「誰かが片付けているから、来年も花見ができる」平林金属が挑み続けるリサイクルの最前線 資源を次世代へつなぐ循環型社会への使命
株式会社ジャパンエフエムネットワークが制作する全国JFN系列22局ネットで放送中のラジオ番組「となりのカイシャに聞いてみた!supported by オリックスグループ」。意外とあなたの近くにある、地元で活躍するカイシャ。「そこに辿り着くまでの話」や「事業への想い」など、明日へのヒントになる話から、地域のお気に入りスポットまで、地域に密着してお届けする企業応援ビジネスバラエティプログラムです。パーソナリティは小堺翔太が務めます。今回は、FM岡山「Fresh Morning OKAYAMA」のパーソナリティ、DJの森田恵子がパートナーを担当。

5月16日(土)の放送では、平林金属株式会社 代表取締役社長の平林実(ひらばやし・みのる)さんをゲストにお招きして、企業の成り立ち、「サーキュラー・エコノミー」の重要性について話を伺いました。

(左から)アシスタントの森田恵子(FM岡山)、平林金属株式会社 代表取締役社長 平林実さん、パーソナリティの小堺翔太

◆平林金属が守り続ける「資源の価値」

地元岡山県で「ヒラキン」の愛称で親しまれている平林金属株式会社。1956年に創業した同社は、鉄やアルミ、銅、家電、自動車などを再資源化する総合リサイクル企業です。

会社の原点について、代表取締役社長の平林さんは、戦争の記憶と資源不足が深く関わっているといいます。創業者である先代は学生時代、戦争の影響で授業もままならず、瓦礫の片付けに追われる日々を経験したそうです。そのなかで、「鉄鋼資源が止められたことで戦争につながった」という話を耳にし、「鉄がなくなると国は成り立たないのか」と強く感じます。平林さんは「資源を大事にしなきゃいけないという思いが、この仕事の出発点だった」と振り返りました。

当初は鉄のリサイクルからはじまった平林金属ですが、時代とともに扱う素材も変化。現在は、アルミや銅、プラスチックなど、多様な素材が組み合わさった製品を分別し、再資源化しています。なかでも重要なのが、「分解」と「選別」の工程です。平林さんは、「丁寧に人力で分解すれば100パーセント分別できる」としつつも、大量処理には機械化が不可欠だと説明します。

ただやはり、機械だけでは判断が難しい部分もあり、最終的には人の目による確認が欠かせないといいます。「ある程度まで機械でやって、残りの部分を人がやるだけでも、工数はまったく違ってきます。そういうことの積み重ねだったと思います」と平林さんは話します。

また、日本の厳しい品質基準についても、「厳しいからこそリサイクルできる」と力を込めます。「基準を甘くしてしまうと、10年後、20年後に使いにくいものが増えてしまう」と語り、次世代へ良質な資源を残すことの重要性を強調します。世界規模で資源争奪が進むなか、平林さんは「純度をキープしたまま次の世代にパスしないといけない」と、その責任感をにじませていました。

◆目指すは「サーキュラー・エコノミー」の実現

2001年に施行された家電リサイクル法。時を同じくして、そこには時代の流れを先読みした平林金属の挑戦もありました。平林さんは、制度ができる前から「日本でも必ず環境に関する法律ができる」と見据えていたと振り返ります。

きっかけは、1996年に施行されたドイツの循環経済法でした。当時、日本はヨーロッパの環境政策を“5年遅れ”で追う流れがあると感じていたといい、「2001年に何らかの法律ができると決め打ちしていた」と語ります。当初は自動車リサイクルを研究していましたが、「これは家電になる」と方向転換。法施行直前に許可を取得し、専用工場を立ち上げました。

その背景には、海外視察で受けた衝撃がありました。1997年にドイツを訪れ、ベンツが建設中だった自動車解体工場を見学。そのスケールに平林さんは「ヒラキンはいらないとさえ思った」と圧倒された一方、「ベンツより上手に、綺麗に、安くやれば仕事をもらえる」と考えたといいます。

ドイツでの経験は家電リサイクルに活かされ、多くのメーカーから声がかかるようになりました。投資額は当時の会社規模を超えるものでしたが、「やらなかったら会社がなくなる」という危機感から挑戦を決断。初年度は大赤字だったものの、循環型社会への可能性を信じ、事業を続けてきました。

家電リサイクル法の開始から25年。平林さんは「“リサイクル”という言葉が社会に浸透してきた」と語ります。一方で、中国・四国地方8県の廃家電を扱うなか、「なぜ県外のゴミを持ってくるんだ」という声も少なくなかったといいます。それでも、「理解してもらえるようにコツコツやるしかなかった」と地道に向き合ってきました。

現在、平林金属が掲げるのは「サーキュラー・エコノミー」です。回収・再資源化を担う静脈産業だけではなく、製品を生み出す動脈産業とも連携し、循環を前提としたものづくりに関わる時代になりつつあります。平林さんは「“循環型社会を構築しよう”というスタンスは変わっていない」と語ります。さらに、街づくりに例えながら、社会を支える存在の重要性にも言及しました。学校や公園には注目が集まる一方、ゴミステーションやトイレのように「必要だけど自分の家の前は嫌だ」とされるような存在が社会を実は支えていると指摘します。

その思いは同社のホームページにも表れています。花見のあとには、散らかったゴミを片付ける人がいる。「誰かが片付けているから、来年も花見ができる」という考えのもと、平林さんは“片付ける側”の役割に誇りを持ち、「その1人になれる人はヒラキン向き。ぜひうちの会社に来てほしい」とメッセージを送りました。

「となりのカイシャに聞いてみた!supported byオリックスグループ」では、番組公式Instagramもスタートしています。

<番組情報>

番組名:となりのカイシャに聞いてみた!supported by オリックスグループ

放送エリア:TOKYO FMをのぞくJFN全国22局ネット

パーソナリティ:小堺翔太

番組Webサイト:https://jfn.co.jp/lp/tonarinokaisha/