を中心に高温多湿の密閉空間ができあがってしまいます。こまめに姿勢を変えたり、背中に保冷剤を当てたりといった工夫が必要です。

雨の日のレインカバー・長靴が熱中症リスクに?

便利だからこそ使い方に注意が必要なアイテムもあります。代表的なのがベビーカーのレインカバーです。雨の日には欠かせないアイテムですが、装着するとベビーカー内部はほぼ密閉状態になり、内部の温度と湿度が想像以上に上昇します。雨が小降りになった瞬間に開けて換気する、定期的に状態を確認するといった配慮が欠かせません。

レインコートや長靴も同様で、通気性が悪く蒸れやすいため、休憩のたびに脱がせて熱を逃がしてあげてください。長靴の中は、吸湿性の高い靴下で対策するのもおすすめです。

言葉で不調を伝えられない子ども、保護者が見るべきサイン

冷却グッズの使い方にも注意が必要です。保冷剤や冷却シートは便利ですが、直接肌に当て続けると凍傷のリスクがあります。タオルなどで包み、首の後ろや脇の下に短時間ずつ当てるのが基本です。子どもは「冷たすぎる」とうまく訴えられないこともあるため、保護者がこまめに状態を確認してあげてください。

そして、自分の不調をうまく言葉にできない乳幼児の場合、保護者の観察力が命綱になります。顔が赤くなっている、あるいは逆に蒼白になっている、唇が乾燥している、いつもより機嫌が悪く活気がない、おしっこの回数が極端に減っている――こうした変化に気づいたら、すぐに涼しい場所へ移動し、水分を与えてください。

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