日本テレビ系ドキュメンタリー番組『NNNドキュメント’26』(毎週日曜24:55~)が、YouTubeで配信するショートコンテンツ『Nドキュポケット』では、3月22日に放送された「ふたりの現在地」(ミヤギテレビ制作)の再編集版を配信。東日本大震災で3人の子どもを亡くし、すれ違いながらも共に歩んだ夫婦の姿が描かれている。

  • 石巻市の風景

    石巻市の風景

宮城・石巻市に住む木工職人の遠藤伸一さんは、面倒見のいい長女・花さん、頑張り屋の長男・侃太さん、天真らんまんな末っ子・奏さんを津波で亡くした。震災当日、伸一さんは揺れの後、自宅にいた母親に子どもたちを託して親戚のもとへ向かい、自身も津波に襲われながら生還。しかし、子どもたちは帰らなかった。「なぜ自分は子どもたちを守れなかったのか」と、自分を責め続けたという。

震災後、伸一さんは自宅跡地に木製遊具や3体の地蔵を設置し、語り部などのボランティア活動にも取り組んできた。

一方、妻の綾子さんは、看護師として勤務中に震災に遭い、2日後に子どもたちの死を知った。夫への複雑な思いを抱え、夫婦はすれ違いの日々を送っていた。

それでも時を重ねる中で、綾子さんは「一番苦しんでいるのは夫なんじゃないか」と思うようになり、伸一さんの活動にも少しずつ参加するように。いつからか夫を恨む気持ちは薄れていった。

長女・花さんの誕生日には、生前と同じようにケーキを買って帰る伸一さん。記憶の中の娘は、あの日のまま止まっている。「会いたい、もう一度」という思いは今も消えない。

それでも2人は、命の重みと避難の大切さを伝え続けている。15回目の3月11日を迎え、夫婦として、愛する子どもたちの親として歩んできた時間の先にある“現在地”を映し出している。

【編集部MEMO】
『Nドキュポケット』は、第61回(2023年度)ギャラクシー賞で、優れた表現・新たな領域を開拓した番組に贈られる「フロンティア賞」を受賞している。