
最新リミックス・アルバム『Midnight Sun: Girls Trip』が大好評のザラ・ラーソン(Zara Larsson)。天才的ポップスターである彼女は、現在訪れているブレイクスルーと思えそうな出来事も、単なる一過性の現象に終わる可能性があると理解している。だが、今回のそれは、真に定着するものになるかもしれない。
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「1位が欲しいから、決して満足なんてしない。誰もがそうなんじゃない?」ザラ・ラーソンは、ポップシーンでの成功への渇望を捉えた2025年リリースの5作目のアルバム『Midnight Sun』の収録曲「The Ambition」でそう歌う。エフェクトをかけたボーカルに乗せて、彼女は「たまらなく欲しい」と告白する。
ザラにとって、ずっと求めていたものを手に入れることは、必ずしも祝杯を挙げるような出来事ではない。それは、最初から起こるべくして起こるはずのことだったのだ。ポップスターという地位は、急速に移り変わる標的のようなものだが、彼女はポップシーンを制圧するチャンスのために牙を研いできた。ザラは、この10年間にポップジャンルが遂げてきた数々の変容を最前線で目撃してきた。彼女はスターであることの意味、スターになるために必要な代償、そしてその地位が必ずしも永続しないことを理解している。28歳になったこのスウェーデン人シンガーは、ブレイクスルーと感じられるものが、実は単なる一過性のきらめきに過ぎないかもしれないと知っている。現在、全米シングルチャートHot 100に4曲を送り込み、かつてないほど文化的な偏在性を高めている彼女は、この瞬間を本物として定着させることに心血を注いでいる。
2016年に「Never Forget You」で最初のヒットを飛ばしたとき、ザラの準備はすでに万全だった。その曲がブレイクしたのはリリースから1年近く経ってからのことだったので、それが実際に人生を変え始める前から、彼女にはその変化について夢想する時間がたっぷりあった。その後、2017年のアルバム『So Good』から「Lush Life」や「Aint My Fault」が続いてHot 100入りを果たしたが、2019年の「Ruin My Life」までは勢いが停滞した。このシングルでのザラの歌声は威風堂々としており、曲の中毒性は計り知れなかった。チャートの下位4分の1あたりまでしか登り詰めなかったものの、彼女の頭の中にある野心的な声は、たとえ時間がかかってもさらなるヒットが続くと告げていた。
才能と人気曲があるだけでは不十分なケースは多いが、ザラはキャリアのほぼ全期間を通じて、その両方を過剰なほど持ち合わせてきた。これまでの歩みのどの時点においても、彼女は数字という幻想を鵜呑みにして、すでに手にした成果に甘んじることもできたはずだ。かつての楽曲は耳馴染みこそ良かったが、その背後にいるアーティスト本人と深く結びついているようには感じられなかった。彼女が今スターダムへと駆け上がっているのは、絶え間ない忍耐の結果である。ザラのアーティストとしての精神は、そのすべてが息の長い活動、そしてポップ界の歴史に誰の目にも明らかな足跡を残したいという願望に根ざしている。彼女はヒット曲を持っているだけでなく、それらを紛れもなく自分自身のものにする文化的な影響力をも手にしているのだ。
彼女は『Midnight Sun』において、今や見紛うことのない彼女自身の象徴となったマキシマリストなY2Kブランディングを加えることで、その地位を盤石にした。『Fancy Some More?』でリメイクされたピンクパンサレスのシングル「Stateside」は、さらなる追い風となった。互いの世界観を入れ替えたチャーミングなミュージックビデオや、オリンピック金メダリストのアリサ・リュウによるバイラルしたスケート動画の後押しもあり、同曲はBillboard Global 200で1位を獲得し、Hot 100でも最高6位を記録した。そして、全トラックにゲストを迎えた自身のリミックス・アルバム『Midnight Sun: Girls Trip』で、ザラは再びゴールポストを先へと押し進める。その追求に終わりはない。
〈まだ満足できない/それが私の人生を祝福し、同時に呪いもする〉と、マディソン・ビアーの客演とバンビによる新プロデュースでオリジナルを刷新した「The Ambition」の新バージョンでザラは歌う。〈世界中でナンバーワン/もっと次が欲しい〉。例の歪んだ声が割り込む。〈たまらなく欲しい〉。『Midnight Sun: Girls Trip』で、彼女はより広いポップ界の領域と対話しようと意図的な試みを行っている。ピンクパンサレスを迎えて「Midnight Sun」をリミックスし、「Blue Moon」にはケラーニを添えてR&Bのひねりを加え、「Crush」には新人イーライを、そして「Puss Puss」にはポップ界のベテラン、ロビンを起用した。タイラと組んだ「Hot & Sexy」(この夏のクラブセットの定番になること間違いなしのコラボ曲「She Did It Again」に続くコラボ曲)は、最近Hot 100入りした。
『Girls Trip』バージョンの「Girls Girl」で、ザラはポップ界での新たな立ち位置が比較や競争にさらされるなか、自身のエゴと道徳心が試されていることについて歌っている。〈あなたのガールズ・ガールでいたいけれど、その子がスポットライトを欲しがったらどうなるの?〉とザラは問いかける。〈唯一無二の存在/全員が報われる場所があるそうだけど、本当にそうなの?〉。オリジナルの楽曲は、友人の恋人に惹かれる誘惑についてのものだった。リミックス版は、エンターテインメント業界を顕微鏡にかけたような内容だ。ザラはアルゼンチンのシンガー、エミリアを招き、ポップという舞台を、女性にとってまるでボクシングリングのように感じさせてしまうダブルスタンダードを糾弾している。
政治的信念、圧倒的スキル、剥き出しの誠実さ
女性のコラボレーターのみを起用したリミックス・アルバムに、先述の「Girls Girl」は実にふさわしい内容だ。一方で、ザラの関心は単に称賛を分かち合ったり、ヴァースを交換したりすることだけではない。音楽に個性を注入すればするほど、オーディエンスとのつながりは強くなる。『Midnight Sun』期において、ザラはアーティストとして確立されたアイデンティティと、ネット上で率直に発言することで知られる自身の評判との間の溝を埋めている。観衆はしばしば強烈な個性を持つポップスターを熱望するが、それは諸刃の剣でもある。チャペル・ローンが良い例だ。彼女は率直に発言することで愛されていたが、期待されている「架空の台本」から外れた途端、非難を浴びた。「彼女が嫌われれば嫌われるほど、私は彼女のことが好きになる」と、ザラは最近チャペルについて語っている。
ザラは自分の考えを口にし、欲しいものを要求することをためらわない。ポップ、政治、あるいはその間にあるすべての事柄に対する彼女の視点は、一貫して単刀直入で自信に満ちている。最近彼女は、自身の公演後にファンが中絶したというTikTokでのジョークをきっかけに、300万ドルのブランド契約を失ったことを明かした。彼女は、その投稿が面白いものであること、そして女性には中絶にアクセスする権利があるという主張を曲げていない。パレスチナ解放の擁護や、ICEへの嫌悪を投稿した際も、彼女はその立場を固持した。Spotifyでクリス・ブラウンをブロックしたことを正当化し、ドクター・ルークがいなくてもポップ界は問題ないと認めたときと同じ早さで、それらの姿勢を改めて表明したのだ。
Photo by Maria-Juliana Rojas for Rolling Stone
キャリアの紆余曲折を通して、ザラは自身の誠実さにおいて一切の妥協をしてこなかった。その姿勢を音楽に吹き込むことで、彼女はポップ界での地位を揺るぎないものにした。自らの道を突き進むという決意は、もし内面化していれば彼女を後退させたかもしれない周囲からの「憶測」をはねのける盾となった。例えば、昨年テイト・マクレーのアリーナツアーのオープニングアクトを務める契約を結んだ際、よりベテランである彼女が新人の前座を務めるべきではないという意見もあった。しかし、ザラがその規模のチャンスを断ると考えるのは、アーティストとしての彼女を根本的に誤解している。彼女のプライドが、ショーを見せ、成功への足がかりを作るという情熱を上回ることは決してなかった。
過去数年間、ザラはビヨンセやエド・シーラン、さらにカイゴや、バイラルヒットした「Symphony」でコラボしたクリーン・バンディットに至るまで、あらゆるアーティストのためにステージを温めてきた。これらの機会は彼女の当面のオーディエンスを広げたかもしれないが、(テイトのオープニングアクトを務めることで)Z世代のポップファンで埋め尽くされた複数のアリーナでパフォーマンスし、ひいてはそのファン全員のTikTokフォロワーにアピールすることでもたらされた即効性のある「結果」は、それらを遥かに凌駕している。これこそが、現代のポップスターとしてのあり方であり、ザラが誰よりも備えている資質なのかもしれない。
テイトのツアーで形作り、自身のヘッドライニングツアー『Midnight Sun』でも継続している現在のライブセットは、魅惑的で、完璧に近いほどリハーサルされている。「Aint My Fault」を披露する際、ザラは赤い光がステージを包むなかで一瞬静止する。その直後、彼女はセクシー・レッドの「Looking For The Hoes」のリズムに合わせて跳ねる。「Midnight Sun」では、ダンサーたちによって宙に持ち上げられながら最初のサビを歌い上げる。「Lush Life」は10分近くに及ぶ大演目となり、ファンをステージに上げてバイラルしたダンスブレイクを一緒に踊る。「Hot & Sexy」の直前にはスプリット(股割り)を披露し、ブリトニー・スピアーズのカバー曲「Gimme More」の間にも再びそれを決める。彼女はショーの全編を通して、喉を自在に操るボーカルの離れ業を披露し続けている。
これらの瞬間のスナップショットは、TikTok上に数千単位で存在しており、バイラルした投稿は数百万回の再生回数と数十万の「いいね」を稼ぎ出している。そのほとんどは、ザラ自身のプロフィールにあるものではない。そちら側での彼女はステージを降りているが、仕事をしていない時間はほとんどない。自らの楽曲に合わせて歌い、へそピアスを開けるべきか100万人のフォロワーに相談し、実際のツアー資金を稼ぐために大学の学園祭ライブを予約しているのだと率直に弁明する。ザラにとって、ステージはステージであり、プラットフォームは彼女がずっと思い描いてきたスター像へ一歩近づくためのチャンスなのだ。
ザラは、プロモーション活動にショッピングモールや駐車場、ウォルマート、あるいは群衆が集まるあらゆる場所でのパフォーマンスが含まれていた、(SNS以前の)かつてのどの時代であっても生き残ったであろう種類のポップスターだ。彼女なら、ラインストーンを全身に纏い、いつでも働く準備を整えて現れたはずだ。彼女はそれをたまらなく欲している。そして、それは彼女の手の届くところにある。
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From Rolling Stone US.

ザラ・ラーソン
『Midnight Sun: Girls Trip』
再生・購入:https://ZaraLarssonJP.lnk.to/GirlsTripRS
〈収録曲〉
1. Midnight Sun with Pink Pantheress
2. Blue Moon with Kehlani
3. Pretty Ugly with JT and Margo XS
4. Girls Girl with Emilia
5. Crush with Eli
6. Eurosummer with Shakira
7. Hot & Sexy with Tyla
8. The Ambition with Madison Beer and BAMBII
9. Saturns Return with Malibu and Helena Gao
10. Puss Puss with Robyn
11. Midnight Sun
12. Blue Moon
13. Pretty Ugly
14. Girls Girl
15. Crush
16. Eurosummer
17. Hot & Sexy
18. The Ambition
19. Saturns Return
20. Puss Puss
