年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、60歳時点で繰り上げ受給を選ばなかった場合、あとからでも繰り上げできるのかについて解説します。※サムネイル画像:PIXTA

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。

今回は、60歳時点で繰り上げ受給を選ばなかった場合、あとからでも繰り上げできるのかについて解説します。

◆Q:60歳で年金を繰り上げなかった場合、あとから選べますか?

「60歳のときに繰り上げ受給をしませんでした。あとからでも選べるのでしょうか?」(62歳男性)

◆A:60歳を過ぎていても、65歳になるまでの間であれば、あとから繰り上げ受給を選ぶことができます

老齢年金は、原則として65歳から受け取れます。ただし、希望すれば60歳から65歳になるまでの間に、繰り上げ受給を選ぶことができます。

繰り上げ受給は、60歳になった時点で必ず請求しなければならないものではありません。65歳になる前であれば、1カ月単位で希望するタイミングを選んで請求できます。

ただし、繰り上げ受給をすると、受け取り始める時期に応じて年金額が減額されます。減額率は1カ月当たり0.4%(昭和37年4月1日以前生まれの方の減額率は0.5%)で、減額された年金額は一生続きます。また、一度繰り上げ請求をすると、原則として取り消すことはできません。

さらに、老齢基礎年金と老齢厚生年金の両方を受け取れる人は、原則として両方を同時に繰り上げる必要があります。

繰り上げ受給は、65歳より前に年金を受け取れる一方で、年金額が一生少なくなる仕組みです。生活費や資産状況、健康状態などを考えたうえで、慎重に判断しましょう。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)

都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。

文=All About 編集部