原材料高騰やナフサ不足のニュースを耳にすることが増え、生活の現場では「またモノ不足が起きるのではないか」という不安がささやかれています。こうしたモノ不足に伴う買い占めやパニックは、かつてのオイルショックから、近年のコロナ禍におけるマスク不足、記憶に新しい令和の米騒動にいたるまで、形を変えて何度も繰り返されてきました。
そこで今回は、マイナビニュース会員312名を対象に実施した「オイルショックに関するアンケート」の結果から、当時の混乱や集団心理による買い占めの構造についてご紹介します。
「情報が少なかったから」混乱した当時と、現代のSNS社会に潜むさらなるリスク
オイルショック当時を振り返って思うことを尋ねたところ、最も多かったのは「情報が少ない時代だったので混乱しやすかったと思う」(28.9%)でした。テレビや新聞、あるいは店頭の様子だけが情報源だった時代ゆえに、一度火がついた噂や不安を打ち消す術がなく、社会全体がパニックに陥りやすかった背景がうかがえます。
しかし、情報が溢れる現代なら安心かというと、決してそうではないようです。「今の時代ならSNSでさらに混乱が広がりそうだと思う」(11.6%)という懸念の声が上がる一方で、「不安から買いだめしてしまう気持ちはわかる」(22.1%)、「今でも似たようなことは起きると思う」(21.1%)、といった回答も並びました。
情報が少なかった当時と、スマートフォンで誰もが瞬時に発信できる現代。メディア環境は真逆ですが、多くの人が「時代や環境が変わっても、人間が不安に駆られたときの集団心理の本質は変わらない」と感じていることがうかがえます。
今も昔も変わらない? コロナ禍や令和の米騒動にも地続きで通じる、モノ不足への本音
自由回答からも、昭和のオイルショックの記憶と、近年のコロナ禍や令和の米騒動を地続きで捉えた冷静な考察が寄せられています。
「コロナ禍の時マスクやティッシュなどが一時的に品薄になる経験があるので冷静な判断が必要」(40代/男性)
「未だに時々ニュースで当時の映像を見掛ける。コロナの時も似たような感じだった」(50代/女性)
「コロナの時と一緒。みんながパニックになると一緒にパニックになる」(40代/男性)
オイルショックの本質的な教訓は、決して「トイレットペーパーが物理的に不足した」ということではありません。本質は「不足するかもしれない」という個人の小さな不安が連鎖し、結果として巨大な買い占めパニックを自ら作り出してしまう構造にあります。
ナフサ不足や原材料高などのニュースが出た際、私たちが本当に警戒すべきなのは、供給元の不足そのものよりも、情報に触れたときに生じる「今買っておかないと損をする」という集団心理の罠だと言えるでしょう。
不安の連鎖を止めるために、私たちができること
今回のアンケート結果を振り返ると、オイルショックから得られる最大の教訓は、モノ不足そのものの恐怖ではなく、「不安が不安を呼んで買い占めが広がる構造」を理解することにあるといえます。
現代はSNSによって誰もが瞬時に繋がれる便利な時代ですが、一人が発した「〇〇がお店にない」という1枚の写真が、あっという間に全国的なパニックを引き起こす起爆剤になってしまうかもしれません。原材料高騰やナフサ不足といったニュースに触れたときこそ、過剰に反応して売り場へ走る前に、一歩引いて「これは本当に今すぐ必要な量なのか」を客観的に見つめ直す姿勢が求められます。
形を変えて繰り返される集団心理のパニックに巻き込まれないために。一人ひとりが情報の背景を冷静に見極め、普段通りの生活を維持しようとする小さな理性の積み重ねこそが、社会全体の生活現場を守る最も確実な防衛策になるはずです。
オイルショックに関するアンケート
調査時期:2026年5月13日
調査対象:マイナビニュース会員
調査数:312名
調査方法: インターネットログイン式アンケート

