SNSの縦型動画から世界へ──Funky Timesが語る、ヴルフペック以降のミニマル・ファンクと「バズを生んだ」DIYな方法論

ファンクはいつの時代も、音楽メディアの変化とともに姿を変えてきた。2000年代には長尺のジャムが主流だったが、2010年代にはヴルフペックやフィアレス・フライヤーズがYouTubeやSpotifyの時代に適応した短時間のミニマル・ファンクを提唱。そして2020年代にその流れをInstagramの縦型ショート動画へ持ち込んで大成功したのが、ドイツの若手ファンクバンド、ファンキー・タイムズ(Funky Times)である。

リビングルームでカラフルなウインドブレーカーを着た彼らが鳴らす、数十秒のタイトなグルーヴ。ヴルフペック、フィアレス・フライヤーズ、コリー・ウォン以降のファンクの美学を受け継ぎ、短い尺の中で強烈な印象を残す彼らは、まさにミニマル・ファンクの最前線にいるバンドだ。自らミックスや撮影、リリースを行うDIYな姿勢も、ヴルフペックなどを受け継いでいる。

彼らはキャンディー・ダルファー、プリンスのトランペット奏者フィリップ・ラシター、ダーティ・ループスのベーシストのヘンリック・リンダーだけでなく、ヴィンセン・ガルシア、サム・グリーンフィールドとの共演も話題に。そして来る6月2日・3日、ついに彼らの初来日公演がブルーノート東京で実現する。今回はその来日を前に、結成メンバーのユリア・ランゲ、ユリウス・インハウザー、レオ・インハウザーにたっぷりと話を聞いた。彼らの日本語でのインタビュー記事は今回が初となる。

Funky Times結成秘話、象徴的なウインドブレーカー

―まず、最初に皆さんについて教えてください。

ユリア:私は27歳で、ベルリンに住んでいます。楽器はギターです。

ユリウス:僕の担当もギター。29歳で、ハンブルクに住んでます。

レオ:僕はドラムを担当しています。31歳で、ファンキーな音楽が大好きです。僕とユリウスは兄弟なんですよ。

左からセバスチャン・ノッカー(Ba)、ユリウス・インハウザー(Gt)、ユリア・ランゲ(Gt)、レオ・インハウザー(Dr, Vo)、ハネス・プライス(Key)

Photo by Reinhold Blaha

―ファンキー・タイムズはどのように結成されたのでしょう?

ユリア:私たち3人が、最初に出会ったのは10年くらい前です。私はクラシック・ギター出身で、2018年にクラシック・ギターのコンサートをやりました。その時、ユリウスがアコースティック・ギターでゲストとして参加したんです。レオはサウンド・エンジニアを担当してくれていました。

その時、そのコンサート会場の主催者から、急に「フランク・シナトラのトリビュート・トリオとして、一晩演奏してもらえないか」と頼まれたんです。私たちは深く考えずにそれを引き受けました。

それで2019年に、そのトリオとして3人で初めてリハーサルをしたんです。その時、ユリウスが「2曲のジャズ・スタンダードの間に、ファンクのパートを入れてみよう」と提案してくれました。そのパートは本当に1分くらいの短いものだったんですが、すごく楽しかったんです。私たち全員がそのパートをとても気に入ったので、思い出として、あとそのライブの宣伝も兼ねて、ビデオを撮ろうということになりました。

そして、それを私のInstagramに投稿したんです。キャプションには、「Funky Times with Leo and Julius」みたいに書きました。思い返すとそのタイトルは全然クリエイティブではなかったんですけど(笑)、そのビデオがなぜかすごく拡散されたんです。本当にクレイジーでした。

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そしてライブも無事に終わったあと、数カ月後に、もっと同じようなビデオを作ってみようという話になったんです。キャプションはそのまま、「Funky Times 2.0」「Funky Times 3.0」と続けていきました。不思議なことに、そのどれもがバイラルになったんです。

すると、みんなが自然と私たちのことを「ファンキー・タイムズ」と呼ぶようになりました。それで私たちも、「これって、私たちはファンキー・タイムズという名前のバンドになったのかも?」と思ったんです。こういった感じで、すべては自然に、偶然も合わせて進んで行きました。

そのあとはロックダウンで制作の時間がたくさんできたので、一緒にEPを制作しました。最初のEP(2021年作『Funky Times』)では、友人たちにリモートで参加してもらったんです。そして、ロックダウンが明けてから、少しずつ今のバンドの形になっていきました。ベースのセバスチャン・ノッカー、キーボードのハネス・プライスが加わったんです。

―なるほど。今日は不在ですが、その二人のメンバーについても教えていただけませんか?

レオ:ええ、まずベースのセバスチャンは32歳です。さっきも言ったように僕たちは最初はトリオで、ベースがいなかったので、コメント欄で「ベースはどこにいるの?」とよく言われてたんです。

ある時、僕たちがダーティ・ループスの前座として出演するチャンスがありました。その時はサポートでベーシストがいたんですが、直前で彼が体調を崩してしまって、演奏できなくなったんです。難航しましたが、代わりのベーシストを必死に探しました。

そこで出会ったのがセバスチャンだったんです。彼はすごく乗り気で、練習期間は2、3日しかなかったんですが見事に演奏してくれました。それ以来、彼はずっとファンキー・タイムズのベーシストです。彼は本当に頼れる存在で、機械面にもとても強い、エンジニア的なタイプでもあります。だから、彼がチームにいてくれてとても助かっています。

ユリウス:キーボードのハネスは29歳で、僕たちの共通の友人でした。彼のバンド(レオ・イン・ザ・ライオンケージ)がファンキー・タイムズのサポートとして前座を務めてくれた(リューベックの)ライブで出会ったんです。

彼らはマンハイムの音大、ポップアカデミーで勉強しています。僕もそこに通っていました。ハネスはジャズからの影響もとても強いので、僕たちとはすごく相性がいいんです。

レオ:彼は本当に優れたミュージシャンで、視野がとても広いんです。ジャズだけでなくクラシックの影響もある。そして彼は音楽の中にしっかり入り込んで、ファンクを全力で楽しむタイプなんです。だから、みんなすごくいいメンバーなんですよ。

―皆さんのカラフルなウインドブレーカーの衣装は、とても印象的ですよね。なぜそれを選んだのですか?

ユリア:最初のビデオを撮った時、私たちは何を着ればいいんだろう?って悩んだんです。ファンキーな感じに合うものがいいと思って。それで、たしかレオとユリウスの家で、ヴィンテージっぽい古着のジャケットやシャツを探したんです。そうしたら、そこにウインドブレーカーが一枚ありました。

次のビデオも前と同じ場所で撮ることになったので、また新しい衣装を探したほうがいいと思いました。それで私は古着屋に行って、カラフルなウインドブレーカーを二枚買ってきたんです。それから「もっと必要だね」という話になって、ウインドブレーカーがどんどん増えていきました。

ユリウス:増えすぎましたね。30着くらい……もしかしたらもっとあるかもしれません(笑)。

その名もずばり「Windbreaker」という人気曲も

ヴルフペック周辺の影響と音楽ルーツ

―皆さんの音楽には、コリー・ウォンやヴルフペック、フィアレス・フライヤーズのようなフィールがあると思います。まず、コリーが皆さんのバンドに与えた影響について教えてください。

ユリウス:僕たちは本当に彼の音楽が大好きですし、ライブにも行ってます。だから影響はかなりありますね。ギターに関しても、サウンドや音の選び方はかなり似ています。トライアドを使ったり、ペンタトニック的なフレーズを弾いたり。

レオ:もちろん、僕のドラムにも影響があります。プレイはもちろん、彼らのディープなスネアのサウンドにもかなり影響されています。

―では、ヴルフペックやフィアレス・フライヤーズはどうでしょう?

ユリウス:僕たちにとっては、ヴルフペックはとても大きな存在でした。バンドを始めた頃はずっと彼らの音楽を聴いていましたし、彼らの要素を僕たちのバンドに取り入れることはとても自然なことだったんです。

フィアレス・フライヤーズについても同じです。僕は今も、フィアレス・フライヤーズをかなり聴いています。彼らはファンクに新しいスタイルを持ち込んだと思いますし、今ではエフェクターを使う場面なんかも増えていて、僕にはそれがすごくクールに感じられるんです。実際に今、フィアレス・フライヤーズから影響を受けた新曲も準備しています。その曲も(日本で)演奏する予定です。だから、本当に彼らは大きな影響源ですね。

レオ:僕にとって大きいのは、彼らのミニマルさと、鳴っているすべての音の重要さですね。本当にタイトに演奏して、グループとしての一体感を作っていく。その瞬間ごとに込められたグルーヴやプレイの重み、そこにすごく惹かれています。

僕たちも演奏していると、本当にグルーヴが正確にポケットにはまった時の特別なフィーリングがあるんです。今、僕はかなりその感覚にハマっています。

ユリウス:それから、彼らが作曲やプロデュースの面でとてもスピード感があるということも、僕たちにとって大きな影響でした。彼らは本当に、次々と曲をリリースしていく。例えばコリー・ウォンは、1年に10枚くらいアルバムを出すこともありましたよね。あれは本当にすごく刺激的でした。

だから僕たちも、そんなクールなスピード感を持ちたいと思っています。今はまだそこまでではないかもしれませんが、そこに近づこうとしているんです。

レオ:それから、彼ら全員に共通して本当に素敵だと思うのは、DIY的なマインドセットですね。大きなレーベルに頼らず、自分たちでたくさんの素晴らしい作品を作り出している。自分たちの力でキャリアを作っているんです。彼らは自分たちだけでマディソン・スクエア・ガーデンまで辿り着いたし、レコードも自分たちでプレスしたり、スモール・ビジネスとしても機能している。彼らのそういった姿は、僕たちにとても大きな影響を与えています。

ユリア:特にヴルフペックに関しては、彼らがステージにもたらす喜び、一緒に演奏することの喜びも、私にとっては本当に大きなインスピレーションです。

ファンキー・タイムズもそういうバンドだと思います。私たちはただ、みんなで一緒に楽しむためにスタートしました。その喜びをキープすることは、私たちにとってとても重要なことなんです。

―ありがとうございます。他には、どんなアーティストから影響を受けていますか?

ユリウス:そうですね、例えばもうすぐ出る新曲はマイケル・ジャクソンからかなり影響を受けています。僕たちはプリンスの影響もあるし、タワー・オブ・パワーのようなファンクのレジェンドや、マーカス・ミラー、ダーティ・ループスからも影響されてます。

ユリア:ブーツィー・コリンズに……。

レオ:アンダーソン・パークも。

ユリウス:クインシー・ジョーンズ。

レオ:そうだね。僕にとってはキャンディー・ダルファーの影響も強いです。それから、フランスのエレクトロ・デラックスからも。

ユリウス:ソウル・ミュージックも大きな影響源です。ディアンジェロやロイ・ハーグローブのような。

―ちなみに、皆さんは高中正義のような日本のフュージョンは聴いてますか? 彼は最近、世界的にも注目を集めていて、サム・グリーンフィールドも彼の大ファンです。コリー・ウォンも昨年末に高中正義と友達になって、最近はかなり好んで聴いているようです。

ユリウス:高中正義は、本当にアメイジングですね。信じられないくらい素晴らしいアーティストです。

実は僕たちが彼らを知ったのは、サムのライブに行ったことがきっかけなんです。サムがそのライブで、高中正義とカシオペアが彼にとって大きな影響源だと話していました。それで僕たちも聴き始めたんです。聴いてみたら、本当に素晴らしかった。今では大好きになっています。

キャンディー・ダルファー、サム・グリーンフィールドらとの交流

―皆さんはフィリップ・ラシターやキャンディー・ダルファーとも共演しており、彼らは皆さんのことをとても高く評価しています。彼らとの共演はどのように実現したのでしょう?

ユリア:フィリップとはInstagramがきっかけでした。かなり前のことだったと思いますが、彼がオランダに引っ越してきたんです。彼はアメリカ出身ですが、ヨーロッパに移ってきて、私たちに連絡をくれました。「ヨーロッパに引っ越してきたばかりで、一緒に何かをやったり演奏したりできるファンク仲間を探しているんだ。よかったら遊びに来ない?」という感じのメッセージだったんです。

彼の住んでいるところは、私たちの街から車で4時間くらいだったと思います。そんなに遠くはないと思ったので、オランダまで行って一緒に曲を演奏して、ビデオもいくつか撮りました。そのあとに作ったアルバムでは、彼と一緒に「Duct Tape」という曲もやりました。本当に楽しかったです。

キャンディとも似たような流れで、最初に知り合ったのはInstagramでした。彼女はオランダで自分のラジオ番組を持っていて、そこで私たちの曲を流してくれたんです。

そのあと、彼女はアムステルダムで自分のコンサート・シリーズを始めました。彼女がそのコンサートを企画して、私たちをブッキングしてくれたんです。そして彼女自身もステージに上がって、何曲か一緒に演奏してくれました。本当に素晴らしかったです。彼女は私たちにとって大きな影響源でもありますし、人間としても本当に素敵な方です。

そのライブが私たちにとって、ヘッドライナーとしての2回目のライブでした。その前日が、私たちがフル・ショーを演奏した初めてのライブだったと思います。たしか2022年でした。そのあと数年してから、彼女のライブで二回、前座も務めました。

―ヴィンセン・ガルシアや、サム・グリーンフィールドともコラボしていますよね。それはどのように実現したのでしょう?

ユリア:ヴィンセンとは、彼がInstagramで私たちの曲をバックにベースを弾いてくれたことがきっかけでした。それからメッセージをやり取りするようになったんです。

そうしたら、彼がギターサミットのためにドイツのマンハイムに来ることになりました。そこで私たちは「よかったら迎えに行けるよ。コラボしてみない?」と声をかけたんです。それで一緒に撮影しました。それが、去年リリースした「At The Edge」という曲です。

サムについては、最初は彼の奥さんであるフィービー・カティスと繋がっていたんです。私たちは何年も前にベルリンで、彼女がコリー・ウォンと演奏しているのを見ていました。そのあと、Instagramで彼女と繋がったんです。

彼女がドイツを旅行していた時に、「遊びに行って、一緒に演奏してもいい?」と連絡をくれました。だから最初にコラボレーションしたのはフィービーだったんです。その流れで、自然とサムとも知り合うことになりました。2人は結婚したばかりだったんです。そのあとサムが去年ドイツに来ていた時に、声をかけてビデオを撮影しました。

ユリウス:サムがドイツに来て、僕たちもそのライブに行ったんですが、そこは僕たちがビデオを撮っているいつもの街から30分くらいしか離れていなかったんです。だから、これは絶対に連れてこないとって思いました。彼らは翌日に空き時間があったので、とてもうまく行きましたね。

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リビングルームから世界へ、SNSの縦型動画でバズを生んだ背景

―ヴルフペックがYouTubeを通してファンベースを築いたように、皆さんはSNSの縦型動画を通してファンベースを築いてきました。おそらく、あなたたちは世界初の縦型動画で成功したファンクバンドでしょう。ヴルフペック同様に、テクノロジーの進化という大波を捉えられたのは素晴らしいことだと思います。ご自身では、こうしたSNSでの成功をどのように捉えていますか?

ユリア:そうですね……あれは偶然の積み重ねだったと思います。私にとって、縦型の動画と、従来のYouTube動画の大きな違いは、縦型では次に来る動画が何なのかが分からないということです。カバーなのか、オリジナルなのかも分からない。

でもYouTubeでは、みんなは次の動画を自発的にクリックしますよね。だから、カバーをやっているバンドには、横型の動画はとても向いていると思います。例えばスケアリー・ポケッツは本当に素晴らしいバンドで、私も彼らのファンク・カバーが大好きです。だから、彼らはYouTubeで大成功しています。「この曲好きだからクリックして聴こう」と思えるからですね。

でも、フォロワーが少ない新しいバンドがオリジナル曲をYouTubeに出しても、多くの人はそのままスクロールしてしまうと思います。Instagramでは、そこが違いました。そこに私たちのチャンスがあったんだと思います。

だから私たちは、カバーではなくオリジナル曲の動画を投稿することに真剣に取り組みました。200本くらい動画を作った中で、1回か2回は遊びでカバーもやりましたが、基本的には自分たちの曲を書いて、撮影して、また書いて、撮影するということを続けていきました。

そのおかげで、私たちは自分の音楽を聴いてもらう形でファンベースを作ることができたんです。それは本当に、大きなチャンスを掴むことができたと思っています。

タイミングも良かったと思います。私たちが始めた時期は、みんなロックダウンで家にいましたし、私たちも、ただリビングルームで演奏していた。そこに共感してもらえた部分もあったのではないでしょうか。アルゴリズムなど、今は当時とはまた違った環境になっているとは思いますが、それが当時起こったことです。

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―今、リビングルームで演奏していたという話がありましたね。今(リモートで)レオとユリウスが映っている部屋がそこだと思うのですが、なぜそのリビングルームだったのでしょうか?

ユリア:それはシンプルで、最初にお話したフランク・シナトラのコンサートのために、そのリビングルームで練習をしていたからです。3人だけの小さなセットだったので、私たちは1カ月くらいそこでリハーサルをして、そのライブのためのアレンジを作っていました。

その流れで、本当に自然に「みんながビデオに収まるように、ぎゅっと集まってみよう」という感じになったんです。私は床に座って、全員が縦型動画に収まるようにしました。当時、2019年や2020年頃は、そういう縦型動画の撮り方はまだそこまで一般的ではなかったと思います。

―なるほど。今ではその撮り方は非常に浸透したスタイルになっていますが、皆さんがそれのきっかけになっているようなところもあるわけですね。

ユリア:そして、最初の動画がバイラルになり、それ以降の動画も次々と拡散されました。そこで「うまくいっているシステムは変えないほうがいい」と考えて、ずっと同じリビングルームで撮影を続けているんです。

レオ:最初は、録音もスマホのマイクだけだったんですよ(笑)。アンプとドラムの音量を調整して、スマホでうまく録れるようにしたんです。実際にはかなり大きな音だったんで、うまく録れる方法をいろいろ試しながら撮影しました。

そして徐々に、プロ仕様のマイクでも録音するようになりました。ただ、このリビングルームの音もマイクで拾っているんです。ここには独特のいい響きがあるから。それに、ここの環境は本当に便利なんですよ。演奏するにもいい環境だし、とてもリラックスできる空間でもある。そこも映像にとって良かったと思います。

ユリウス:それに、この大窓から入る光もすごくいいんですよ!

ユリア:そう、このリビングルームはいろいろと便利で、すぐに撮影できるんです。新しい場所に行くと、まずは照明をどうするかを考える必要があります。でも私たちは、照明や映像のプロではないので、ここだと太陽光がとてもいいバランスでスムーズなんです。

―今、「うまくいっているシステムは変えない」というお話がありました。それは素晴らしい方法論だと思うのですが、どのようにその考え方に辿り着きましたか?

ユリウス:それは、Instagramに関係があると思います。例えばリール動画を投稿しても、うまく見てもらえないものばかりになる時もある。でも、いろいろ試しているうちに、ある時うまくいくものが見つかるんです。そうすると、当然また同じことをやりたくなります。またうまくいってほしいからですね。

だから変化しないように促しているのは、ある意味でSNSというプラットフォーム自体だと思うんです。僕たちはそれに従ったんだと思います。

レオ:あと、ウインドブレーカーのカラフルなカラーリングも変えませんでした。あのカラーリングは、ある種のシグネチャーのようなものになっていったんです。しばらくすると、ほんの一瞬見ただけで「ファンキー・タイムズの動画だ」と分かるようになったと思います。色や配置、ユリアがいつも前に座っていることも含めて。

それが、同じシステムをキープすることの面白さと意味だと思います。SNSですぐに認識してもらえるようになるんです。そしてそれによって、アルゴリズムが機能した面もあると思います。ある一定のラインを超えたら、より多くの人に表示されるようになる。SNSにはそういうアルゴリズムがありますよね。だからすぐにインパクトを与え、すぐにエンゲージメントを生むために、フォーマットや色、衣装を変えなかったことは良いアイデアだったんだと思います。

ただ、僕たちはそこから発展もしていきたいと思っています。ライブでは変化したいし、ミュージシャンとして、アーティストとしての別の側面も見せていきたい。

ユリア:ウインドブレーカーについては、実は今まさに進化している途中なんです。ブルーノート東京では、少しみなさんを驚かせられるかもしれません(笑)。

それとフォーマットを保つことの面白さの一つは、そこにゲストが加わるだけで変化をつけられることでした。例えばサムがいたり、ヴィンセンがいたりする。時には三人だけで撮り、時にはベースとキーボードを入れて五人で撮る。

Instagramで全員を縦型動画に収めるための選択肢はあまり多くありません。だから、私たちは自然とあの撮影方法になって、それを続けたんだと思います。将来的には別の場所でももちろん撮影はしますけど、私たちは必ずあのリビングルームに戻ってきます。

最新アルバム、初来日公演への思い

―皆さんの最新のフルアルバム『We Keep On Grooving』は、日本盤がP-VINEからリリースされました。これはどんなアルバムになりましたか?

ユリア:このアルバムには、スペシャル・ゲストが二人参加しています。一人はトランペットのフィリップ・ラシター、もう一人は素晴らしいシンガーのフィービー・カティスです。先ほどもお話した二人ですね。

このアルバムのレコーディング期間は、数日から一週間ぐらいだったと思います。前もって作曲を済ませたあとにバンド全員で集まって、アルバム全体をレコーディングしたんです。

日本でP-VINEからこの作品をリリースできたことは、本当に嬉しかったです。日本のレコードショップに私たちのCDが置かれているのを見るのは、信じられないような体験でした。日本盤にはEP『Capri Sun』からの5曲も追加収録されているので、私たちのたくさんの曲を聴くことができます。

―もうすぐ来日公演ですが、そもそも皆さんは日本はお好きでしたか?

ユリウス:ええ。僕は子供の頃にたくさんの日本のアニメを見て育ちました。ポケモン、遊戯王、ドラゴンボール、名探偵コナンなんかですね。全てのタイトルを覚えているわけではありませんが、とにかく大好きでよく見ていました。それから、日本のゲームもよくやりましたね。ポケモンなど、任天堂のゲームです。僕にとっては本当に大きな存在でした。

そして今は、日本の音楽にもとても関心があります。最近になって聴いているところですが、本当に素晴らしいです。日本のミュージシャンはみんな、とても上手いですね。

レオ:僕は音楽機材の面で日本にとても関心があるんです。素晴らしい楽器やシンセサイザーがたくさんありますし、サウンドの歴史の中で日本が果たしてきた役割は本当にすごいと思います。僕はまだ日本に行ったことがないので、今回のツアーは本当に楽しみです。もちろん、他のメンバーにとっても同じだと思います。

ユリア:ええ、私もまだ日本に行ったことがありません。

ユリウス:そう、だから僕たちは本当に今回の来日が楽しみなんです。それから最近、『ロスト・イン・トランスレーション』という映画を見たんですけど、東京が舞台なんです。それを観てすごく気分が高まりました。

―では、ブルーノート東京でのライブはどんなものになるでしょう?

ユリア:そうですね、私たちは本気で、たくさん演奏します。きっと、喜びと楽しさが溢れる空間になると思います。私たちはお客さんとのやり取りをとても大切にしていて、それがライブの特徴の一つになっていると思います。お客さんをショーの中に巻き込んで、その場にいる全員で楽しい時間を過ごしたいんです。

ユリウス:もちろん、多くは知ってのとおりインストの曲になります。それから、まだリリースされていない新曲もたくさん演奏しますよ。

レオ:それに、セットリストの数曲では僕が歌います。ドラムから離れて演奏するのも本当に楽しいんです。

―最後に、日本のファンへメッセージをお願いします。

ユリア:日本でのライブを本当に楽しみにしています。皆さんに会えるのが待ちきれません。こうして日本で、ブルーノート東京で演奏できることに、心から感謝しています。

レオ:そうですね。僕たちが日本というとても遠い国まで音楽を届けて、それを通して繋がれるというのは、本当に素晴らしいことです。僕は日本語を話せませんが、音楽という別の言語で繋がることができる。日本の皆さんが僕たちの音楽にどう反応してくれるのか、どう繋がれるのか、とても楽しみにしています。

ユリウス:僕もまったく同じ気持ちです。僕たちみんなが、日本で演奏できることをとても光栄に思っています。自分たちの音楽が、いつか日本に連れて行ってくれるなんて、誰も想像していませんでしたからね。

だから本当に嬉しいですし、僕たちのライブに来てくれる人たちにとても感謝しています。ブルーノート東京でお会いしましょう!

ファンキー・タイムズ来日公演

2026年6月2日(火)・3日(水)ブルーノート東京

[1st] 開場 5:00pm / 開演 6:00pm

[2nd] 開場 7:45pm / 開演 8:30pm

ミュージック・チャージ:¥7,700(税込)

公演詳細:https://www.bluenote.co.jp/jp/artists/funky-times/

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*日本盤は昨年リリースのEP『Capri Sun』を追加収録した限定仕様

詳細:https://p-vine.jp/news/20251217-170831

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