鈴木実貴子ズが語る、止まらないことの意味、47都道府県路上ツアーと新曲「心臓」

2025年12月1日の徳島駅前を皮切りに、47都道府県路上ライブツアー「いばらのみち」を敢行している、2ピースロックバンド・鈴木実貴子ズ。全国各地の路上でゲリラ的にライブを行うこの武者修行的なツアーは、2026年4月に折り返し地点を迎えた。もともとは1月28日にリリースしたメジャー2ndアルバム『いばら』に紐づいた企画だったが、蓋を開けてみればアルバム楽曲を演奏するのは毎回2曲ほど。セットリストの大半は、インディーズ時代の曲や、鈴木実貴子のソロ曲、まだ世に出ていない新曲たちが占めている。

しかしこのツアーは、鈴木実貴子ズに大きな変化をもたらしている。路上で積み重ねた経験や出会いは、すでに次作への種となりつつある。その最初の一粒として、いち早く配信リリースされるのが新曲「心臓」だ。この曲がどのように生まれたのか。新潟での路上ライブを直前に控えた鈴木実貴子(Vo./Gt.)とズ(高橋イサミ/Dr.)に、話を聞いた。

―47都道府県路上ライブツアー「いばらのみち」も折り返しを過ぎました。いつも移動は、どのようにしているんですか?

実貴子:電車が多いですね。近いところだと車のこともありますけど。

ズ:長野とかあっちの方は、車だったよね。

―ズさんが運転するんですか?

実貴子:私が運転します。この人、運転できないので。

ズ:免許が失効しておりまして……ペーパーのまま更新し忘れていたんです。

実貴子:正直全部車で行きたいんやけどね(笑)。

ズ:こればっかりは何も言い返せない。俺が悪い。

―47都道府県実際半分以上回ってみて、リアルにどんなふうに感じていますか?

実貴子:めちゃめちゃリアルに言うと、今日、(地元の)名古屋の吹上駅で(ズと)「おはよう」って顔を合わせて、電車に揺られて5分経った時に、「行きたくねえ」って、2人で同じこと思ってました(笑)。それが本音。でも、4〜6日まとめてって感じで、長くて1週間くらいの単位で回っているから、初日が一番エンジンかかりにくくて、2日目ぐらいからちょっと楽しめてくる。

ズ:毎回その繰り返しですよ。「うわ、またはじまった」ってなり、やり始めたら「やっぱこれは意味があるな」ってなる。

実貴子:そうそう。なんで意味があるかと思ったかと言うと、まだ半分ですけど、マジでどこにもお客さんがいる。こんな場所に、こんだけ人がおったんやって肌で感じられることで、シャキッとしなきゃとか、やる気を入れざるを得ない状況に勝手に持っていってもらえる。その意味ではすごく意義があるけど、普通のライブもやって、生活もやった上で、また「いばらのみち」の初日が来ると、その感覚がちょっと薄れているから、「できるかな、大丈夫かな、だるいな、めんどくさいな、人いるかな」ってなっちゃう。

―お客さんがいるのか心配していたわけですが、どこにもいてくれることが心強い。

ズ:ゼロがないんですよね。逆にゼロを待っているくらいだけど(笑)、意外とない。

実貴子:四国とかほぼ行ったことない県もめちゃくちゃあるのに、四国近郊の人がわざわざ来てくれたり。

ズ:おべっかをいうわけじゃないですけど、レーベルで約2年間やらせてもらったわけで、自分たちだけでやってたら四国はほんとにゼロだったと思うし、今日の新潟も絶対ゼロだったと思う。そうじゃないってことは、この1年間やってきたことがライブ以外でも無意味じゃなかったってことで。

実貴子:ラジオで知ったって人もめちゃくちゃいるし、テレビで知ったって人もめちゃくちゃいて。自分たちだけでやっていたら絶対無理やもんな。

新潟での路上ライブの様子

―各地のお客さんとは、コミュニケーションも取るんですか?

ズ:終わった後、みんなめちゃくちゃ話しかけてくれる。「ギタージャンボリー」や「フジロック」みたいな大きいイベントで見て、「自分の地元に来るなら行く」って来てくれる人が結構いたりして。

実貴子:家族連れも多いよね。

ズ:そう、無料で外でやっているから、「家族で4人で来ました」みたいなこともあるし、子供が手紙くれたりとか。俺だけ「さん」がついてなかったりするんやけど(笑)。

―子供も、お二人への接し方をよく理解しているんですね(笑)。

実貴子:子供は確かにそうだよね。「ファッキンミュージック」とか、子供には広まってきていて。

ズ:「教育に大丈夫ですか?」って毎回返すけど、「うちは大丈夫です」って(笑)。

実貴子:私と同世代の人は子供がいる人が多いからっていうのもあるかもしれない。

ズ:家でお父さんお母さんが流して、口ずさめるようになっちゃったからとかね。

―特に印象に残っているお客さんとのコミュニケーションはありますか?

実貴子:音楽をやっている人がギターを持ってきて、「ギターにサインを書いてください」って言ってきたのはすごいなと思った。

ズ:地元から九州まで来る人もいてくれたりするしね。

実貴子:遠出してわざわざ路上ライブを見てくれる。

ズ:それがいいって言ってくれるんですよ。普段のライブハウスにもちゃんと来てくれているのに、「路上は路上でしか感じられないことがある」ってわざわざ来てくれる人もいて。今日も1人、「新潟に行こうと思ったけど終電がなくてごめん」ってなった人がいて。みんなおかしい人たち(笑)。

実貴子:そうだね。時間とお金をかけて路上ライブを見に来る人がいるっていう。

―ライブハウスで見るのとは違うと感じてくれているわけですが、演奏している側としても、そういう感触はありますか。

実貴子:路上はタダだから、お客さんに求められているものは特にやらんでいいと思うし、やりたいようにやるし、「営業してる」っていう気持ちはだいぶないかな。

ズ:セットリストも全然気を遣わないよね。

実貴子:一応「いばらのみち」って銘打っているから、『いばら』の中からやってっていうのはちょいちょい言われながらなんですけど、お客さんに期待しないって気持ちがすごくあるんよね、路上に関しては。通りすがりの人が一瞬見て帰ることもあるわけだし、それをずっと引き止めたいとあまり思ってなくて。勝手にやってるから、勝手に止まるなり通りすがるなりしてってくらい、めちゃめちゃ閉鎖的にやってる。じゃないと、自分が傷つく。防衛本能みたいな感じかな。だから最初はお客さんをあまり意識しないで歌っているんですけど、大体1回40分やって、35分目ぐらいに目を開けて、お客さんがいるっていう光景を見ると、めちゃめちゃ気持ちが昂る。

―あまりお客さんは見ない?

実貴子:全然見ない。

ズ:ずっと目を瞑っているよね。

実貴子:ライブハウスは途中で帰る人がほぼいないじゃないですか。だから人に向けて歌っている感覚で目も開けているんですけど、それとはだいぶ違う。

―それこそ以前、関係者向けのコンベンションライブの時は「今いる人たちの気持ちをひっくり返すんだ」みたいに燃えていたじゃないですか。それとはまた全然違う。

実貴子:もっとだいぶ閉鎖的。

ズ:客観的にみたら、正直つまんないと思うよね。最初に「自由にしてくださいね」くらいしか言わないし、そっから何も喋らないし、知らない曲も結構やるし、「一体みんな何を見に来てるんだろう?」って俺は客観的に思っちゃうけど、お客さんは「いい」って言うからよかったなって。

実貴子:10本目ぐらい終わった時に「このやり方でいいんやろか」ってなって、(ズが)「MCしようかな」って言い出したんよ。

ズ:「では次の曲は」って紹介して(笑)。演歌の司会みたいになるから結局やめましたけど、ちょっと憧れはあるもんね。「ここは新潟、4月——」みたいな。

実貴子:「それでは聴いていただきましょう」みたいなね(笑)。

ズ:でもそれだとやっぱちょっと笑いになっちゃうから。

実貴子:あと身内ノリは作りたくないんよね。知っている人向けに喋るんじゃなくて、マジで知らない人がいるテイでやってるから、あまりペラペラ喋りたくないのはある。

―向き合い方は違うかもしれないけど、精神的には一緒なわけですよね。半分やってきて、何か得たものってありますか。

実貴子:得たものかあ……何を得たんやろ。

ズ:シンプルに、実貴子さん、甘える環境があったら甘えるタイプだから。連続して歌うのが嫌だってずっと言っていたじゃない? 「ライブ2日連続でもきつい。3日連続なんてありえない。しかも遠征なんて無理無理無理。喉に悪い」って言っていたのが、だいぶ変わったよね。

実貴子:あ、それは確かに。鍛えられたね。勝手にね。

―武者修行みたいな感じですね。

実貴子:それはあるかも。

ズ:喉の調子がちょっと悪いなっていう時は、不安が勝って、ライブがダメになったりすることもあった。でも路上はお金をいただいているわけじゃないから、ちょっとパフォーマンスが落ちても気持ちの方が大事だっていうのを自分で取り戻してるというか。やってみたら結局行けちゃうんですよ。有料の普通のライブで、前日に喉の調子が悪いって言っても、「いや、路上では行けてるじゃん」っていう話になって。

実貴子:行けちゃうっていうのは増えたね。確かに。

ズ:メンタル面は全然違うと思う。

―去年の取材の時に、京都のライブを1本飛ばしてしまったことをすごく反省していたじゃないですか。

ズ:そのちょうど1年後、京都で実貴子さんのソロのライブがあったんですけど、喉がボロボロで、飛ばすか飛ばさないかってなったんですよ。

実貴子:去年飛ばしちゃったことがあったから今回は行ったんやけど、声は出なかった。「気合いでなんとかなる」って学んだはずで、気合いで行ったけど、気合いでなんともならんやつもあった(笑)。ステージで泣いちゃって。あんなに惨めなんやって。

ズ:でも、今年は飛ばさなかった。それが本当に偉い。

実貴子:それが何に繋がるかっていうと、来年は3月にライブを入れないっていう選択ができる(笑)。花粉もあるから。去年も同じ時期にやっていたし。

ズ:俺は入れるけどね。

実貴子:学んでこうぜ! 3月末はダメ。「行けるぞ、行けるぞ、行けるぞ! 行けない」みたいな感じだったから。

―精神論ではどうにもならないところがあると。

実貴子:なんともならんところがわかったよね。そこが限界なんやって。限界を知れた。

―ズさんは路上ライブの時、ドラムセットを持っていけないじゃないですか。どういうことをされているんですか?

ズ:ビラを配って、動画を撮ってアップするという、完全にマネージャー業ですね。宿を予約して、チケットを取って渡して。

実貴子:でも、ビラ配るのがすごい上手になったし、どんどん技術が上がってきていて。今日は知らない人にも渡せたとか、冷たい反応の人にもだいぶ耐えている。

ズ:そっちのメンタルは強くなりました。まあ普通のことなんですけどね。誰でもできることで。

―いやいや、心が折れますよ。

実貴子:あと音響もやってくれてるね。アンプいじるだけって言うけど。

ズ:ぶっちゃけ必要ないし、1人で行けると思ってる。1人で行った方が全然「いばらの道」だけど(笑)。でも、それを共有するでいいのかなって。

―ちなみに、投げ銭はライブの出来と連動するものですか?

実貴子:ライブの良し悪しとはあんまり関係ないですね。何人来てくれたかとはあんまりリンクしてないような気はしてる。

ズ:「無料で見ていいのかな」くらいの気持ちでくれてる人もいるしね。CDを買ってくれる人もいるんで。

実貴子:お手紙くれる人もいて、それもめちゃくちゃうれしい。

ズ:サブスクで聴いてきてくれているのに、物は持ってないんだなっていう人がすごく多い。地方に行けば行くほどかもしれない。「本人から買えるなら買う」って人が結構いて。時代的なものも感じるよね。

実貴子:こんなにCD売れると思ってなかった。

ズ:LOSTAGEのやり方というか、CDを持って全国回るっていうのはありなんだろうなと感じますね。

―ちなみに、『いばら』収録曲は、路上でどのくらいやってるんですか。

ズ:2曲くらいじゃないですか?

実貴子:2、3曲やね。路上では普段のライブであまりやらない曲をやりたくて。「止まるな危険」は毎回やっているかな。

―選曲はやりながら考えるんですか?

実貴子:やる前に、その日やりたい曲を書き出して、そこからチョイスしていく感じかな。

ズ:順番はその都度だよね。

―今日このあとの路上ライブは、どういう感じで考えているんですか?

実貴子:前回から期間が少し空いたから、慣れている曲からやろうかなと。

ズ:ならし運転(笑)。

実貴子:北陸が初めてだから代表曲を中心に、じゃなくて、自信ないからちょっと練習って。移動も長かったし疲れたしって(笑)。

―「止まるな危険」は音源にいろんな楽器が入っている曲なので、路上で積極的にやっているのが意外だなと思いました。

実貴子:精神的にしんどいとき、自分に言い聞かせてるんよね。止まったら自分は終わるよって。しんどくても止まらずやりなさいっていう気持ちがいつも路上の時にあるから、多分歌っちゃってるんだと思う。

―自分自身に向けて歌っていると。

実貴子:ほとんど自分に向けて歌ってる。「止まるな危険」の気持ちの時が、路上でのベースになってるかも。

―いつ書いた曲なんですか?

実貴子:1年ぐらい前かな。とにかく作る、出すってことをやらなきゃいけなくて。すごく頑張っているのに「もっと頑張って」みたいなことを言われる時があって。好意で言ってくれてるのはわかっているけど、他人にテンポを決められて、それについていけない自分がすごく情けなかった。でも、空振りでも、ダメな曲でも、作ることをやめたら当たる可能性もなくなるから、とにかく動きまくれ、作りまくれ、止まらないこと——そういう戒めみたいな感じで書いた。だから1年前に書いたけど、「いばらのみち」にもだいぶリンクしてる感じがある。<涙も枯れたのに>

―「0月0日」もよくやっている曲とのことで、感情がリンクする部分もある?

実貴子:歌っていて単純に気持ちいいが一番の感情なんですけど、外とめちゃめちゃ合うんよ、歌ってて。なんでなんやろ。

ズ:「肩の荷が下りる」って言ってたよ。「自分のために必要な曲」みたいなことも。

実貴子:蝉が主人公の曲なんですけど、「あなたのようにはなれませんけれども、私は」みたいな感覚もあって。諦めと、肩の荷を下ろすというか。ふわっとした曲だから。自分の曲にあまりない色合いで、ギュッギュッて曲の間にスッと入ると心がほぐされる。そういう意味でちょうどいい曲なんです。

ズ:逆にこの曲、音源では2人プラスバンドで録っているんですけど、ライブでは2人で一度もやったことがないんですよ。

実貴子:1回もやったことないよね。

ズ:なんかやれなくて。「じゃあライブでやろう」ってなった時に、2人でやる曲じゃないのかもって。ちょっとソロっぽい。

―技術的な話じゃなくて。

ズ:2人でやると気持ちがアガらないんですよ。今まで、実貴子さんが新曲を持ってきて、「これは2人でやる曲じゃないね」ってなったらソロに回っていくパターンが多いんですけど、音源化したのがこの曲で。『いばら』の中でも圧倒的にソロ曲的感覚なので、ライブではアガらないんです。

実貴子:アガらない曲だから、常温の街の空気にめちゃくちゃ合う。路上にめちゃくちゃはまるから、毎回やっちゃってるかな。

―ライブハウスじゃなくて路上だから見に来る人も、そういう部分を感じているのかもしれないですね。逆に「ががが」は路上でやっていますか?

ズ:路上では弾き語りで2回ぐらいしかやってないよね。

実貴子:後半は全くやってない。ソロだとアガらないから。「ファッキンミュージック」とか「かかってこいよバッドエンド」はやるけど。

ズ:僕はやった方がいいとは思っているんですけど、でも気持ちはわかる。

―「ががが」の歌詞はすごく強いと思うんですけど、何よりも「ががが」って言葉が体に響いてすごく気持ちが伝わってきます。

実貴子:子供と同じ感覚やね(笑)。子供も音の雰囲気で好きになるじゃないですか? 言葉の意味よりも、響きとメロディで覚えて好きになってくれてるんや。

―「ががが」って何がきっかけで書いたんですか。

実貴子:「止まるな危険」と同じくらいの時期に、とにかく曲を作っていて。すごく頑張っているのに「もっと頑張って」みたいなことを言われる。いや、頑張っとんやけど、そんなん知らんやろって逆ギレみたいな(笑)。

ズ:好意の「頑張れ」すらそう感じてしまう心境で作った。イライラのみ、みたいな。

実貴子:お客さん側の人に対してそう思ってしまう時もあるし、レーベルとか身内に対してもそう思ってしまうこともある。その先には優しさと興味と、信用してくれてるっていう土台があるのはわかっているんやけど。

ズ:それこそレーベルの人も、軽い気持ちで「じゃあ名曲3曲ぐらいお願い」とか言うんですよ。ほぐそうとポップに言ってくれていることが、こちらの状況次第ではすごくうるさく感じてしまう。すごく幼稚な曲だとは思うけど、こういう気持ちを曲にしてもいいでしょとも思ってる。

―ちなみに、『いばら』の中で、ズさんが一番ライブでアガる曲ってどれですか。

ズ:そうだなあ……「ハックオフ」とか。

実貴子:そうなんや。「イッキ」とか違うの?

ズ:「イッキ」もいい。

実貴子:「止まるな危険」も最初はいいって言っとったけど、もう飽きた?

ズ:全然全然。「止まるな危険」も推しの曲ではあります。「ハックオフ」は作った理由とか状況も全部見ているから、「なんだかんだ俺もそうだわ」ぐらいでリンクしやすい。

―どういう気持ちで作った曲なんですか?

ズ:……どこまで言っていいかな。

実貴子:使える感じで言おう。自分たちでライブとかイベントを決めていく中で、共通で関わっていたある人が、話の通じない人だなってなったことがあって。

ズ 今後の話をしていた時に、「今の規模感と合わないし、もっと小さいところでやってソールドさせた方が見え方もかっこいいし、得策だと思う」みたいな話が出て。もっと納得できる理由があったらいいんですけど、めちゃくちゃダサい理由だなって思っちゃって。

実貴子:音楽への気持ちがない人と仕事するのは本当に辛い。それを一緒に感じていたから尚更、気持ちが入る曲かもしれない。

―話を聞けば聞くほど、メジャーデビューしてから出会った人との関わりの中で生まれた感情が曲になってる作品なんだなと。

ズ:「メジャーセカンドっぽい、売れそうな曲」って感じではないし、思ったより派手には仕上がらなかったから申し訳ないなって気持ちはある。でも、そのままのセカンドアルバムだとも思っています。

実貴子:今までもそうだったもんね。その時々の人生がそのまま出てきてるから。

ズ:でも、次作は変わりそうって思ってる。

実貴子:そんな曲できたの(笑)?

ズ:できてないけど、やっぱ1年前と心境が全然違うなって思う。この「いばらのみち」も含めて。

実貴子:まあ確かにそうだ。

ズ:全然違うから、また違うアルバムできるだろうなとはすごく思う。

実貴子:次は、愛と平和かもね(笑)。

ズ:次の僕のお気に入りで「ラブ・アンド・ピース」っていう曲があって。

実貴子:「「ラブ・アンド・ピース」、何それ」って曲ね(笑)。

―気になります(笑)。路上では、アルバム未収録曲ももうやっているんですよね。

実貴子:やってる。で、この人(ズ)が、Xにアップしちゃってて。

ズ:「やるなよ」って言いながらね(笑)。

―今「いばらのみち」でやっている未発表曲の中から、まずは「心臓」がリリースされるんですよね。

実貴子:最近作っている4、5曲の中で、路上で初めてやったのが「心臓」。だから、路上始まりの曲も結構あるんですよね。

―「心臓」はいつ頃作った曲ですか。

実貴子:クリスマスに「いばらのみち」が大阪であったんですけど、路上で歌っていたら警察に止められて、辺鄙な公園に移動してやった夜があって。それがめちゃめちゃ感動的な一夜だったんです。

ズ:集まってくれてた人たちみんなで「じゃあどこならできる?」ってなって、一緒に公園に移動して、誰もいない公園でその人たちだけにやるっていう形に変わって。

実貴子:感動して泣いちゃって。何の感動かはちょっとわかんないけど、私がすごく励まされて。その流れで作ったのが「心臓」やったんです。クリスマスからお正月にかけてって、いつもよりダラけちゃう自分がいるんやけど、「こんなに人に信用されてて、待ってもらっていて、期待されていて、それが目の前にいて、同じ時代に出会えてて、自分の出すものをいいって言ってくれる人間がいる」って感じて、「もっと頑張んなきゃ」っていう気持ちになった。だから、クリスマスの路上ライブに背中を押されてできた曲が「心臓」。<動け心臓。脈打つだけじゃダメ>っていうのが大きなテーマなんだけど、生きているだけじゃダメで。もっと自分を鼓舞して無理やり動かしていくパワーが、ちゃんと生きるためには必要。今ちょっと変な時代だけど、この変な時代と変な街並みに馴染むような人間になってはいけないっていう感覚がある。「いばらのみち」が作ってくれた曲でもある。(ズに向かって)覚えといて、次のインタビューでも話すから。

―(笑)。話を聞けば聞くほど、「いばらのみち」やってよかったですね。

実貴子:実際、こんだけ時間と労力と人生取られとるわけやもんな。

―路上での経験は次の作品に繋がっていきそうですね。楽しみです。

ズ:半分くらいはそういう曲、またはそういうきっかけの曲になると思います。ライブに置き換えたら47本やってるわけだもんね。

実貴子:そうだね。でも、まだ半分か。自信を持っていえることがある。もうやめたい(笑)。もう十分。

ズ:まだ、こっからです(笑)!

<リリース情報>

鈴木実貴子ズ

︎『心臓』

2026年5月20日(水)配信リリース

鈴木実貴子ズ

︎メジャー2ndアルバム『いばら』

発売中

https://lnk.to/ibara

<ライブ情報>

「いばら」リリースツアー

5月8日(金)北海道・KLUB COUNTER ACTION w/ 後藤まりこアコースティック violence POP

5月10日(日)宮城・LIVE HOUSE 仙台 FLYING SON   w/toddle

5月25日(月)東京・渋谷 CLUB QUATTRO ※ワンマン

https://lit.link/suzukimikikozu

️AL「いばら」リリース記念47都道府県路上ライブツアー『いばらのみち』

4/28(火):鳥取

4/29(水祝):島根

4/30(木):岡山

5/1(金):山口

5/2(土):広島

5/7(木):札幌

5/28(木):名古屋

5/29(金):岐阜 

6/3(水):宮城

6/4(木):岩手

6/5(金):青森

6/6(土):秋田

6/7(日):山形 

6/11(木):横浜

6/12(金):東京

※ライブ場所に関しては、ライブ当日に発表します。

鈴木実貴子ズ Official HP http://mikikotomikikotomikiko.jimdofree.com