あぶさん

しらす資源保護のため、神奈川県相模湾では毎年1月1日から3月10日までを禁漁期間としています。平塚市漁業協同組合は、2026年3月11日をしらす漁の解禁日と発表しました。

ひらつかタマ三郎漁港(須賀港)近くにある海鮮料理の老舗「あぶさん」に、早速足を運びました。

「あぶさん」は、平塚漁港近くの千石河岸にあります。平塚駅南口から出ている神奈中バス「須賀港」行きに乗り、終点で下車。バス停から相模川沿いを1~2分ほど歩くとお店に到着します。

生しらす丼を食べるつもりで訪れていましたが、これまでなかなか出会えず、今回5回目の来店でようやく味わうことができました。

解禁直後に味わう「生しらす丼」

「しらすは大きさが重要で、約1cmだと小さすぎ、4cmほどになると大きすぎて苦みが出てしまいます。ピンと張りがあり、ちょうどよい大きさは2~2.5cmです」と、漁師の息子からしらすを仕入れているオーナーの水島さんは話します。

漁獲量は海水温や海流によって左右され、その日の状況によって変わるため、生しらすが毎日提供できるわけではありません。

「あぶさん」人気メニュー

不動の人気は「生しらす丼」です。

酢飯の上に、佃煮、醤油漬け、釜揚げと、3種類のしらすが彩りよく並びます。中央には大葉と万能ねぎ、煎ったみがきごまを配し、その上からたっぷりの生しらすが豪快にのせられています。

生しらすは、やわらかな口当たりで、ほのかな甘み。大葉やねぎのシャキシャキとした食感に、マスターが丁寧に煎ったみがきごまの香ばしさが重なり、味わいに奥行きをもたらします。

「あぶさん」のご飯は酢飯。生しらすとの相性もよく、通常の1.5倍というボリュームながら、思わず箸が進み、あっという間に完食してしまいます。

「生しらす丼」が食べられるのは、2026年3月11日~12月28日で、お吸い物がついて税込1,500円です。

生しらす丼と並ぶ人気は、「港めし」です。そのボリュームの多さに驚かされます。さらに、刺身の切り身の厚さも印象的です。

この日は、まぐろ、カンパチ、カンパチの腹身、づけまぐろ、ネギトロ、真鯛、アジ、干ししらすなどが、皿からこぼれ落ちそうなほど盛り付けられていました。

目利きのマスターが仕入れる刺身は鮮度が高く、内容は時期や仕入れによって異なります。目の前の漁港から直接仕入れているため、新鮮な魚が味わえるのも魅力です。漁港に隣接する立地ならではの一品といえるでしょう。

量が多いため、複数人で訪れる場合は「港めし」と別のメニューを組み合わせてシェアするのもおすすめです。酢飯とお吸い物がついたセットで税込2,300円です。

「港めし」と同じくらいの人気のメニューは「あら煮定食」です。

その日の漁獲によって魚の種類は異なります。この日はカンパチ。真鯛の日もあるそうです。

かまや骨まわりの部位が、皿いっぱいに盛り付けられています。

あぶさん特製のタレは、コクのある濃厚な味わいで、思わず箸が進みます。

大きな兜がふたつ。脂やゼラチン質が豊富で、旨味が凝縮された部位です。

目の部分は「食べると目に良い」と言われているのだそうで、しっかりといただきました。酢飯とお吸い物がついたセットで税込1,500円です。

そして次に人気のメニューは、「地魚フライ定食」です。

大ぶりのアジフライが4つ並び、1つで2枚分あるのではと思うほどの肉厚さです。こんがりと揚がった衣が食欲をそそります。外はサクサク、中はふんわり。脂ののりもよく、ジューシーな味わいが楽しめます。

付け合わせの干ししらすも、食事の満足感を高めてくれます。

おかわり無料のご飯は普通盛りでもしっかりとしたボリュームがあります。お椀のお吸い物はすっと喉を通り、全体のバランスを整えてくれます。酢飯とお吸い物がついたセットで税込1,500円です。

お土産には「自家製たたみいわし」(10枚・税込2,100円)もおすすめです。軽く炙って、七味を加えたマヨネーズにつけると、お酒によく合います。

「生しらす丼」と「あら煮定食」は数量限定のため、来店前に電話で確認すると安心です。

元すし職人がつくる、港の食堂「あぶさん」

マスターの水島新次さんは、神奈川県二宮町出身の元すし職人です。「あぶさん」近くの寿司店で経験を積み、24年前に現在の店舗へ移りました。

定食に酢飯やお吸い物、温かいお茶が付く点に、すし職人としてのルーツが感じられます。

週末には、噂を聞いて訪れる人や、海や川へ釣りやレジャーに来た人でにぎわいを見せます。

一方で、地元の漁師や須賀エリアの常連客がカウンター席に腰を下ろし、酒を片手にマスターや従業員の佐藤由佳さんとの会話を楽しむ、落ち着いた一面もあります。

佐藤さんは開店当初からホールを担当しており、混雑時でも手際よく丁寧に接客していました。

職人気質の水島さんと、笑顔と気配りを大切にする佐藤さん。そのバランスの良さが、長く愛される理由のひとつといえそうです。

店名の「あぶさん」は、漫画家・水島新司による野球漫画『あぶさん』に由来します。マスターの名前と一字違いという偶然から付けられたそうです。

店内には『あぶさん』のコミックが全107巻そろっており、作品への親しみも感じられました。

また、カウンター横にはマスターの人柄が伝わるユニークなパネルが貼られていました。一生現役で活躍したいという思いがつづられており、思わず足を止めて見入ってしまいます。

一見すると寡黙な職人気質の印象ですが、話してみると気さくでやさしい人柄。

連日多くの人が訪れる「あぶさん」は、そんな水島さんの魅力そのものといえるのかもしれません。

愛犬と過ごせるテラス席

マスターのいるカウンターを中心とした店内席は、カウンターに4名、テーブル席は4名席が2つあります。

その奥には、日差しが心地よく入るテラス席があります。

テラス席には、相席となる大きなテーブルのほか、愛犬と一緒に利用できるテーブル席が2席用意されています。

仲間や家族との食事はもちろん、愛犬と一緒にゆったりと過ごせる空間です。

食後に楽しむ須賀港散歩

「あぶさん」でお腹いっぱいになった後は、周辺をぶらりと散歩してみるのもおすすめです。

「あぶさん」は、ひらつかタマ三郎漁港(須賀港)とひらつかタマ三郎漁港(新港)のちょうど中間に位置しています。

この一帯は、東海道線が開通する以前、物資の集散地として「須賀湊」と呼ばれ、栄えていました。1887年(明治20年)頃には、漁業や物流の拠点としてにぎわいを見せていたといわれています。

「須賀」という地名は、海辺の砂地や砂丘を意味する地形用語に由来しています。江戸時代から明治中期にかけて「須賀湊」として発展し、地域の経済を支えてきました。

現在もその面影は残り、水産加工業や漁業協同組合を中心とした相模湾の漁業が受け継がれています。釣り船や釣具店、乾物店が立ち並び、漁村らしい風景が広がります。

食後のひとときに、ゆったりとした時間を過ごすことができます。

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最寄り駅 JR東海道本線, 平塚駅
住所 神奈川県平塚市千石河岸30-15 リバーサイド 1F
駅徒歩 JR平塚駅南口から神奈川中央交通バス(須賀港行)で約8分「須賀港」下車徒歩約2分
営業日 月曜日
営業時間 11:00~15:00
定休日 水曜日
予約 電話予約
電話番号 0463-23-7740
受付開始 10:00
受付終了 14:00
予算(下限) 1000
予算(上限) 2500
支払い方法 現金
席数 カウンター4席、テーブル4名席が2、テラステーブル10名席が1、テラステーブル4名席が2
席の種類 テーブル席
貸切 不明(店舗にお問い合わせください)
駐車場 有り
最大駐車台数 3台
ドリンクメニュー ソフトドリンク
利用シーン ランチ
アクセス 隠れ家レストラン
サービス ペット同伴
お子様連れ 可能